捜索編3
蓮也と武尊は一旦ヒナの足取りが掴めるまで家のリビングで待機
真由美達は違う部屋で自分の家や軍への連絡で忙しくしている
烈斗と光太郎は烈斗の部屋で監視カメラでヒナの乗った車を探している
「意外と蓮也は落ち着いてるね」
今まであまり話さなかった武尊が口を開いた
「そうか?」
蓮也は何故武尊がそんなことを聞いてくるかが分からなった
「だって自分の好きな人が危険な目に合ってるかもしれないんだよ? 僕だったら我慢できないなって」
武尊は遠くを見るような目で言った
「心配はしてるぞ? けど今ここで俺が慌ててたらあいつに顔向けできないかなって思ってる」
蓮也の言葉で武尊は少し考える様子をみせた
「蓮也は顔向けとかそこまで考えてるの?」
「そうだな、あいつは、ヒナはどんな時も俺を信じてくれてる、何十年も一緒にいるわけじゃないのにな」
まだ出会って数か月なのにだ
呪物との戦闘でも私生活の中でも蓮也の決断が間違っているはずはないと
いつでも蓮也についていてくれた
「だからって訳じゃないけど、俺だって信じてるんだよ」
蓮也は窓の外を眺めながら言った
「大人だね、僕はそんな風になれない」
武尊は少し悲しそうな表情で言った
「多分僕は大切な人や愛してる人がいなくなったりしたらいても立ってもいられなくなってすぐに探しに行くと思うよ」
その言葉を聞いて蓮也は少し笑った
「それはそれでいいんじゃないか?」
「そうかな?」
そういって二人は笑いあった
その時リビングのドアが開いた
「ヒナちゃんの居場所が分かったよ」
烈斗が家の前に車を用意してあると言って蓮也と武尊を送り出した
車に乗り込むとそこには見覚えのある顔がいた
「運転手さん、一日ぶりぐらいですか?」
「ええ、そうですね、それと私のことは成瀬とお呼びください」
成瀬がにこやかに言った
「わかりました、成瀬さんデータはありますか?」
「ええ、普通にいけば一時間強近くかかりますね」
成瀬は「普通」という言葉を強く協調して言った
「…普通にいかなければ?」
「少々手荒い運転になりますが一時間以内には着くと思います」
この言葉で蓮也の中の成瀬という男のイメージがかなり変わったのは言うまでもない
「それじゃあ、手荒くお願いします」
「了解しました」
車を飛ばすこと五十分成瀬がそろそろ着くと教えてくれた
場所は山奥、周りは木々で覆われている、
そんな中蓮也が眺める先にはここの雰囲気にそぐわない白く巨大な建物が建っていた
「ここにヒナがいるのか…」




