第十回 アカデミーの入学式について
それから数日。
新生活や入学の準備に追われる日々を過ごし、やがて入学式当日を迎えた。
目を覚ましたヒロが隣のベッドに目をやると、まだゼスタは大きないびきをかきながら、だらしない寝相で眠り込んでいた。それを尻目に、洗面所で顔を洗い、歯磨きを済ませると、壁にかけられた新品のアカデミーの制服に手を伸ばした。
腕を通したシャツの肌触りは、新品特有の糊付けが残った硬い質感だった。少しぎこちなさがあったが、着替えを進める。
部屋の姿見で自分の制服姿を確認した。白地のシャツ。濃茶のブレザー。タータンチェック柄のスラックス。ネクタイは学科ごとに色分けされているらしく、魔術学科のヒロのネクタイは濃い青色をしている。
そうして違和感がないことを確認したところで、もぞもぞと羽毛布団を剥ぎながら上体を起こすゼスタの姿が鏡越しに見えた。
「んぉ…………もう支度したのかよ。やる気まんまんじゃん………」
ようやく目を覚ましたゼスタが寝起きの鼻の詰まったような声で語りかけてきた。
ゼスタはのそのそとベッドから起き上がると、そのまま部屋の簡易キッチンに向かい、戸棚にしまわれた食材を漁りだす。
「別にそういうのじゃない。初日から遅刻してたら恥ずかしいでしょ」
「ふぁ〜あ。…………またまたそんなこと言っちゃって。昨日は一日中そわそわしてたじゃんか。ヒロだって早くアカデミーの美女たちと会いたいんだろ?分かるぜ〜」
「ちょっと緊張してただけだよ。知らない世か…………じゃなくて、知らない国の学校に入学するんだ。勝手も分からないし、馴染めるかも分からない。不安にだってなるさ」
「だーいじょうぶだって。このレバスティエ家のゼスタ様についてりゃなーんも心配いらねーよ。友達でもカノジョでもなんでもおこぼれくれてやらあ」
「レバスティエ家ってそんなに凄いの?」
「そりゃあもう。ザルガディ・ゴルディオール・レバスティエといやあ、戦争ですげー戦果をいくつも上げた名軍人だぜ?アルトニアじゃ聞いたことがない人の方が少ないくらいだ。だからまあ、その息子であるオレもモチロンすげーってわけ。アカデミーでも人気者まったなしよ」
「……………蓋を開けてみたら人前だと顔面蒼白になって歩けなくなるとかないよね?」
「はあ?なにそれ。別になんないよ」
「そ、そうだよね」
ゼスタはヒロと会話を交わしながら、取り出したベーコンブロックを捌くと、いくつか割った卵と一緒にフライパンで焼く。その間にレタスのような野菜と玉ねぎに似た野菜を切り分け、焼き上がったベーコンと目玉焼きと一緒に豪快に皿に盛り付けた。仕上げに上からいくつかの調味料を合わせたソースと香辛料をかける。
ものの数分足らずでそれを仕上げると、その一枚を何も言わずにヒロに差し出した。
ゼスタはどうやら料理に自信があるようで、ここ数日の間も同じ調子で二人分の朝食を用意していた。聞くところによれば、料理は女性の目を引くために以前習得したのだという。
(掃除も進んでやってくれるし、本当に良い雑用係だ。最初はうるさいだけの発情期の猿だと思ってたけど、なんだかんだで悪い奴ではないんだよな)
そんなふうにゼスタへの評価を改めながら、部屋の壁際に置かれた二人用の丸いカフェテーブルに着き、ゼスタの作った朝食を食べる。
ゼスタはキッチンに立ったまま自分の分を豪快に口の中にかき込むと、慌ただしく身支度を始めた。
身だしなみにこだわりのあるらしいゼスタの朝のルーティンは、洗顔から始まり、スキンケア、ヘアセット、果てには顔痩せのための表情筋ストレッチまで続いていく。ここ数日の相部屋生活でそれを知っていたヒロは、時間に間に合わなければ置いていくことも辞さないつもりでいた。
空いた食器をシンクに放り込むと、ヒロは食後のコーヒーを淹れる。
