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異世界で送るトリップ生活  作者: オーレオーレ
一章 約束を果たすまで・・・
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見捨てられた者

 2話 見捨てられた者


 暗い部屋で血まみれの魔族の男が人間の女と話している。


「・・・・いつかまた」

「うん、またね・・・」


 そう言うと男は消えていった・・・

 男が消え、残された女は泣きくずれ、しばらくその場離れようとしなかった。


「っ!」


 懐かしい夢を見た、あの日の夢、俺がウルベルトから森田健になる切欠のあの日の夢、忘れたくても忘れられない、いや忘れてはいけない大事な約束の夢。

 俺は森田 健、一応は異世界の人間だが本当はこの世界の元魔王だ、谷山と別れ今は旅をしている。

 俺は今ユクトリア王国の王都にいる。ここにしばらく滞在する予定だ。とりあえずギルドに行こうと思う、そろそろ新しい剣を買いたいが金がない、報酬金の出来るだけ高い依頼を探そう。


「よっと!」


 宿のベットから飛び起き置いていた二本の剣を腰に差し部屋をでて軽く宿主に挨拶をしてギルドに向かう。

 俺の装備はガーレ村の時に買った剣を今だ使っている。谷山に偉そうな事を言っていたが自分はまだ変えていなかった。言い訳をさせてもらうなら谷山の短剣を作ってもらう時についでに新しい服を作ってもらって俺の所持金はほとんど無くなっていた。この王都に来るときは、行商人に頼み馬車に乗せてもらった。

 新しい武器を買うためにも金を稼がないといけない。


「えっと確かこっちだったな」


 昨日宿主に貰った地図を見ながら進んで行くとそれらしき建物を見つけた。


「お、あったあった」


 ギルドに入り受付にギルドカードを出しながら何か依頼は無いか聞いた。


「モリタ様のランクですとあまり紹介できる依頼は無いのですが・・・」

「ありゃ、そうなのか」


 んー、どうしようか


「あ、一件だけ紹介できて高額な報酬の依頼がありますよ」

「ん?じゃ、それで」

「え、そんな簡単に決めていいのですか?」

「まぁ結構急ぎで金ほしいしね」

「そ、そうですか、それじゃ、これが依頼内容です。よろしければこちらにご署名をお願いします」


 そう言い依頼書を渡してくれた。


「ん?国王から直々じゃないかこれ?要人警護?」

「どうしますか?うけますか?」

「受けるよ」


 依頼書にサインをし受付に差し出した。


「承りました、では明日規定の時間に集合場所の王城前に向かってください」

「わかった、じゃありがとね」

「またのお越しをお待ちしております」


 ギルドをでて明日の為に準備をしにいく、要人警護と言えどなにが起こるかわからない、所持金は少ないが出来るだけだけ買っておこう、主に砥石を・・・


「キャッ!」

「おっと!すまないね」


 そんな事を思いながら歩いていたら女の子にぶつかってしまった。


「い、いえ、私もぼーっとしてたので・・・」

「いやいや、俺もちゃんと前向いて歩いてなかったよ」

「えっと・・・失礼しました!」


 そう言うと走って行ってしまった。見たことのある服装だったそう言えば勇者が召還されたとか噂あったなーと思いながら買い物を始めた




 朝、今日は依頼の日だ何時もより早めに起きて体を温める。そしてガーレ村の加工屋に作って貰った戦闘用の服を着て、荷物を纏めた。

 ちなみに服は黒をベースに所々に黄色の線が入っている物だ。ビックウッドの森に生息するブラックラビッドとイエローモンキーの素材から作った物だ、軽くて丈夫なその服は動き安さを重視している。


「さて、行くか」


 腰に剣をさし王城に向かった。



───王城門前───


 集合場所に着くと門番が話書けてきた。


「貴様!城に何のようだ!」

「ギルドの依頼で来たものだ、ここに集合との事だったが?」

「そうか、話は聞いている通れ」

「はいよ、おつかれさん」


 門の中に入ると庭に案内された。どうやらここで護衛対象と合うみたいだ。


「・・・暇だ」


 案内されたのはいいが、暇でしょうがない。

 あの世界ならこんな時間はスマホや携帯ゲーム機で時間を潰せるが、生憎とこの世界にそんなものは存在しない。

 そう言えば谷山元気かなぁ、あのリデントってのは何かありそうだったが悪い奴では無いだろう。


 しばらくして、1人の女が来た。


「貴方が依頼を受けた冒険者?」

「そうだよ」

「それじゃ、こっちに来て説明するわ」


 最初っからそっちに連れていけよなっと思いながら付いていくとある部屋に案内された。


「さて、知ってのとおり貴方にはある人の護衛をしてもらいます。貴方にはその方のlevel上げの手伝いをしてもらいます。この国いや、この世界に必要な方なので決して粗相の無いようよろしくお願いします」

