発覚
恵里菜は、白い顔で戻ってくるが、安紀は、「結果は?」と、ただ聞く。恵里菜が差し出すと、「妊娠してたんだ」と、普段と変わらない声で言う。恵里菜は、「どうしよう!どうしよう!」と叫んで、膝から崩れて泣き出す。安紀は、理解できないな、という顔で、「どうして、よかったじゃん?もしかして、気分が悪くなるのが不安なの?」と聞いてくる。恵里菜は、「無理!もう、無理!安紀くんどうして、そんなに平気なの?」と聞くと、「だって、僕が焦ってどうするの?」と言う。恵里菜は、「だって、子どもの父親は、安紀くんじゃん!」と言うと、「僕は、父親としての役割は果たさないって約束したよね。」と、ルールを確認してくる。恵里菜は、頭が真っ白になって、「私、言うから!ママにも先生にも、安紀くんの子どもだって言うから!そしたら、安紀くんは、どうしたって責任取らないとだめになるからね!」と責めると、安紀は、眉をひそめる。「僕を道連れにして何の得があるの?」と安紀は聞く。そして、「あっ、僕に経済的な援助を求めてるの?」と言う。「それじゃあ、言わない方が余計にいいよ。皆に知られたら、僕たちは、学校にも塾にも行けなくなる。ただ、石川さんが、子どもを産んで3年生から戻ってくればいいんじゃない?」と、また平気で言う。恵里菜は、安紀の頬を思いっ切り、引っ叩く。すると、安紀は、痛いなぁ。と言う。恵里菜は、「心配じゃないの?」と聞く。すると、「シンパイ?ああ、心配ね。心配しても、遺伝子の異常があれば、子どもは生まれられない。それだけだよ。」と言う。恵里菜は、「違う!私の心配!」と言うと、「ああ、でも僕たち、身体はもう大人と同じ機能は果たせるよ。」と全くかみ合わない。
恵里菜は、何とか安紀に自分と同じ混乱を味合わせたい、と思って、自分のお腹に安紀の腕を引っ張って触らせ、「ねぇ!安紀くんの子どもがここにいる。安紀くんが学校にいる時も、塾で勉強をしている時も、何をしている時も、私の身体の中にいる。どう思うの?」と、聞くと、安紀は、「何が言いたいのか分からない。そういうものでしょ?いちいちそんなことを確認して何になるの?」と困惑した顔で言う。




