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約束  作者: 梅子
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少子高齢化

「いやだ、行かない!」と、あっかんべーをしそうな勢いで言うと、安紀は、「どうして?」と、また、まっすぐな黒い瞳でみつめてくる。「どうして、じゃないよ!何で分かんないの!」と恵里菜が怒鳴ると、安紀は、首を傾げたまま、考え出した。そして、 「まさか、今さら怖気づいたの?それとも、妊娠してなかったら、嫌だなってそれが怖いの?」と、的外れなことを言う。恵里菜が、違うの!本当は子どもなんてほしくない!と叫ぼうとした瞬間、恵里菜の女友達が、割って入ってくる。「恵里菜!さっき大丈夫だった?保健室、行っとく?授業、サボれるよ!!まったく、いばけん(ボールをぶつけた男子)、恵里菜にボール当てるとか信じられないよね?…。わっ、何で安紀いんの?あれ~、2人また話してんの?えっ、まさか、本当に付き合ってるとか。いや、ない、ない!ない、ない!」

 恵里菜は、「うん、それは、ない!あと、いばけん、あんまり責めないであげて。だって、そーゆーゲームじゃん!」と、優しげな顔で言う。友達は、「あはは~でも、いばけんは、カースト下なんだから、恵里菜にボールはだめでしょ?」と言うと、安紀は、見下げたような顔で、「カースト…。」と繰り返した後に、「僕はどこに属してるの?」と聞いた。友達は、「いや、何勝手に話入ってくんの?まあ、いいや…。安紀は成績トップだから、カーストは、まあ、上から2番目くらい?」と、見定めるように言った。恵里菜は、「もうやめようよ、行こう!」と言うと、「そうだね、次、さすけ(社会の先生のあだな)の授業だ、私、絶対っ、寝る!」と、言って、二人で歩き出す。

 社会の授業中、ぼーとしていると、さすけに当てたれた。答えられない。「もう、お前ら体育で力使い果たしてんだろ?じゃあ、林に答えてもらうぞ!」さすけは、安紀を指名した。「少子高齢化による、一人あたりの納税額の増大。」「そうだ!よく分かってるな、さすが、安紀!」

 「少子高齢化」と、安紀が言ったことで、恵里菜は、ビクッとした。


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