捜索編12
男達は葛葉の後ろに気配を消して忍び寄り
一番警戒すべき真由美が攻撃に周りこちらを意識していない一瞬をついて襲い掛かる、
だから男達は次の瞬間何が起こったのか分からなかった
足から首までが美しく透明な綺麗な氷に閉じ込められた
仁也の慈悲なのか頭は凍っていなかった
「おい、今何しようとした?」
男達の顔は氷の冷たさからか、それとも仁也の放つ
威圧に怖気付いてか顔が真っ青になっていた。
「俺がそばにいて葛葉に触れられると思うな、潔く眠れ」
仁也が右手を振るう
その瞬間氷が弾け飛び男達は意識諸共吹き飛ばされた
「大丈夫か?」
少し顔色の悪い葛葉に仁也は心配そうな表情を浮かべた
「う、うん迷惑かけてごめん…」
「心配すんな葛葉の能力がここで使いにくいっていうのは俺が一番分かってる」
仁也は穏やかな表情で葛葉の頭を撫でた
(あれが青春なのですかね、でも少しはこっちのことを考えて欲しいものですね)
仁也が担当するはずだった敵も真由美と式神が相手をしていた
「あ、悪い悪い、今戻る」
真由美の心を読んだように仁也はまた戦闘に戻った
しかし仁也が葛葉と話していた時間で真由美がほとんど倒してしまったので残りを2人で倒すのにはそこまで時間がかからなかった
「さて、これで終わりかな?」
「そうですね」
二人が少し息を切らしながら他の敵がいないか確認する
「葛葉は大丈夫か?」
「うん、おかげさまで」
「いやいや、訓練に比べたら楽なもんだよ」
「そうだね」
二人は笑いあう
「その訓練って何?」
これ以上二人の世界に入れられるのは困ると考えとっさに質問をしてしまった
「あぁごめんなさい答えたくなかったらいいの、少しあなたのその強さに気になったことがあるだけだから」
言い訳には無理があったが真由美が仁也の強さに興味があったのは本当のことだった
「いや別に答えられないことじゃないけど不必要に他の人に話さないでほしい」
教えてくれることに驚きはしなかったが、言いふらされたくないというのは予想外で
少し真由美の中で緊張が走った
「俺昔は蓮也に修行をつけてもらってたんだ、まあ蓮也にも色々あったから毎日じゃなかったけど結構時間取ってくれてさ、その修行の中に葛葉を守りながら蓮也と戦うってのがあってそれが結構つらかったんだよ」
仁也は笑いながら話す
「ちょっと前までは全然一緒に戦うことなんて無くなっちゃったけど、今は一緒に学園に通ってるしまた蓮也と戦えたり呪物と戦えるからまた楽しくなる」
脱線しちゃったなと笑う仁也の顔は本当に楽しそうなものだった
「質問をしてもいい?」
「答えられるものなら何でもいいよ」
「今の仁也と蓮也君ならどっちが強いの?」
真由美は仁也の実力はもちろん、蓮也の強さも知っている
だから一番近くにいて実力を身をもって知っている仁也に聞いてみたい質問だった
「逆にどっちが強いと思う?」
こちらが質問されると思っていなかった真由美は少し固まってから
「……蓮也君だと思うわ」
と真由美は答えた
「あぁそうだな、悔しいけど俺が蓮也に勝つことなんてありえないと思う」
仁也は悔しいと言ったが真由美はそう言っているようには見えなかった
「蓮也がどれだけ努力して今の実力を手に入れたか多少は知ってるからな、どうやっても蓮也を越えられる気がしない」
真由美には蓮也がどんなことをしていたかわからないが
普通ではないことをしていたという想像だけはできた。
暗い洞窟の中、一つの灯りの周りに三人の姿があった
「まあ、逃げられたら困るのでね」
(仲間がいたなんて……不覚)
「まあまあ、そんな悔しそうな顔をするな、こいつは隠れるのが得意だから」
そう言う男の横にはフードをかぶった女性らしき人物がいた
「それで、君をどうするかだけど……逃げる姿勢を見せた時点で交渉の余地はないね」
「元々交渉する気なんてない!」
「それは残念」
男はそういうと右手を縛られている綾子に近づけ始めた
(ここまでかな……結局色々分からずじまいかぁ、ごめん栞、武……)
綾子が男のされるがままになろうとした瞬間後ろの方から爆発の様な音が鳴った
「なんだ!?」
「……!?」
男と女は予想外の出来事に動揺していた
(……なんで)
綾子は自分を助けに来てくれたであろう人物に衝撃を隠しきれなかった
「綾子どこだ~?」
爆発によってできた岩の山の上に黒い影とともに武尊が姿を見せていた。
お久しぶりです、前回から時間がたってしまいましが、このゴールデンウイークで今の「捜索編」
が終わります、そのため終わるまでは毎日更新するつもりです。(そこまで長くないので)




