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ミモザを君に  作者: 水槽の中の脳(腐り気味)
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十七日目・後編

男は紙をまとめる。


左手で持つ。


右手は机に触れず、わずかに浮かせている。


ヴェリアはじっと見つめた。


背中ではなく、手元を。


不自然な動きを確認する。


「今日はここまでだ。」


男は立ち上がる。


椅子を戻す。


ゆっくり。


歩き出す。


ヴェリアは鎖を軽く揺らしながら小さく息を吐いた。


目はまだ男の手元に残る。


わずかな不自然さを確認するように。


「……もう少しだけ、聞いていいか。」


小さく呟く。


男は立ち止まる。


振り返りもせず、低く答える。


「何だ。」


「いや、手の…動きが、気になる。」


ヴェリアは視線を下げずに言う。


「……それは終わった。」


男は淡々と、歩みを再開する。


ヴェリアはしばらく黙ったまま見つめる。


鎖の音だけが静かに響く。


やがて一人になり、壁にもたれて考えをまとめる。


右手の動き。


腕のわずかなぎこちなさ。


視線の止まり方。


どれも偶然ではない。


小さく息を吐く。


「……終わった。ね。」


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