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異世界で送るトリップ生活  作者: オーレオーレ
序章 一人は流されるままに、もう一人は目的の為に
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新しい仲間

 5話 出会いと別れ


「おい、谷山、お前パーティー組め」

「はぁ?」


 朝食をとっている時にいきなり先輩がおかしな事を言ってきた。


「はぁ?じゃなくてだな、パーティー組めって言ってるんだよ」

「もう組んでるじゃないですか、先輩と」

「いや、俺とじゃなくて他の人間とだよ」

「他の人とですか?何でですか?」

「ん?あぁ、しばらくしたら俺旅に出ようと思ってね、今の谷山ほっぽりだしたら確実にそこら辺で死ぬだろうからね」

「酷いですね、先輩」

「いや、あの後大丈夫大丈夫って言いながら足震えてた奴には正当な評価だと思うが」

 

 グッ!そこを突かれると耳が痛いが旅って言うなら一緒に行けばいいと思い、その事を聞いてみると。


「あぁ、ちょっと行く所が出来てね、結構危ないから流石に谷山連れてはキツいんだよ」

「危ないって先輩は大丈夫何ですか?」

「大丈夫、大丈夫」


 軽い返事しか返さないって言うか何が大丈夫なのかわからないがこれ以上言っても変わらないだろうから、しぶしぶ承認した。



 ギルトには掲示板っと言うのが有る、掲示板には主に一人ではキツい依頼の臨時パーティー募集が張り出されているがここガーレ村のギルトの掲示板は殆どが長期で組むパーティーが張り出されている。

 この長期で組むパーティーを通称クランっといい、その目的にそって様々なクランが存在する。

 ガーレ村には初心者が集まりやすいのでたまに有名クランの募集や、人数が減った中級者のクランなどの募集が有るので初心者が腕を磨くのにはいい環境なのだ。

 先輩はこのクランのどれかに入れっと言っているのだ。


「取りあえず谷山は短剣の使い方を知らないと行けないからな、俺が教えても良いけど、専門じゃないから変な方が付くかもだからちゃんと教えてくれる人がいるところにしよう」

「そんな都合が良いところありますかね?」

「無くても間合いの取り方教えてくれればいいし、そのぐらい有るだろ、取りあえずお前がクラン入るまで俺はいるから、はよ探せ」

「うぃー」


 先輩に言われ掲示板に行き良さそうなクランの募集を探してみる。

 うんうん言いながら悩んでいると隣からスッと腕が伸びてきた。


「おわ!?」


 驚いて腕が伸びてきた方を見ると女の子が立っていた。


「大丈夫?」


 そう言って手を出して来た女の子にお礼を言いながら立ち上がる。

 そして、改めて女の子を見てみる。青色の髪にスラッとした体、ちょっとつり目気味の瞳は髪と同じ青色だった。


「すいません、ちょっと考え混んでて気がつきませんでした」

「いえ、大丈夫ですよ、それよりアナタ、その防具といい武器といい初心者?」

「えぇ、ちょっと相方が旅にでるらしく、その相方がお前一人だと直ぐに死ぬからクランに入れって言うもんでちょっとクランを探してたんですよ」

「そう、良かったらうちのクランに来てみない?はい、これが募集用紙、その相方さんと一回見に来てくれたら歓迎しますよ」

「本当ですか!ありがとうございます!」

「それじゃ、よろしくね」


 そう言うと、女の子はギルドを出て行った、ちょうど決め悩んでいたのでここにするかっと思い、先輩の所に戻った。


「先輩、さっきクランに誘われたんですが」

「お、それはいいじゃんどこよ?」

「ここです」


 募集:総合クラン

 クラン名:ウィンディーネ

 募集定員:2名

 備考:我々ウィンディーネは初心者冒険者を募集しています、現在クランの人数は3名、内2名がDランクの冒険者です。

 初心者には指導を行っております。

 このクランの目的は世界中を旅する事です。興味のある方は是非役所前の広場までお越しください。



「まぁ、悪くはないんじゃないの?一回行ってみれば?」

「そうします!んじゃ、行きましょうか」

「え?」

「え?」

「何で俺いかなきゃなの?」

「え?クラン決めるの協力してくれるんじゃ無いんですか?」

「え、俺そんな事言ったっけ?」

「いや、覚えて無いです」


 先輩も決まるのを手伝ってくれるのかと思っていたがどうやら違うらしい、まぁ、一人でいけば良いとはいえさっき相方連れて来てくださいって言われたからなるべく連れて行きたいのだが・・・


「はぁ、まぁいいよ俺も行くよ」

「本当ですか!ありがとうございます!」

「いいって、それより早く行こうぜ」

「了解です」

「えっと場所は役所前の広場ね、近いしさっさと終わらすか」


 このガーレ村の役所は中央の大きな建物、つまり初めてこの世界に来たときに連れていかれた建物の事である。その役所の前には広場があり、よくクランの人が待ち合わせなどする場所だ。


