↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
43/58

第四十三 ディスコで浮いていた私

昭和の若者文化といえば、やっぱりディスコ。

音楽に合わせて踊り、綺麗に着飾った若者たちが集まる、華やかな場所だった。

…と言いたいところだけれど、私の場合はちょっと違った。

なぜか私は、いつも場違いな格好でディスコへ繰り出していた。

そんな私の、ディスコブームの思い出です。


私が若い頃は、ディスコブームだった。

福岡の街にもディスコが何軒かあり、ブームに乗った私たちは、仕事が終わるとディスコへ繰り出していた。


ところが、ディスコの入り口で、なぜか私だけ身分証の提示を求められる。

多分、Tシャツにジーンズという格好だったからだと思う。

その日も仕事帰りで、通勤していたそのままの服装だった。

今思えば、そもそもそんな格好での出勤が許されていたのかどうかも、ちょっと怪しい。

でも当時の私は、そんなことは気にしていなかった。

ディスコへ行っても、別に踊るわけでもない。

お酒を飲むわけでもない。

ただ、みんなで騒いで帰る。

今思えば、何をしにディスコへ行っていたのだろう。


そんなある日。

仕事が終わり、従業員出入り口から出ようとすると、兄がそこで待っていた。

私を見るなり、第一声が、

「そんな格好の人は、1人も出て来なかったぞ!」

そして続けて、

「みんな綺麗なお姉さんばっかりやったぞ!」

そうなのだ。

福岡・天神の大きな商業施設のビルだったので、仕事帰りの人たちは、みんな綺麗な服を着て、お化粧もバッチリ。

みんなおしゃれな服に身を包み、ロングブーツなんかも履いていた。

その中で私は――

すっぴん。

Tシャツ。

ジーンズ。

そして、スニーカー。

おしゃれにも、お化粧にも、まったく縁がなかった。

そりゃあ兄も、私を探すのに苦労しなかっただろう。

というより……

「綺麗なお姉さんばっかり」の中に、スニーカーの私。

探す必要なんて、なかったかもしれない。

私の青春時代は、吉田拓郎や南こうせつが大好きだった。

だから、Tシャツにジーンズ、スニーカーという格好も、私にとっては当たり前。

あれは完全に「拓郎ファッション」だったのかな。

ディスコブームに乗ってディスコへ行っていたのに、ファッションは最後までフォークだった。


今思えば、あの頃の私は、ディスコへ何をしに行っていたのだろう。

踊らない。

お酒も飲まない。

ただみんなで騒いで帰る。

しかも、周りは綺麗に着飾ったお姉さんたちなのに、私は仕事帰りのTシャツとジーンズに、すっぴん。

今なら、もう少しおしゃれして行ったかもしれない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。