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美人だけど最恐堅物な風紀委員長が、俺の前でだけエッチなデレデレ極甘女子を演じ始めて今日も感情がない件  作者: ファッション捜査課のスカリー


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第9話 朝のおっぱいって、いいよね——

昨日のお昼休みの一件から、俺はずっと思考がふわふわしていた。


頬に残る月城さんの唇の感触が俺の意識を鷲掴みにして、浮上させるのを拒んでいる。夢から覚めない……そんな感覚。

唇が触れた場所だけがまだ熱を持っているみたいで、眠ろうとしても、目を閉じた瞬間記憶が蘇り……結局、ろくに寝られないまま登校の時間となってしまった——


「おはよ〜ございま〜す……登校時はネクタイはしっかり締めて登校してくださいね〜」


今日はいつもの校門前挨拶運動なのだが、寝不足のせいで声のボリュームが心もとない。

そんな俺の視界の端で、今日も凛とした姿で暴れまわる月城さんの姿があった。


「そこの男子ぃ!なにそのシワッシワのワイシャツはぁ!?それにネクタイはどこにやったのかしらぁ!?ちょっとこっち来なさい!指導よ!!」


(ひいっ!すいません月城さんっ!ネクタイは昨日ロッカーに置いたまま忘れてしまいましてぇ……)


「問答無用!こっちへ来ぉぉい!!」


今日も絶好調。やはり月城さんはああでなければ。

その光景を見ていると、若干思考がはっきりしてきた気がする。


——そうだ、昨日のアレは。俺の頬に、その……チュってしたのは、やっぱ別人なんだ。そうに違いない……。


そんな情けない思考が巡ったその時——不意に背中辺りに柔らかなものがそっと触れた。

制服越しに伝わる軽い圧と熱がじわっと広がり、同時に耳元で吐息が絡む。


「ふぅ〜……な〜〜くんっ……」

「うひっ!?」


妙にくすぐったいの感覚が背筋を這い上がって、ゾクッと体が反応してしまう。

慌てて振り向いた先にあったのは——優しい女性の笑顔だった。


栗色のうるツヤなワンレンボブに、安心感を纏う可愛い顔立ち。ナチュラルな眉の下、少し垂れ目なアーモンド型の瞳が、笑ったせいで三日月みたいに細くなっている。


「うふふっ(笑)」

「ほほほっ!?ほのか先輩!?」



あまりに近い距離に驚いて、瞬時に一歩引いた俺の視界に映ったもの。


俺よりちょっと低い……月城さんと同じくらいの身長で女性らしい体型のその女性は、制服を模範的に着こなしている。が、その胸元を異次元に歪ませる爆乳が、動くたびにたゆんたゆんと揺れ動いているのがとっても……エロい。


さっき俺の背中に触れた柔らかなもの……その正体をようやく理解し、俺は余計に取り乱してしまう。

そう、それは今、目の前でたゆんと揺れているおっぱい。


「お・は・よっ☆なーくんっ」

「おっ、おはようございます!」

「な〜に〜?そんなに驚いちゃってぇ?そんなにわたしが怖いのぉ?」


——急に耳元で吐息を吹きかけられて、背中におっぱいが当たったら誰でも驚くだろ?めちゃ嬉しいけど。

とは思うが言えるはずもない。


「もうっ、ちょっとわたし傷ついちゃったぞっ☆?」


慌てる俺を覗き込みながら、冗談めいてウインクを重ねてくるそんな彼女は(たちばな)ほのか——


俺の高校の先輩で、同じ風紀委員で……そして元風紀委員長。

そう、俺が好きだった人であり、振られた人…………これ以上はダメ。言ったじゃん。心ぺしょぺしょだって。


「そういうつもりじゃ!?でも先輩っ!?」

「ん〜?でも〜〜?なあに〜〜??」


口をわざとらしく尖らせて、ほのか先輩はぐいっと距離を詰めてくる。

同時にふわりと甘くてエッチな香りが鼻にかかり、俺の胸元まであと一センチ程まで迫ってくる爆乳が理性を削ってゆく。


「せせせっ!?先輩!近いですって!?」

「そりゃそうだよ?だって近づいてるんだもん。なーくん朝から頑張ってて偉いね!わたしがいい子いい子してあげるぞっ☆」


そう言いながら、ほのか先輩がずいっと俺の方へ近づいて、おもむろに頭へ手を伸ばし——



————————ぷにゅ♡…………ナデナデナデ……



「はうっ!?」


頭を撫でられる掌のあたたかさと、真正面から押し当てられるおっぱい感触が一緒に俺を襲い、意味のわからない声が漏れだす。


気づいてる人もいるかもしれないが、この可愛いをそのまま形にしたみたいなほのか先輩は、告白する人が後を絶たないほどの人気を誇る当校屈指の人気美女。

本人は無自覚だが、その圧倒的可愛さと暴力的なおっぱいの力で男子を従わせ、この学校の風紀を守ってきた、月城さんとは真逆のタイプの風紀委員である。


笑ってやってくれ……俺も一年の初登校の日、校門に立つ先輩のビジュアルとおっぱいにやられ、恋に落ちた馬鹿の一人なんだから。


——俺だって思春期の男だ。おっきなおっぱい好きにきまってるだろ……。


なんて思いながらこの至福の時間に身を委ねていると、見つめ合う俺と先輩の間に刺さるような声が飛んできた。


「ちょっ!?ちょっとそこのふたりぃぃ!!なにしてるのかしらぁ!?」

「「へっ?」」


俺とほのか先輩の声が重なった刹那、こちらに突進してきた影が二人の間に割って入る。

そう、月城さんだ。


「なにしているのよ並樹くん!?ちょっ、先輩も並樹くんから離れてください!なにエッ……はしたない事しているんですかっ!」

「あらあらぁ〜(笑)」

「ごっ、ごめん月城さん!」


月城さんの険しい顔が真正面から刺さり、条件反射で謝っていた。

その様子を一歩引いた所で、笑顔で見つめているほのか先輩がいる。


「ふふふっ、凛ちゃんは相変わらずなんだから〜……じゃあ、わたしはお邪魔みたいだからこの辺で……じゃね☆なーくんっ!凛ちゃん!」

「ちょっ!?ほのか先輩!?まってくださいっ!!」


——この状況に俺をひとり置いて行かないでぇ!?後生だからぁ!


心の中で叫ぶも、先輩は軽快にその場を去っていく。振り返りざまに俺に手を振って、朝の光の中へ溶けていくみたいに。


そして俺の横には、般若にも劣らない眼光の月城さんだけが残された。

視線が重い。首筋がひやりとする。汗が背中にじわっと浮く。

次いで、底冷えする鬼の声が落ちた。


「並樹くん…………」

「はっ……はいっ……」

「ちょっと、こっちにいらっしゃい……」

「……はい……」


俺は月城さんの後ろを素直についてゆく。

校門から少し離れ、校舎の脇。人の流れから外れた、植え込みの影の空き地へ足を踏み入れると、彼女は足を止めこちらを振り返って腕を組み、そのまま俺を睨みあげてきた。


あまりの視線の鋭さに俺は思わず息を呑む。

実際、ほのか先輩とのこんな絡み自体は前からけっこうあったし、それに対して月城さんが苦言を呈することもあった。


——でも今日は、どこかが違う。


声の低さも、間の取り方も、空気の張り方も。明らかにいつもより月城さんは怒っているみたいだ。


なのに、俺にはその理由が分からない。もちろん俺が悪いのはその通りなのだが……


理由が見えないまま俺は黙って背筋を正すと、内心で息を整えながら月城さんの次の言葉を待った——


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