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異世界で送るトリップ生活  作者: オーレオーレ
序章 一人は流されるままに、もう一人は目的の為に
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番外編 森田 健の記憶 1

 番外編 森田 健の記憶 1


 これは俺がこの世界に来る、いや正確には戻って来るだが、まぁ、どっちでもいい、今の人間とも魔族とも言える体になる前の純粋な魔族だったころの話し。


 俺は魔王軍の将の一人レギクス・クラウディスの一人息子としてこの世に生まれた。

 森田健になる前の名前はウルベルト・クラウディスと言う名前だった。

 親が魔王軍の将だったので期待をされていて幼い頃から剣の訓練をしていたがlevel5になって発現した固有能力による補正で魔王軍の兵士でも勝てないぐらいになった。


  剣帝


 それが魔族だった俺に発現した固有能力である。

 この能力は剣での戦闘時にステータスに大幅な補正と敵の攻撃を見切り、ほぼ全ての剣を使用でき使用する剣の能力を100%使用できるという、今考えるとチートすぎね?って思うぐらいの能力だった。


 28歳になったとき軍に入った、人間から見れば少々遅いと思うが、魔族としてはまだ成人もしていない年齢、軍に入るまで何をしていたかといえばひたすらlevelを上げて自分を鍛える事しかしていなかった。


「失礼します」


 そう言い父の部屋に入る、今日は父から呼ばれて来た、何でも入隊記念に何かくれるらしい。


「よく来たなウルベルト、お前が魔王軍に入ってくれて私は嬉しいぞ」

「いえ、私にはこれ)しか無いので」

「そう言うでないウルベルト、お前の力は我々魔族にとって素晴らしい物だ、魔王陛下もそう仰っていたぞ」

「光栄です」

「そして、魔王陛下からこれをお前に預かってきた」


 そういって父は一振りの剣を渡してきた。


「これは魔剣フレイド、黒龍の秘宝を溶かし刀身に混ぜてあると言われる魔剣だ」

「どうして、それほどの物を魔王陛下が私に?」

「それはお前の能力を魔王陛下が評価なさったのだ、ただまだ何も手柄を立てていないお前に褒美として渡す訳には行かないので私から渡したのだ、そしてこれが私からだ」


 父はもう一振り剣を渡してきた。


「これは!?」

「そう、これはクラウディス家の家宝、魔剣リーバだ」

「何故リーバを?」

「飾っておくより使って貰った方がこの剣も喜ぶだろう、だからだ」

「ありがとうございます、喜んでお受け取りいたします」

「うむ、明日から頑張るのだぞ」

「わかりました、全力で軍務を全うしてきます」

「話は以上だ下がりたまえ」

「は!失礼します!」


 そう言って父の部屋をでる魔王陛下からいただいたこのフレイドど父からいただいたリーバに相応しい主人に成れるように頑張っていこう。



 50歳になり成人になった俺はある功績により隊を持ち着々と地位を上げていた。最近は国境で人間どもとの小競り合いが起きているみたいだ。

 人間と我々魔族とではステータスが違いすぎて適わないと思ったのか勇者という輩を召還して魔王陛下を倒そうとしているらしい。



 あれから半年たった人間から和平の申し出が来た、この半年で人間と我々魔族の損害は甚大だった為である。特に魔族は元々数が少なかった事により人間に比べ問題は深刻だった。将軍格が父以外勇者に倒された事も魔族にとって絶望的だった。

 俺は直接会ったわけでは無いが援軍として勇者と戦闘していたギルレッド将軍に加勢しに行った時、着いたときにはギルレッド軍は壊滅、ギルレッド将軍自身も勇者に討たれていた、その時の戦場の惨状は悲惨の二文字が良く合う光景だった。


 そんな時に突如優勢だったはずの人間側からの和平交渉の申し出である、緊急で会議が行われたが反対派の意見を押し切って魔王陛下と父が和平を強行した。

 