インスタントコーヒーやコーヒーメーカーのような便利な代物は残念ながらこの世界には存在していないらしい。お湯を沸かして、豆を手挽きして淹れなければならない。
ヒロは新調したての真鍮製のワンドを取り出すと、その先をコンロに向ける。そして短く唱えた。
「…………【着火】」
コンロに火がつく。ヒロは少しほっとした。
入学試験以降【着火】はほとんど失敗することなく使えるようになっていた。それでも、魔術そのものにはまだ慣れない。
魔力やマナを感じ取れても、魔術が使えるようになっても、その魔力やマナがどうやって生まれ、なんのために存在するのか。そして、なぜこの世界にはあって自分の世界にないのか。いまだに分からないことは多い。その存在を認めてもなお、どこか納得できていない自分がいた。
ヒロは、水を入れたやかんをコンロの上に置く。そして戸棚から取り出した瓶詰めの豆をミルで挽きながら、今し方自分がつけたコンロの火のゆらめきを、いぶかしげに眺めていた。
(この世界の住人は、こうやって魔術を使って生活しているんだよな。それがこの世界にとって常識で、普通で、当たり前のこと)
(だけど俺にとってそれは不思議なこと。この世界での生活を半月弱続けても、その感覚は抜け出せそうにない。いずれ慣れるのかもしれない。むしろ、そもそも永住するわけでもないんだし、頑張って慣れる必要があるわけですらないんだけど………)
(………………でも、アカデミーでこの世界のことについて勉強して、知識を身に付けたなら、この不思議だと思う感覚はなくなるのだろうか。魔術の存在を受け入れられる日が来るのだろうか。それは少し気になる)
「おーいヒロー。魔導整髪機持ってないー?オレの寿命来たみたい。最悪だよ、こんな大事な日に限ってさぁ!」
ヒロが思案に耽りながら豆を挽いていると、ゼスタがそれを遮るようにヒロの背中に声をかけた。
ヒロは邪魔をされたように感じて、顔を顰めながらぶっきらぼうに答える。
「…………持ってるわけないだろそんな訳の分からない代物」
「なんで魔導整髪機すら持ってねーのさ!?んで持ってないくせになんでお前だけカノジョいんのさ!あークソ、ムカつくな〜!」
ディナがヒロたちの部屋にやってきた日以来、ゼスタの認識ではそのようになっているようだった。
「だから、あんなの彼女じゃないって何度言えば………」
「おかしいだろ!カノジョじゃない女のコが夜な夜な部屋に来るのか?いーーーーや来ないね。だってオレんとこには来たことないもん。こんなにもモテるために頑張ってるオレのところに来なくて、なーんも気にしてなさそうなお前のところに来るのはおかしい!魔導整髪機も持ってないくせにさァ!おかしい、おかしすぎるぜ〜〜ッ!」
「知らないよ。はやく支度しろよ。ただでさえ遅いんだから」
「くぅーーーッ、そのすました感じもなおさらムカつくなあ〜〜。かっちょいい〜〜〜」
「コーヒー淹れるけど砂糖とミルクは」
「たっぷりで!」
「ガキが………」
* * *
その後、なんとか出発時間までに身支度を終えられたゼスタと共に、ヒロは入学式が行われるというアカデミー大ホールを訪れた。
場所は中央棟。アカデミー校舎の中心に聳える最も大きな建造物で、その上部は時計台となっており、マグステルムの街を見下ろすランドマークでもある。
その下層のおよそ4、5階分の空間を占める大ホールは、巨大な聖堂のような風体の大建築。入り口正面から見て、その奥行きは200メートルはくだらないかもしれない。とても目算で測れる規模ではないことは確かだ。
床は大理石に近い白い石材で、なめらかな光沢を放っている。そこからホール天井まで伸びる柱は、直径にして10から15メートルはありそうだ。その表面には杖を携えた老人や、なんらかの幻獣らしき動物などの像が彫られている。そんな凄まじい存在感を放つ柱が、ホール内で十数本並んでいる。
