捜索編5
ドアをノックする音が白い廊下に響く
「入れ」
「失礼します、今この建物に侵入者二名を発見しました」
黒いスーツを着た男が椅子に深く座る人物に報告をする
「侵入者は東武尊と西条蓮也です」
「ふむ、今奴らの場所は?」
椅子に座る男はこめかみに手を当てながら聞く
「今は最初に警備に当たった部隊と戦闘中ですね」
「その部隊は?」
「第五部隊です」
男はため息をつきながら机にあったコップを口元に運んだ
「時間稼ぎにしかならないな…」
それから数分後、蓮也達は先に進んでいた
「ここからどう進む?」
「さっきの連絡で今仁也達が向かってるって言ってたから俺たちが仕留め損ねても
外には逃げられなくなる、だからいち早くヒナを見つけて連れて帰る」
心なしか蓮也の表情はさっきより暗くなっていた
見渡せば白しかない廊下をただ走る
「とまれ!」
後ろから声がして数人の足音がする
「どうする蓮也、撒く?」
「いや、俺が片付ける」
右足に重心を傾け流れるように右手を横に振る
その瞬間追ってきていた男たちはなぎ倒されるように飛んで行った
「先を急ぐぞ」
「了解~」
「なあ武尊、何か警備手薄すぎないか?」
今ビルに入ってきて数十分がたち自分たちも建物の中心部には近づいてきたと思っていた
しかし、それにしては追ってくる警備達が少なすぎる
「確かに、誘い込まれてる可能性はあるね」
「少し警戒を強めて進むか」
「わかった」
そう言ってまた走り出した
「進捗はどうだ?」
男は自分の前にいる部下に尋ねる
「はい、ただいま配置が完了しました」
部下のその報告を聞いて男はニヤリと不気味な笑みを見せた
「そうか、ちなみにあの地点にはあいつをつかせているんだろう?」
タブレットで地図を見ながら男は言う
「はい、あの地点を通らなければ愚か彼らの目的地にもたどり着けません」
警戒を強めながらひたすら白い廊下を走っていた
「しばらく走ってきたけど、こんな広場みたいなところがあるんだね」
「あぁ、いかにも怪しいけどな」
目の前にはこれまでとは考えようもつかない広く天井が高い白いドーム状の広場だった
怪しいと言いながら俺と武尊は堂々と広場の中央に向かって歩いていく
「怪しいと言いながらも入ってくるのだな、けれど警戒は解いていない様子、びっくりした様子がないこれはなかなか手ごわい相手かもしれませんねぇ」
目の前に現れたのは長袖長ズボンというラフな格好の男だった
これまでのスーツの男達とはまったく違う恰好の上に
「ねえ蓮也、あいつかなり強いね」
武尊もわかったように俺の方を見てくる
「あぁ、今までのようにとはいかないだろうな」
今前に立っている男はこれまでの奴らとは纏う雰囲気が格段に違うのだ
「いやいや、子供だからと言って少し甘く考えていたが、考えを改める必要があるな」
男はニヤリと笑うと右手の袖を捲った。
「先手必勝っということで」
男が体を傾けた瞬間姿が消えた
その直後、背後に殺気を感じ取る
とっさに俺と武尊は姿勢を低くして繰り出されるであろう攻撃をかわそうとした
しかし、攻撃が繰り出されることはなかった
「いやー、まさか反応までしてくるとは、東武尊はまだしも西条蓮也にまで避けられるとは」
男は気付くと蓮也達とは距離のある端の方に姿を見せていた
(なんであんな所に、殺気は確かに近くに感じたぞ)
「これは、いよいよ本気でやらないといけないかもね」
武尊が笑いながら屈伸を始める
「あぁ、まさかここでこんな相手に会うとはな」
「さあ、久しぶりに骨のあるやつと会えたんだ楽しませてくれよ?」
男は変わらず笑ったまんま正面切って今度は見える速度で向かってきた。
更新ができずにいて申し訳ないです
まだこの頻度が続くと思いますがよろしくお願いします