 そして今日が人間との会議である、生憎だが俺は他の任務が有ったため護衛としてその会議に出席出来なかったが父もいるし大丈夫だろう。


「ウルベルト様!大変です!!」

「どうした?火龍でも襲ってきたか?」

「違います!人間との和平の交渉中に魔王陛下とレギクス将軍をはじめ、護衛に着いた者全員、殺害されたと言う報告が!和平交渉は罠だったのです!」

「何だと!?」


 素直に驚いた、そして自分の親を殺されたことについて怒りを覚えた。


「直ぐに荷物をまとめろ!緊急事態だ!任務を破棄し直ちに王都に帰還する!急げ!」

「はっ!」


 王都に帰還したら直ぐに緊急会議が開かれたどうやら俺が最後だったらしい。


「今すぐ兵を纏めて報復に行くべきだ!」

「反対だ!今は混乱を抑える為に動くべきだ!」

「いいや、報復が先だ!貴様等は魔王陛下を罠にはめ殺したあの人間どもに、何も思わないのか!?」

「確かに思う事はある、だがしかし感情のままに動いても何も変わらんだろう!」


 会議は報復派とそれに反対する者達が言い争っていた。


「黙れ爺ども!」


 気がつけばそう叫んでいた。一気に会議室が静かになり全員の視線が俺に向く。


「今は仲間内で争っている時ではない!そんな事している暇があったら各自でできる事をしろ!」

「ならばお主が指揮をとってみたらどうだ!50しかない若造が!」


 そう言われて頭に来た、何もせず、ただ時間ばかり無駄に浪費している者が!ならやってやろうじゃないか!


「わかった!なら今後軍の指揮は俺がとる!」

「なんじゃと!?」

「あなた達がやれと言ったのでしょうが!文句はいわせん!」

「・・・わかりました、ウルベルト殿、私シルフウッドはあなたの指示に従います」

「シルフウッド殿!?良いのですか!?レギクス将軍の息子とは言え50しがない若造に!?」

「ならお主はできるのか?ジド殿?」

「いや・・・それは・・・」

「なら黙っとれ、他に反対する者はいないか?」


 そう聞きシルフウッド殿は周りを見て反対意見が無いことを確認すると。


「では!このウルベルト殿の指示に従うことにする!ウルベルト殿指示を」

「シルフウッド殿ありがとうございます。それでは指示をする、別に私は皆の意見を無視する事はしない!先ずは城には最低限の兵を残し人間どもに報復する!そして残った者が市民の混乱を抑える為に動け!ここには武を振るえる者も頭を使い策を練る事ができるものもいる!各自己ができる最大限の事をしろ!以上だ!」

「はっ!」

「王都の警備兵、防衛隊以外の隊を持っている者は直ぐに兵を纏めろ!目標は和平を申し込んで来た国、ファルト王国だ!」



 俺は軍を率いて国境近くに来ていた、国境を挟んで向こう側にはファルト王国軍と勇者パーティーがいる。先に仕掛けたのは王国軍だった矢が飛んでくるが実際普通の人間のステータスでしかも弓では下級魔族にすらあまり効果が無いので無視し、指示を飛ばす。


「勇者達は俺が相手をする!他の者は各隊長の指示に従え!」


 俺がしたのは指示を他の者に丸投げする事だった。ここにくる前にした軍議でまともに演習をしていない者がいきなり連携を組んで戦う何て無理な話だからもう何時も通り各隊長の指示でバラバラに動いた方がいいと言う事になり、一番戦闘能力がある俺が敵で一番厄介な勇者を相手にすることになった。

 ありがたい、本当にありがたい、これで剣帝の加護の能力を全力で使う事ができる。


「オォォォ!!」


 雄叫びを上げながら両軍がぶつかる、俺は一直線に勇者達を狙いに行く。


「死ねぇ!」っと叫びながら槍で突いてくる敵兵、その槍を紙一重で避けながら頭を握り潰す。そしてフレイドを抜き打ち後ろで剣を振りかぶっていた者を斬り殺す。そして、リーバを抜いき魔力を乗せ弓でこちらを狙っていた弓兵に飛ぶ斬撃を浴びせる。