その柱を追った先では、アーチ状の石の支柱が複雑に折り重なってドーム型の天井を支えていた。支柱の各交差部からは巨大なシャンデリアが吊り下がっていて、ホール内を煌々と照らしている。
「うおー、すげーすげーッ!これがあの有名なアカデミー大ホールかぁ〜!」
「でもこれ耐震とか大丈夫なのかな」
「お前ホント気持ち悪ぃーな。素直にすげーって感激しろよ。すげーんだから」
「こっちではどうか知らないけど、俺の国だと建物にも法律的にダメかどうかっていう基準があるんだよ。ここまで非現実的な光景を見ると感動よりも心配が先にくる。アカデミーは外観からして狂ってるし、全体的に怪しい」
「知らねーよ!ならむしろそんな怪しいモンが数百年経っても残ってることに感動しとけ!」
「数百!?凄い………!」
「そうだ!すげーんだ!」
「やあ、久しぶりだね。ヒロ」
「………どぅわ!」
二人が大ホールの入り口で足を止めてその光景について語り合っていると、爽やかな青年の呼びかける声が横から割って入ってきた。
その声の主に目を向けると、それは以前寮までの道を案内してくれた、魔術学科上級生のレノルドだった。
「し、失礼。盛り上がってるところ邪魔しちゃったかな」
「いや………全然。どうしてレノルドさんがここに?入学式って全校生徒が参加するんですか?」
「いいや、一年生だけだよ。俺は受付の手伝いだ。二人ともこっちで…………………っと、いけないいけない。その前に」
「……………?」
レノルドが手を差し伸べてきた。
爽やかな笑みを浮かべて言う。
「入学おめでとう。今日から正式にアカデミー生の仲間入りだ」
「……………………あっ。えっと、どうも」
ヒロは慣れていない様子で祝いの言葉を受けると、その手をぎこちなく握った。
レノルドはヒロを激励するように、その手を力強く握り返した。
「キミも魔術学科だね。俺は魔術学科四年のレノルドだ。よろしくね」
「う、うぉー!センパイだッ、かっちょいーーーッ!オレ、ゼスタっス。レバスティエ家の四男っス、おなしゃス!」
「レバ…………ッ!?ほ、本当に?あの王国軍総司令官、ザルガディ閣下の………?」
「ッス!」
「な、なんということだ。ヘーン・キョーからやってきた留学生に、レバスティエ家の子息……………。聞くところによるとコマグローグ夫妻のお子さんもいるらしいし、今年の魔術学科は粒揃いだな………」
レノルドは目を丸くして驚いたかと思えば、今度は顎に手を当ててなにやらぶつぶつと呟いている。
一連の様子を静観していたヒロは、独りごちるレノルドの邪魔にならないよう小さな声でゼスタに語りかけた。
「……………本当にそんな凄い家柄だったのお前」
「最初っから言ってんじゃん。なんだよ、疑ってたのか?」
(だったらもっとそれらしく振る舞ってくれよ………)
「…………っと、こうしちゃいられない。もうしばらくで式が始まるから、二人とも受付を済ませてしまおう。さあこちらへ」
はっと我に返ったレノルドが慌てた様子でそう言うと、大ホールの巨大な入り口の脇にあるカウンターへ二人を先導した。
レノルド同様アカデミーの上級生と思われる受付の生徒に促されるまま帳簿にサインを書く。覚えたての拙い字が恥ずかしかったが、隣でその様子を見守っていたレノルドに目を向けると「大丈夫だ」とでも言うように力強く頷いたことで、ヒロはいくらか安堵する。
そうして受付を終えた二人は、レノルドの後を追うようにして大ホールを進んだ。
入り口からしばらく進んだホール中央では、豪勢な大皿料理の数々が乗せられた長テーブルがいくつも並べられている。既に集まっている生徒たちがテーブルに着いて食事を取っていたり、ホール内のあちこちで数人のグループを作って歓談したりしていた。
