捜索編8
ちょっと久しぶりの更新
「今は俺が相手だろ」
蓮也は武尊に向かって行った男の突進を右手一つで止めていた
男は止められたことに動揺し体が硬直してしまった
その瞬間を蓮也が逃すはずもなく男の右頬を空いていた左手で殴った
男はよろめきその場に膝をついた
「意外だ、まだ意識はあるみたいだな」
「ぐっ…」
蓮也の前に男がひれ伏すように倒れる
「見誤ったか…」
「そうだな、最初からちゃんとやってれば少しは善戦できたかもな」
このやり取りを武尊は少し離れながら見ていた
(あいつみたいなやつ組合にいるんだ…今後のために学園長たちに連絡しておくか)
武尊は連絡を取ろうと携帯を起動すると仁也達からの着信があったことに気付いた
(こんなに着信、何があった…!?)
武尊は仁也からの着信を見ると表情を変えて叫び声に似た声を上げた
「蓮也!!」
その声に蓮也は驚いた表情を見せた
「これ見て」
武尊は蓮也の方に走っていきメッセージの内容を見せた
「これは…これが本当だとしたらまずい、けどこっちも手が離せない」
「わかってる、だから」
武尊は深呼吸をして、蓮也に提案する
「俺が行く」
「いいのか? お前が助けても?」
蓮也の心配は武尊と綾子の仲の心配だった
「まあ、助けたとしても歓迎はされないかもしれないね、でも言ったでしょ? もし自分ならいてもたってもいられないって」
その時の武尊の表情は止めても無駄だと言っているようだった
「なるほど、それなら余計行かなきゃな」
「うん、じゃあ行ってくる」
「あぁ、頼むぞ」
そう言って武尊は来た道を戻っていった
「おい、律儀に待ってんじゃねぇ」
蓮也は自分の前でまだ倒れている男に話しかけた
「いやいや、今やっと意識がはっきりしてきたのさ」
男はそういいながら立ち上がり蓮也に一発くらわそうと右手を振る
しかし今度は蓮也に当たることもとなく、虚しく空気を殴るだけだった
「当たると思ったのか?」
「いや、でも十分だ」
男は力を振り絞って空を切った右手をすぐに地面へ叩きつける
その瞬間地面が大きく揺れた
「うおっ」
蓮也は急いで男と距離を取った
その時蓮也は違和感に気付いた
(ん?……ここは揺れてない)
「どうやらばれてしまったようですね」
(領域内の技なのか……? なら対策はある)
蓮也は男が攻撃態勢に入る前に速攻攻撃の形をとった
「これで一旦終わらせてやる」
蓮也の攻撃に耐えられず男は膝をついた
「まだだろ? 本気を見せろ」
蓮也の冷ややかな目が男をとらえる
「そうですね……そうしないと負けてしまう、ですがこの状況でひっくり返せるほど己惚れてません」
男はそういうと目を閉じ息を吐く
「でも、自分の好奇心に勝てないみたいだ」
男はこれまでとは違い、突進じゃなくステップのように近づき
拳を連続して蓮也の顔を狙って打ってくる
それを蓮也は危なげなくかわし反撃の一瞬を探す
しかし男の攻撃はスピードも威力も落ちることなく
同じスピード、同じ威力で蓮也を狙ってくる
(止まらない…やっぱり領域の中だったらあいつに利点があるみたいだな)
「ほらほら、かわしているだけじゃ駄目ですよ!」
「脳筋が…」
蓮也は大きくバックステップで距離を取り
一歩足を踏み出し右手を左下に構えをとる
「それはもう知ってますよ!」
男はそうはさせないとさっきまでより速いスピードで距離を縮める
「あぁ、知ってることを知ってるよ…」
蓮也は構えた右手ではなく左手で男の首を掴む
「がっ…」
またも男の言葉にならない声が鳴る
「教えてやる、お前に俺は倒せない」
そう言って蓮也は構えていた右手を男の腹に打ち付ける。