「どけぇ!俺の邪魔をするなら誰であろうと殺す!」


 それでも邪魔をしてくる敵兵を倒しながら勇者達の前にたどり着く。


「おい、テメーが勇者か?」

「そうだ、僕が勇者の八神 光だ」

「これは意外だな魔族の将軍を壊滅させて、魔王陛下を罠にはめたとはいえ討った奴がこんなガキだったとは」

「何を言ってる、君も僕と同い年ぐらいじゃ・・・」

「馬鹿かテメェ、お前ら人間と魔族じゃ成長の仕方が違うんだよ」

「そうなのか、それは知らなかった」

「んじゃ、殺す前に聞く、俺の父上と魔王陛下を殺したのはお前か?」


 そう聞くと八神は苦い顔をしてこう答えた。

「君の父親が誰かは知らないけど確かに魔王は僕達が倒したよ」

「光!喋ってないで構えて、コイツ他の魔族とは違う!」


 そう剣を持った赤髪の女が言うと、周りにいた他の勇者パーティーと思われる人間が武器を抜いた。 っち、何だよコイツハーレムパーティーじゃないか。そこで驚いた。


「おい、そこの金髪の奴、お前魔族じゃねーか」

「だ、だから何よ!」


 なるほどだいたい。


「お前が、情報を流したのか、へぇー仮にも魔王陛下のご子息であるお前が!!」

「!?」

「レイシャスそれは本当・・・なの?」

「・・・」

「黙ってないで答えなさいよ!」


 何か知らんが仲間割れを始めた、それはそれでこっちとしては好都合だし、そのまま潰し合ってくれれば御の字だ。


「いい加減にしろ!レイシャスはレイシャスだろ!?例え魔王の娘であってもそれは変わらないよ!」

「コウ・・・」

「そうね・・・悪かったわ、レイシャス」

「うんうん、私こそ黙っててごめんね、民な」


 見ていてイライラしてきたとんだ茶番である、自分の父親と尊敬していた魔王陛下を殺されて、その原因が魔王陛下の娘でしかも殺した相手とイチャイチャしてる? ふざけるな!ふざけるな!ふざけるな!ふざけるな!ふざけるな!


「ふざけるなよテメェら!」


 いきなり叫びだした俺を見て驚いた表情を浮かべる勇者達。完璧に俺のことを忘れていたみたいだ。


「殺す!お前らは必ず殺す!このレギクス・クラウディスの息子!ウルベルト・クラウディスが!」

「ウルベルト・クラウディスですって!?」

「知っているの?レイシャス?」

「えぇ、剣帝 ウルベルト・クラウディス、一人で2万の軍を壊滅させた化け物よ」

「2万!?」

「えぇ、剣に愛された剣を統べる者とかも言われてるわ」

「でも、魔王じゃないんでしょ?なら倒せると思うけど・・・」

「えぇ、コウなら倒せると思う、コイツも魔族だからコウの聖剣は弱点のはずだから」


 名乗ったら相手が勝手に喋っていたのでそのうちに相手の情報をできるだけ集めれた。

 まずは勇者、こいつはアホみたいだが俺達魔族に対して強力な聖剣を持っているので一番の注意人物、次は赤髪の剣を持った女、見た限り優先順位は最下位だ、それより後ろでこちらを絶えず警戒している騎士の女はなかなかできる、こいつも聖剣を持っているみたいだ、そして、魔法使いの女、見たところ回復系の魔法を使いそうだから最初に潰す、んで、最後に魔王陛下の娘、裏切り者のレイシャスこいつは特にいたぶる。


「お喋りはそこまでだテメェら死ぬ用意はできたか?なに?そんなものしてないだ?後悔する前にしとけ、最も・・・・・」


 本気で動き魔法使いの前に行きリーバで切り裂く、いきなりのことで目をはじめとする丸くする勇者達。


 「そんな暇何て無いと思うがな!」


 フレイドで魔法使いにとどめを刺して振り向きざまにリーバで今だに固まっている赤髪の女の首をはねる。そのまま騎士の女に切りかかるが防がれたので腹を蹴り距離をとる。


「・・・え?」


 八神が呟く


「フェルト?リース?」


 もう二度と動かない屍の名前を呟きながら呆然としている。


「あららー、だから言ったじゃん 後悔ぐらいしとけって」


 笑いながらでも目は決して笑ってない顔で俺はこう言った。


「俺、本気でキレてんだ、どんなに泣こうが喚こうが関係ない、俺はお前らを・・・殺す」

「よくも、よくもフェルトとリースをぉぉ!!」

「落ち着けコウ!」


 騎士の女は止めるが八神は聞こえておらず、聖剣を振り下ろしてきた、それをリーバで受け止めフレイドで腹を斬ろうとするが隣から騎士が切りかかってきたから八神を蹴り飛ばし騎士を迎え撃つ上段から横からの一撃、八神よりも力強くどっしりとして、更に隙が少ない一撃をしゃがむ事で回避し足を払う、そして転んだ騎士の腹目掛け思いっ切り蹴りを放つ、バゴッ!っと音が鳴り10mほど飛んでいく騎士、どうやら死んではいないが鎧はひしゃげて気を失っているみたいだ。