入学式というよりも、大規模なパーティ会場のような空気感だ。
「う、うぉおおおおッ!ついに…………ついにアルトニアの美少女たちとご対面だぜーーーッ!ウッヒョヒョ〜〜〜〜イ」
「まさかそのノリで行く気じゃないよね」
「ン゛ン゛………ッ。………………………心配するなよッ。今日はジェントルメンモードで行かせていただくZE。ハァイ、ヒロクン。本日はお日柄も良く大変コングラッチュレイションヌッ」
「今日はなるべく俺に話しかけないでね。知り合いだと思われたくない」
「こォら。照れるなヨンヌッ」
「あはは………二人は仲が良いみたいだね……」
そのテーブルが立ち並ぶ区画の一つに辿り着くと、レノルドはうやうやしい所作で二人分のテーブルの椅子を引いてみせた。反応に困るヒロに対して、ゼスタは気にする素振りもなく、自分こそ主役だというように大きな音を立てて椅子に腰を落とすと、そのままふんぞりかえるように座った。
さすがにそれはどうかと思いつつ、レノルドに一礼をしてからゼスタに続いて椅子に腰掛ける。
「それじゃあ二人とも、楽しんで」
「あざーす!」
(楽しんで、って………。これ入学式だよな?)
背中を向けたまま手をひらひらと振って、レノルドは受付の方へ戻っていった。
去り際に言い残していった言葉が気になりながら卓上に目を向けると、豪勢な料理が乗せられた大皿の数々の他に、席ごとにはカトラリーが用意されている。会場の空気感からも察するに、ヒロの知っている入学式とは根本から違うのだろうということは容易に想像できた。
ヒロは、隣の席で辺りをきょろきょろと見回しながらさっそく美女探しに勤しんでいるゼスタに聞いてみた。
「こっちの学校の入学式ってこんなもんなの?」
「どーれどれぇ………………………んあ?こんなんって?」
「料理が出たり、みんな立ち歩いて喋ったり。なんか式っていうよりパーティって感じじゃん」
「あーまあそうかもね?こんな豪華なのはアカデミーならではだろうけどねー。そんなことよりヒロ!ぼさっとしてないでさっそく女のコに話しかけにいくぞ!のんびりしてると他の男に取られちまうッ」
そう言ってゼスタは颯爽と席を立つとどこかへ消えていってしまった。
当然着いて行くつもりもないヒロは、このまま席で式の開始を待つことにした。
卓上の大皿料理にでも手をつけようかと思ったが、先ほど朝食を取ったばかりで腹は減っていない。手持ち無沙汰になったヒロは、それとなく辺りの様子を観察し始めた。
参加する生徒は一年生だけとのことだったが、席の数をざっと見たところ、七百から八百はありそうだ。それだけの人数を収容してもなお大ホールの空間は余りある。実際にはこれが四学年、さらに聞くところによれば初等部と中等部もあるのだというのだから、その規模を想像すると、改めて途方もない場所に来てしまったように思えた。
(なんとなくで行き着いてしまったけど、アカデミーって俺が思っているよりもかなり凄い場所なのかもな………)
そんなことを考えながらふと視線を別の方へ向けると、テーブルを挟んだヒロのすぐそばで十数人の生徒が輪になって談笑していた。男子はヒロと同じ濃い青色のネクタイを、女子は同色のリボンを首元に着けている。魔術学科の生徒たちのようだ。
盗み聞くつもりこそなかったが、自然と会話の内容が聞こえてきた。どうやら将来の夢や今後のキャリアについて語り合っているようだ。
この世界特有の職業名や、社会制度の名前らしき聞き覚えのない単語が飛び交っていて、内容の大半は理解できない。それでも、生徒たちのきらきらとした活気溢れる表情から、前向きな話題であることは見て取れる。