「この世界に必要ってなに?勇者さまでも護衛しろってか?」


 俺はそう冗談気味に聞くと、その女は


「そうです、貴方には勇者の一人で有らせられる武田 優子様を守って貰います」

「は?マジでか?」


 元魔王が勇者を護衛するとか俺はどんな反応をすればいいんだろ?


「待て待て待て!勇者だろ?そんな奴を素性のしれない冒険者に任せるのか?普通お前ら国が騎士団やらから護衛させるんじゃ無いのかよ!」

「確かに貴方の言うことは正しいが、今回召還された勇者は5人、それで国王からの命令で強いものから順に優秀な者を付け、余った者にはギルドに依頼し、そこら辺の者を付けよっとの事です」


 腐ってやがる頭の中ウジがわいているのかと思った、つまり国王は一番弱かったその武田と言う勇者を見捨てた訳だ。

 しかもその勇者は女だと言う、基本冒険者には血の気の多い奴らが多いし下素な奴もいくらでもいる。そんな奴らから適当に護衛を付けるなど有り得ない、つか俺が倒した勇者の中にはそんな待遇の奴はいなかった。有名クランに直接依頼するとかではなく普通に俺でも受けられるって事はどんな奴でも受けられる依頼だ。


「本当に腐ってやがる」

「王の命令ですから」

「それじゃ、他の勇者と一緒に付いて行かせれば良いじゃないか」

「王の命令ですから、それとも貴方はこの依頼を放棄しますか?」

「・・・チッ!」


 依頼の放棄、それはギルドからの信用を失うことに繋がる、信用を失えば依頼を回してもらえなくなったりと俺が旅をするに当たって支障がでてくる。


「わかったよ、受けるよ」

「そうですか、それではこの依頼の為に王国こちら)側が貴方の願いを少し聞きましょう」

「その前に質問いいか」

「何でしょうか?」

「この依頼の達成期限はいつまでだ」

「無制限です、あえて期限を付けるとするなら今の魔王が他の勇者様に倒されるまで・・・ですね、優子様は魔王討伐には参加しなくていいとのことですので好きにしてください」


 今教訓が一つ増えた、依頼書はしっかり読んでから依頼を受けよう。

 だが、これはこれで目的に使えるかもしれない、見捨てられたと言っても勇者、その称号だけで冒険者でも行けない所に堂々と入れる。こうなってしまった以上この状況を少しでも有効に使わないといけない。


「わかった、それじゃ俺が王国おまえら)に要求する事が決まった」

「何でしょうか?」

「まず一つ目、金だ、先立つものが無けりゃ何もできらいからな」

「わかりました、用意させます」

「二つ目だ、俺が護衛するその武田って言う勇者に他の勇者と同じ権限をやれ」

「それは大丈夫です、元々勇者っと言うだけで国境は検査なしで通れますし、貴方達冒険者が行けないような所も行けます」

「それじゃ最後だ、ウルベルト・クラウディスが使っていた魔剣がどこに有るか知っていたら教えてくれ」

「あの〈剣帝〉の?すみませんが流石にわからないですね」

「そうか、すまんかった」

「それでは優子様をお連れいたしますのでお待ちください」


 ハァーっと思わずため息をつく、何が悲しくて元魔王が勇者を守らないといけないのだろうか。


「ハァー谷山とやっていた方がよかったかもなぁ・・・」


 今更後悔しても遅いがそう言わずにはいられなかった。

 しばらくしてドアをノックする音が聞こえて「失礼しまーす・・・」と遠慮がちに入ってくる女の子、それは昨日ギルドを出た時にぶつかった子だった。


「あ、あの、た、武田たけだ) 優子ゆうこ)と言います、これからよろしくね?」


 こうして元魔王と見捨てられた勇者は出会った



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