動き出す世界
あらすじを少々変更し、キーワードにダブル主人公を追加しました
一章 約束果たすまで・・・
1話 動き出す世界
先輩が旅にでて1週間、俺はリデントさんに、エル君はコウさんに稽古をつけてもらっていた。リデントさんは普段弓を使うが近づかれた時のために短剣も装備している。
「ソウ、もっと動いて相手を攪乱させるの、短剣は一回でとどめを刺すことはできないけど、軽いから動きに支障を与えない、威力より手数を増やしなさい」
「はい!」
そう言いながら全く疲れた様子を見せないで俺の攻撃を避け続けるリデントさん。こう何度も避けられるとだんだん悔しくなってくる。
「っ!」
短剣の攻撃は当たらないと判断し距離をとる。そして腰にある瓶を投げる。液体を撒き散らしながら飛んで来たそれを振り払ったリデントは次の瞬間に驚いた。
「おっしゃ!」
瓶の中に入れていたのは水。それを〈凍結〉で凍らせた、これでリデントさんは足自分の足を覆う氷で歩けないはず!
「これでどうですか!リデントさん!」
「・・・・ソウ」
「なんですか?」
「これ、普通に歩けるのだけど・・・」
「・・・・え?」
そう言いリデントさんが軽く足踏みをすると氷は割れた。
「き、昨日寝ずに考えたのに・・・」
これまでの一週間リデントさんにボコボコにされ一矢報いる為に考えた作戦は軽い足踏みで簡単に砕け散った。
「込める魔力が少なかったんでしょうね、でも目の付け所はいいわよ、立ち回りも良くなってきたし才能あったんでしょうね」
「ありがとうございます・・・」
「さぁ、落ち込んでないで続きやるわよ」
「はい」
それから3時間ほどリデントさんと模擬戦をしていた。
「ほら、最後にもう一回やるよ」
「は、はい!」
短剣を握り締め向かい合う、今日最後の模擬戦、リデントさんから一本とる為の秘策の一つは失敗したが、あと一つだけある。
「それじゃ、始めるよ!」
リデントさんがそう言った瞬間に走り出し短剣を突き出す。それを回避したリデントさんに、できるだけ早く、そして確実に当たるように振る、防がれる、振る振る振る振る。
前に先輩が言った手数を増やせ、とそしてさっきリデントさんがさっき言った・・・もっと動けと。
「!?」
短剣を振ると見せかけて足を払うが飛んでよけられる。
かかった!リデントさんの着地するであろう場所に〈凍結〉で氷をはる。
「キャッ!」
リデントさんが滑り体制を崩す。そこに最後の秘策を使う。
「オォォォ!」
横に払うような一撃、大振りのその一撃はそれまでのどの攻撃より早く鋭い一撃だった。戦闘用スキル〈一閃〉これまで貯めたpointを使い覚えた物だった。
それは体制を崩したリデントに向かって行き・・・キィン!と甲高い音をならしながいつの間にかリデントさんが抜いた短剣に防がれた。
「なっ!?」
防がれた事に驚いた俺に短剣を突きつけて。
「うん!今のは良かったよ!」
「あ、ありがとうございます」
「今日は終わろっか、それじゃ戻りましょうか」
ギルドに戻るとすでにコウさん達クランメンバーがいて話をしていた。
「あら?どうしたの?」
「お、リーダーにソウじゃんお帰り」
「リデントさん!それがこのユクトリア王国で勇者が召還されたみたいですよ!それも5人も!」
「5人!?」
「ええ!これで魔族も終わりです!」
そう興奮気味に言にエル君に俺はちょっと引いてるとリデントさんが話を始めた。
「それじゃ、皆も集まった事だし話を始めるよ」
「わかりましたけど、どうしたんです?」
「クランの人数も揃ってソウも強くなってきたから、そろそろ別の場所に移動しようかと思うの、目的地は魔法の総本山シルトキア共和国!」
────シルトキア共和国────
「長老、ユクトリア王国から勇者の一人に魔法の指導をしてくれとの書状が・・・」
長老と呼ばれた老人が面倒そうに言った
「はぁ・・・わかったと伝えといてくれんかの」
「わかりました、では失礼しました」
兵が出て行くのを見届けこう言った。
「自分たちでやれば良かろうに・・・それよりリデント殿から来た手紙の方が面白い事書いてあったな」
机の上に置かれた手紙にはソウとエルの事が書いてあった。
「このエルっと言う者に早く会ってみたいものじゃ」
そう言い老人は笑う、自身の固有能力と同じ可能性をもう若者の事を思いながら・・・
次回は森田視点です




