第5話:ラム肉と焼酎、時々カメラ越しの死闘とゾンビ⁈
俺はソファーに座って女から話を聞く
座り心地良いなあ、血さえ付いてなきゃなあ!チクショー!
このバカ女のいう事には、どうやらC国の諜報員が陸自内にシンパを作って、テロを起こす計画があったらしいのよ
工作員とシンパの連絡には電子的な物と、アナログ的な物があるようで、電子的な暗号やツールはC国の方がそういう電子的な物は強く、解析は出来ないし捕まられない。
ちくしょう腹減ったなあ
そうだ、これ終わったらジンギスカン食べに行こう
で、やっと陸自がアナログの連絡手段を押さえたのが例の灰皿
特定の銘柄の吸い殻にチップ仕込んで情報のやり取りをしていたらしく、決まった時間に吸い殻を刺して燻らせて、そこに工作員が水をかけて吸い殻を回収する。
回収し損ねたらそのまま何分かで燃え尽きるんだそう
それで今日見張っていた連中の前で、マークをしていた陸自隊員が吸い殻燻らせたら、俺が消しちゃったと
それで例の4人が俺を確保すべく勝手に動いたらしい
食べ終わったら、飲みに行こう!金ならあるんだから店内の娘を全員指名して、シャンパンでもいれちゃおうかなあ!
急に見失った陸自の追跡者が、見失った4人の隊員より、マル対の俺を先に見つけて連絡されてきたのがコイツだと
そこで、吸い殻を持ってるだろう俺をC国が追いかけてて、ここで戦闘になったんですってよ? いやだわあ……ハアァ
……がっちり巻き込まれてんじゃねえかよ
こりゃ絶対陸自にここがバレてるし、C国にもバレてる…と
あの4人も、ミンチだけど、背広とかでばれるんだろうなあ
その時、バカ女が余計なこと言いやがったんだ
「貴方が何者か知らないけど、私達を敵にして勝てると思わないほ……、ガッ!あっ……」
うるせえ
俺は肺に水を少量出して黙らせた
…あーあ、漏らしやがって、汚ねえな
こいつ、殺さないでやってたのに、なんで調子乗るんだ。
野良犬のマーキングみたいなもんだと思って、シャワーだけかけて濡れた服を剥ぐ。タオルくらい一枚くれてやるか。
……俺ぜったいこんなじゃ無かったよね?
くぐもった声を出して泣いてる女を見ながら、動画で「火〇るの墓」の妹死ぬシーン見たら、泣けた。
自分が傷つけることに対しての罪悪感だけないのかな
コイツなんて罪悪感もなく、普通に殺せる気しかしないもの。
まあいいや
俺は下半身丸出しの女を置いたまま、買っておいたネットワークカメラを室内とエレベーターホールに置いて飯を食いに出た
ススキノに出て、ジンギスカンを喰いながら、人感センサーの通知が来たホールを携帯で見る
まずはビールで……ぷは!やっぱ今時期はまだビール美味い!
おー、8人でアサルトライフル装備かよ、本気だなあ
言葉聞くとC国か
あ、階段から6人、こっちは陸自か?
どっちも身元隠すためにHK416持ってるのが可笑しいな
うーん、美味いな
ラムレバーの刺身ってとろけるなあ こりゃ焼酎だね!
置いた携帯で8対6の戦闘を見ながらロースを追加する
うーん、先にホール押さえて上にいて、さらに人数多いC国が優勢だな、流石に爆発物は使えないだろうしな
うん、ロース美味いな、昔と違って生だもんなあ
たまに昔の冷凍で薄切りの「マトン」「ラム」が食べたくなるけど、ノスタルジーだけで、ぜったい今の方が上手いよね
これは酎ハイで舌を洗いながら食べたいね!
あら?部屋に侵入しやがったな
えーと、室内は…と 繋がった繋がった
うっわ、いきなり撃ちまくるじゃん……
ラムタン?これは初めてだなあ
うーん、食べた旨味は牛タンに負けるけど、食べた感じがコリコリして、つまみにイイね!
ハイボールに合いそうだわあ
うわー、アイツ撃たれちゃったよ可哀そうに
縛られて下半身丸出しで穴だらけ……か
美人だったのになあ、C国酷いな
というか、こいつらが撃ったり穴開けたのってだれが払うんだろ
まあ俺は払う気ないけど
おーきたきた!焼きおにぎり良いよね
〆のうどんも良いけど、ジンギスカンのタレつけて鍋で焼くのが良いんだよ!
実はこれには焼酎のガラナ割が合うんだよな!
俺は機嫌よくジンギスカンを満喫して、女の子と楽しく飲みたいからニュークラ(キャバクラ)へむかう。
チートで引き出した現金に物を言わせてVIP席に座り、店内の暇な嬢を全員指名して楽しく飲んでいた。
そこで、女の子の口から「あの変な音」の話題が出る。
「そういえば、ちょっと前の『キュオーーーオオン』って音、結局なんだったんですかねー? ネットだと、あれから海外でゾンビ出たとか騒いでますけど」
俺は内心(えっ、何その音? ゾンビ?)と驚くが、顔には出さずに平静を装って言う。
「お、おう……あの音な。知ってる知ってる。ネットはすぐ大袈裟に騒ぐからなあ」と適当に話を合わせてみた。
(俺のいた世界では、そんな『音』は鳴っていない。やっぱりパラレルワールドらしいが、なんかおかしいなぁ)と。
嬢にスマホの動画を見せてもらいながら、「よくできたCGだよね」なんて言って笑う。
嬢も「ですよねー!日本は平和でよかった!」と屈託なく笑う。
(どうせよその国の話だろ。俺はススキノで金使って遊ぶだけだ)と俺は思考放棄してバカみたいに遊んでいた。
監視カメラの確認
飲みながら、ふとスマホを開いて自宅マンションのカメラを確認してみる。
部屋で撃ち合っていたC国工作員と自衛隊の死体、そして下半身をタオルで隠したまま放置していた女(情報保全隊)は、C国か陸自の後続部隊によってすでに運び出され、血だまりだけが残っていた。
(あーあ、片付けられちゃった。まあ、あの部屋はもう使わないからどうでもいいけど。俺は今日からホテル暮らしだしな)と、完全に他人事として切り捨てる。
「奏介さーん、次歌入ってますよー!」
「よーし、俺の華麗なラップを聞いとけよ?w」
ススキノの夜は楽しくて長いのだ!
店を出て、高級ホテルへ向かうススキノの街角。
奏介は、路地裏で密入国者らしき男たちが、日本の警察官と揉めているのを遠目に見かける。
(また揉め事か……ススキノも物騒だな)と通り過ぎようとした瞬間、
その男の一人が、突如として獣のように警察官の首筋に「噛みついた」。
(……おいおい、嘘だろ? CGじゃなかったのかよ)
日本に初めて「パンデミック」が上陸した瞬間を、奏介は呆れ顔で見つめていた。