その内容を理解できたとしても、自分はあの場にはあまり馴染めなさそうな気がした。気後れを感じるように視線を逸らし、長テーブルの卓上へと戻した。
卓上には大皿料理とカトラリーの他に、各席にネームプレートが置かれていた。達筆な筆記体で書かれたアルトニア語の自分の名前。
それは、自分がこの世界で公的に認められた存在であるということをヒロに強く感じさせた。そうして自分の立ち位置を考えると、様々な思いが込み上がってきた。
(少なくともあの生徒たちは、明確な将来の目標を掲げてこの場所へ集まっている。それに比べて自分はどうだろう)
(俺は明確な目的意識を持ってこの場にいるわけではない。異世界に訪れたのもディナの召喚魔術による偶然だし、入学の提案を受けたのも自分の身の振り方を考えた打算だ)
(魔術には興味があるかもしれない、だけどその程度。それを人生に活かそうとしてここに集まっている真剣な彼らと並ぶのは、おこがましいことのような気がする)
そうして考えると、このアルトニア語で書かれた自分の名前が、この席が、自分にとって相応しくないものであるような気がして、どこかいたたまれなさを感じてしまっていた。
『──────プツッ、ゥゥゥゥン……………』
突然、甲高いハウリングのような音が響いた。
『………………間もなく入学式を開会します。皆さん席へお戻りください』
女性の指示がホール全体にこだまする。少し間を置いて、会場を立ち歩いていた生徒たちが指示の通りにぞろぞろと席に戻っていく。
その間にヒロがホールの一帯を見渡していると、天井付近には展開された魔法陣が点在していた。声はそこから響いているようだ。
さらに、ヒロたちから向かってずっと奥にある壇上中央には、銀髪を束ねた褐色の女性教師の姿が見えた。彼女が声の主のようだ。遠目では分かりにくいものの、腕を組み、会場全体を睨むようにして捉えるその佇まいからは、逆らい難い威圧感が放たれている。他の生徒たちも同様に感じているようで、会場全体に得も言われぬ緊張感が走っていた。席に戻る生徒たちの足取りも心なしか慌てているように取れる。
その生徒に混ざって、ゼスタも隣の席に戻ってきた。どうやら他の生徒と親睦を深めるだけの時間はなかったようだ。少し気を落とした様子でいる。
『………………それでは、アルトニア魔術アカデミー第720期生入学式を開会します』
生徒たちが一人残らずそれぞれの席に着くのを確認した女性教師は、手元の冊子を読み上げるように言った。
「美女だ!褐色美女だ!」
「うるさい」
『まず初めに、学長先生から祝辞をいただきます』
(…………!)
女性教師がそう言うと、入れ替わるようにして学長のレアリスが登壇する。
意外にもと言うべきか、あるいは然るべきと言うべきか。レアリスはいつもの前を開けた半袖と半ズボンのスタイルではなく、格調高い黒のタキシード姿だった。
艶やかな光沢を放つジャケットの中から細かい花柄の刺繍が施されたベストが覗いている。首元には黒い蝶ネクタイ。丸いサングラスは式典向きではなさそうだが、格好はついているように思う。
「あれが学長………?」
「マジ?」
「若くない?」
「スタイル良くてカッコいい」
公の前に現れたレアリスの姿を見た会場の生徒たちが一斉にどよめきだす。特に女子生徒の声が多いように思える。
たしかにあのチャラ男然とした胡散臭い格好に比べると、サイズ感の合ったタキシードが長身の細い身体のラインを際立たせていて様になっているようにも思える。
レアリスは壇上の中央に着くと、目元を隠していたサングラスを一思いに取る。それと同時に、わっ、という女子生徒の短い悲鳴が響いた。
レアリスがゆっくりと息を吸う音が響くと、会場の生徒たちは皆息を呑んでその第一声を待ち構えた。
『………………………ウィス』
(ウィスかぁー……)