「えーと、あの人達ですかね?」


 募集用紙にの裏側によって書いてあった地図はギルドとは反対側の所にマークがしてある。ちょうどマークが有るところに2人人がいる。


「すいません、クランの募集みて良い来たんですが」

「お、本当か!」

「おぉー!防具的に本当に初心者みたいだね!」

「おっと、俺はコウ!一応このクランの副リーダーをしてる」

「私はフィル、冒険者ランクはEだよ!」

「初めまして自分は谷山 蒼です、よろしくお願いします」

「・・・」

「どうした?俺の顔に何かついてるか?」


 何故か先輩がコウさんの顔を見て驚いていた。


「い、いや、何でも無い、俺は森田 健だよろしく」

「おう!ソウとケンだな!よろしく!」

「よろしくお願いね~!」

「早速クランの入団の面接始めたいのだが、今リーダーが出かけてるから少し待ってて」

「・・・コウ、私はもう帰ってる」

「うわっ!リーダー帰ってたんですか、ビックリしますから普通に来てくださいよ」

「私はいつも普通にしてる、コウが騒がしいだけ」

「うっわーリーダー容赦ないですねーところでその子は誰ですか?」


 フィルさんはギルドで合った人の後ろにいる女の子を指差して聞いていた。


「入団希望者」

「ぼ、僕はエルっといいます、あの、そのよろしくお願いします」

「おぉーよろしく!」

「よろしくねー」

「あ、でもリーダー、募集の定員オーバーしてるぜ、どうする?」


 そう言えばコウさん達は先輩はクランに参加したい訳ではないと言うことを知らない事を忘れてた。


「あ、俺は別にクランに入りたいわけじゃ無いから数えなくていいぞ」

「え?そうなのか?じゃ、何でここに」

「俺は今度旅に出るんだがこのまま谷山置いていったら直ぐに死にそうだから、クランに入れさせて指導を丸投げしただけだ」

「うわ、お前それ本人の前で言うかよ」

「ここについて来た理由は谷山に頼まれたからだ」

「まぁ、いいか、それじゃ面接だが・・・」

「コウ、面接はいい」

「え?何でですかリーダー?」

「皆私が誘ったから」

「貼り紙した意味ないよ・・・」


 ちょっと集合ーっとコウさんが言いウィンディーネのメンバー集まって何か話し始めた。5分ぐらいたって何か決まった時らしく、俺達に向かって話し始めた。


「今から森に行ってみようと思う」

「え?い、今からですか?」

「ええ、一応皆の動きを見てみたいから」

「え、で、でも・・・」


 エル君が渋る、それもそうだろう、森とは俺と先輩があの扉を通ってこの世界に来たときにいた森の事で、村の外の平原に生息するモンスターの他に森特有のモンスターも出現する。数は少ないが中型のモンスターもいるらしい。


 ビックウッドの森


 それがあの森の名前である、中心に巨大な木が生えていてそれを囲むように森ができている。

 そして・・・


「ビックウッドの森って最近魔族が出るらしいじゃ、無いですか!」


 そう、最近ビックウッドの森で魔族を見かけたと言う報告がギルドに来ており、注意するよう、ギルドから言われている。


「大丈夫だって、別に奥まで入る訳ではないし」

「奥に入らないなら村の外でもいいんじゃないですか?」

「そうだけど、経験値は森の方が高いんだよね」

「で、でも・・・」


 エル君が反対しようとした時に先輩がこう言った。


「別にいいと思うよ」

「え?」

「いや、だから森にいくのはいいと思う、あそこは浅い所でも村の外では出ないモンスターもいるし、同じモンスターでも経験値が多いならそれに越したことはない、ってか何時までも同じ相手ばっかり倒しててもあまり意味は無いしね」