「おいおい、八神君仲間がどんどん死んでくよ?早く俺を倒さないとヤバいんじゃないの?」


 容赦なく追い詰める、ちなみにレイシャスは既に気絶させている。


「よくも!よくも!皆を!」

「はぁ、お前さ仲間が殺されて、何故取り乱す?お前が立っているのは戦場だ、泣こうが喚こうが人は死ぬ、もちろん俺達魔族もだ、知ってるだろ?お前が殺してきたんだろ?父上もギルレッド将軍も魔王陛下もお前が殺して来たんだから」

「それはお前たち魔族が悪いんだ!」

「なぜ?俺達が何をした?」

「人を虐殺してるじゃないか!」

「馬鹿じゃないのお前、俺達魔族から仕掛ける事はないよ」

「嘘だ!だって王様は言ってたぞ!魔族は人間を襲うって、お前も2万人も殺してるしないか!」

「ちゃんと調べずにただ人に言われた事を鵜呑みにして、決め付ける、馬鹿だなお前は」

「なんだと!?」

「一つ、我々魔族は平和を願っている、人間より強靭な肉体と生命力を持った俺達が何故貧弱で寿命も短い人間を喰うわけでもないのに襲わないといけない?」

「そ、それは目障りなんだろ!僕達人間が!」

「確かに目障りだな、何もしていないのに闇の民だ邪教徒だいちゃもん付けてきて攻めてくる人間はな、それを迎えっただけなのに虐殺だなんだ言って騒いでるのはお前らだろ?」

「うるさい!とにかくお前が悪いんだ!死ね!」


 八神は聖剣で切りかかってくるが、それは余りに大振りで、隙だらけだった。


「はぁ、もういいわ、お前、死・・!?」


 聖剣をさけその無防備な背中をリーバで切り裂こうとしたが、見えない何かに防がれて意味がなかった。思わず距離をとる。


「ハハハハ!僕の固有能力の〈魔を滅する者は〉お前たちがよく使う魔剣などの攻撃を無効化するのさ!お前に勝ち目何てないのさ!諦めて死ね!」


 そう言うと八神は俺に切りかかってきた、相変わらず大振りで隙だらけなそれをさけ、また無防備な背中に剣を突き刺す。

 八神はニヤリと笑い、聖剣で俺を斬ろうとして・・・・・・・

俺に刺された。


 その笑った顔を驚きにと苦痛に歪ませて崩れ落ちる。


「な、何で能力が・・・」

「いやーお前が固有能力を勝手に話してくれて良かったよ、おかげで直ぐに対策がとれた」


 突き刺した聖剣を抜き八神に見せる。


「そ、それはレクの聖剣!?」

「そう、お前の仲間の聖剣だ」

「何で魔族のお前が聖剣を使えるんだよ!」

「あれ?お前レイシャスから聞いてないの?俺の固有能力〈剣帝〉の効果の中にはほぼ全ての剣を使えるってのが有るんだよ、だから俺はそれが例え本来俺が使えない聖剣でも使えて、その性能を100%使いこなせるんだよ」

「何だよ・・・何だよそれ!ただのチートじゃないか!ズルいぞ!そんな事僕は聞いてない!」

「知るかよ、もういいだろ死ね」


 そうして俺は勇者 八神 光の首を取り。


「勇者八神 光!このウルベルト・クラウディスが打ち取った!王国軍よ!既にそちらに勝機はない!即刻降伏せよ!魔王軍よ!魔王陛下の仇はとった!この戦争は我らの勝利だ!これ以上無駄な血を流すことは許さん!降伏したものは絶対に殺すな!」

「「「「オォォォ!!」」」


 そう、高らかに勝利を宣言し、この戦争に終止符を打ったのだった。


「敵はとったよ、父上・・・」


 戦争に勝利し、王都に戻った俺は勇者を倒した英雄として迎えられ、シルフウッド殿をはじめとする多数の者の推薦により第6代魔王として就任した。



 番外編 森田 健の記憶2に続く

本編の谷山より主人公してそうな森田くん



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