捜索編4
「すみませんがここから先に行くと組合に気付かれる可能性がありますので私はここまでとなります」
成瀬が申し訳なさそうに頭を下げた
「いえ、十分です」
「任務が終わりましたら連絡を頂ければいつでもお迎えに上がります」
「毎回すいませんがお言葉に甘えて」
「その時は許嫁様もご一緒に」
成瀬は微笑みながら言った
「それではご武運を」
成瀬の言葉を背中で受け蓮也と武尊は歩き出す
「作戦とかある?」
「そうだな、普通に正面から入って話し合いで済むならそのままヒナを連れてくけど、もし話し合いが無理なら強行突破も考えてる」
「了解」
そう言って蓮也とい武尊は走りだした
蓮也達がビルの入り口のついたのは走り始めてから十分ぐらいだった
二人がドアに近ずくと白い扉が自動で開いた
ドアが開いて現れたビルの中はショッピングモールのような広さだが
人はおらず、ドアや壁が白だけでただ淡々と道が続いている空間だった
「これ僕たちが入ったことばれてるのかな」
武尊がそういった瞬間、誰もいなかった道の奥の方から大勢の足音がした
「ばれてるみたいだぞ」
「誰だ!」
そう言って蓮也達の前に現れたのは白衣を着た集団とヒナを連れて行った男が着ていた
黒スーツの集団だった
「ここは我々組合の敷地です、不法侵入は許しませんよ」
黒いスーツをした男一人が前に出て言ってきた
「いやいやすまない、ここに知り合いの女の子がいるかなと思ってね」
武尊は器用に相手を怒らせないような口調で応対した
「おや、これはこれは武尊様ではないですか」
男が驚いたような少し演技のような反応を見せた
「ですが残念です、ここには武尊様のお探しの人はいないですよ」
男はニヤリと笑った
(会議の時のあの男と似てるな)
「いや、いないかどうかは自分の目で確かめるよ」
この発言に前の男含め周りの人間も一気に雰囲気が変わった
「いえ、こちらにも事情がありますのでそう簡単にお通しすることはできません」
白い空間の中に黒スーツの男と武尊の口論だけが響いていた
その時蓮也のポケットに入っているスマホが鳴った
「もしもし」
蓮也は周りの雰囲気を気にせず電話に出た
「あぁ、うん、了解、連絡ありがと、じゃ」
蓮也はスマホをしまうと武尊に電話の内容を伝えた
「こっちの情報によると僕らの探してる女の子が入っていってそこから出てきた形跡がないみたいなんだよね」
武尊が薄気味悪い笑顔を向ける
「カメラの映像見ればわかるから一緒に見る? まあどっちにしろ、その後探させてもらうけど」
「それは困りますね、ここでじっとしているかお引き取りをしていただかなくては」
男はそういうと手で仲間に合図のようなものを送った
その瞬間白衣の男達が後ろに下がりスーツの集団が蓮也と武尊を囲む
「すみませんが力づくでいかせてもらいますよ」
「へぇ、勝てると思ってるんだ」
武尊が煽るように言葉を放った瞬間男たちは数人ずつ前に出てきて攻撃を始めた
建物の中なのを気にしているのか男たちは体術だけで攻撃をしていた
「なあなあ、蓮也くんさぁ、これ負けると思う?」
「実際弱くはないんじゃないか?」
十人近くの大人の男の攻撃をヘラヘラ笑いながら避ける武尊と
ただ淡々と攻撃を避ける蓮也は話しながら次の一手を考えていた。
男たちが攻撃を始めてからかなりの時間がたった
「まさかここまでとは…」
スーツ姿の男たち数人は蓮也達の前にひれ伏していた
「割と骨が折れたね」
「まあ、流石に簡単ではなかったな」
流石の蓮也と武尊も複数の人間相手だと体力をかなり消費してしまった。
「これからどうする? ここにとどまってたらいずれこいつらも復活しちゃうからな」
「そうだね、さっさと先に進もうか」
そう言って二人は倒れているスーツの男達を見て固まっている白衣を着た男達を横目に
白い廊下を進み始めた。