「えっと、でも魔族がでるんですよ、あの魔族が!」

「それを言ったら森の近くのこの村もいつ魔族でるかわからんだろ?怯えていても何も変わらない、変わりたいなら行動しなきゃ」


 そう、言うと先輩がエル君の方を見る。先輩の黒い目は真っ直ぐにエル君に向けられている。


「わ、わかりました・・・」


 その目で見られエル君が折れた。


「決まったようね、それじゃ行きましょうか」


 リーダーさんがそう切り出すと、皆で森に向かった。そう言えばまだリーダーさんの名前聞いていなかったような気が・・・


「・・・・やっぱりあいつに似てる」


 先輩がコウさんを見てそう呟いていたのは誰も聞こえてなかった。



 森に着き、しばらく歩いた時にモンスターがいた。


「お、レッドウルフじゃんこんな浅い所に単体でいるなんて、珍しいな」


 コウさんがそう言った。レッドウルフ、名前の通り赤い毛並みの狼、森に生息するモンスターの中ではそれほど強くは無いが基本は群で行動するため危険度は高い。


「それじゃ、エルとソウで倒してみて、大丈夫、レッドウルフは速いけどちゃんと動きを見ながら戦えば大丈夫だよ」

「わ、わかりました!」

「了解です」


 俺とエル君は武器を抜き打つ、俺は勿論短剣だが、エル君の武器は片刃の片手剣に盾を持った、一般的なものだった。


「じゃ、行きましょう」


 そう言うとエル君はレッドウルフに切りかかる。


「はっ!」


 片手剣を振り下ろすがレッドウルフは軽くら避ける、エル君は片手剣を振り回しながらレッドウルフを追い回している。


「うわぁ、これは酷い・・・」

「アハハハ・・・」


 フィルさんと先輩が呟いたエル君はデタラメに剣を振り回して疲れたのか、息を切らして戻ってきた。


「はぁはぁはぁ・・・ダメでした・・・」

「うん、大丈夫大丈夫、皆最初はそんな感じだから」


 そう言いながらコウさんがエル君を慰めている。俺も何か言おうとしたときに先輩から「何してんの谷山、お前も早く行けよ」っと俺を蹴りながら言ってきたので慌ててレッドウルフに切りかかる。

 昨日先輩から教えてもらったように敵の動きを見ながら、短剣を振るったが避けられる。諦めず軽く出来るだけ早く振り回すが全く当たらない。


「うわっ!」


 足元に有った石に躓き転んだ、レッドウルフは俺を馬鹿にしたようにガルルっと唸ると引っかいてきた。


「痛い!痛い!痛い!」

「ギャハハハハ!馬鹿だ!モンスターに遊ばれてる!」


 先輩はそんな俺を見て馬鹿笑いをしてる。そんな先輩に向けて俺は言った。


「そんな笑うなら先輩がやってみてくださいよ!」

「いや、俺がやったら意味無いだろ、何いってんの?」

「うっ・・・」

「いや、2人の実力はわかったからもういいよ、だからケンやってみてよ」

「は?」

「ケンは旅にでるんでしょ?なら強くないと」

「いや、それはおまえ等には関係なくね?」

「そんな事無い、アナタはソウと一緒にギルドに入った初心者でしょ?」

「まぁ、そうだが・・・」


 先輩は困ったように頭をかきながらリーダーさんを見ていた。


「それじゃ、賭けをしましょ」

「賭け?」

「ええ、あのレッドウルフをアナタが倒すかどうか、倒せたら私が一万Gあげる、倒せなかったらアナタがソウとエルと一緒にクランに入るどう?」

「乗った、後悔するなよ」

「ええ、実力が有るなら私は何も言わないわ」

「OKその言葉忘れんなよ」


 先輩はレッドウルフの前に立つ。レッドウルフは警戒して少し距離をとった。


「なぁ、ソウ、ケンは強いのか?」 

「自分よりは確実にどこまで強いかはわかりませんが」

「ふーん」


 そんなことを話していると先輩が動いた。レッドウルフに向かって駆け出し右の腰に差してある剣を抜き振るう、俺やエル君と比べてかなり速いその斬撃は吸い込まれるようにレッドウルフの体に向い、その体を切り裂いた。

 一瞬たった一瞬でレッドウルフは息絶えた。


「・・・・・」


 その光景を見ていた人を絶句させた。


「よし!これで賭けは俺の勝ちだ、それでいいだろ?」

「え、ええ、問題ないわ」

「速い・・・リーダーより・・・速い」

「おし!それじゃ、村に帰って皆で飯に行くぞ!」


 その後、村に帰りの道中にでた、モンスターを狩り、それでlevelが上がり喜んでいる俺達を遠くから見ている者がいるのには気づかなかった。



 夜、いつものように谷山が眠った事を確認し、男が動きだす。

 その男、森田 健はビックウッドの森を見ながら呟いた。

「魔族も変わったな、自分から人間を襲うようになってやがる、今の魔王が悪いのか、あの個体が悪いのか、わからんが」


 森田は立ち上がり両腰に剣を差して、森の方へ向かった。


「まぁいい、新しい固有能力を試すか、前の〈剣帝〉に比べたらやっぱり目おとりするけど、これはこれで便利そうだからね」


 そう言う森田の両手にはこの世界に無いはずの二丁の銃が有った。



 翌日ビックウッドの森で無数の穴がの空いた魔族の死体が発見されるが、誰がやったのかは誰も知らない・・・


 

次は番外編を投稿予定です


ステータス紹介 3(5話終了時)


 名前:谷山 蒼

 性別:男

 種族:人

 level:5 EXP20/98  point15

 筋力:28(5)

 防御:29(6)

 魔力:33(7)

 俊敏:30(8)

 技量:33(4)

 精神:20(6)

 特殊スキル

 異界の住人:各ステータスにボーナス。levelによってボーナスがアップ。()の中がボーナスの上昇値

 固有能力:─

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