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第十八部 大蛇山が来る夏

夏になると、今でも町は大蛇山一色になります。

勇壮なお囃子が響き、花火を吹く大蛇が町を練り歩く姿は、大牟田の夏の風物詩です。

子どもの頃から見続けてきたこのお祭りには、「かませ」という全国でも珍しい風習があります。

夏祭りの日が来ると、町中は一気に熱気に包まれ、お祭り一色に染まった。

屋台から漂う焼きそばやたこ焼きの香りが鼻をくすぐる商店街は、歩くのも大変なほどのすごい人出で溢れ返っていた。


我が町のお祭りといえば、何といっても目玉は「大蛇山だいじゃやま」だった。福岡県大牟田市を代表する夏祭りである。

何十人もの男たちに曳かれた大蛇山が、地鳴りのようなお囃子とともに頭を左右に激しく振り、口から威勢よく花火を吹き上げる。辺り一面には火薬の煙の匂いが立ち込め、その姿はいつ見ても迫力満点だった。


そして、お祭り会場のあちこちで行われていたのが「かませ」という風習だ。

子どもの無病息災を願い、幼い子どもたちが大蛇の大きな口の中へガバッと放り込まれるというもの。

大蛇の恐ろしい顔と轟音に驚いて、泣き叫ぶ子どもたちがそこかしこにいたけれど、見守る親たちは「丈夫に育つように」と、それを笑いながらおおらかに見守っていた。


私もいつの間にか大きくなり、中学生になると、友達と連れ立って浴衣を着てお祭りに出かけるようになった。

おめかしをして出かけたのはいいものの、履き慣れない下駄で歩いたせいで、足にはあちこちマメができ、帰る頃には足を引きずりながら家路についたものだった。


そういえば、楽しい思い出ばかりではなかった。人混みで痴漢に遭い、「減るもんじゃなし!」と言われたこともある。

あの頃は怖くて何も言えなかったが、今なら絶対に許さない。


大蛇山は今も変わらず町の夏を熱くしている。

それでも私が真っ先に思い出すのは、子どもたちが「かませ」で泣き叫び、花火を吹く大蛇に胸を躍らせていた、あの頃の夏祭りである。

子どもの頃は当たり前だと思っていた大蛇山や「かませ」も、今では全国でも珍しい伝統行事だと知りました。

大蛇山は今も変わらず大牟田の夏を盛り上げています。

これからも、子どもたちの元気な泣き声とともに、この勇壮なお祭りが受け継がれていってほしいと思います

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