挑発
受験は、容赦なかった。恵里菜は、出産するまで、余裕と言われていた学校に全て落ち、結局、康人を育てるために都合のよい通信制に入った。安紀は、県下トップの県立高校に入学した。恵里菜は、この圧倒的な差に不安を覚え、そろそろ1歳になる康人を余計に可愛がった。安紀は、部活もやらず、約束を守って、週に1度は必ず恵里菜の家に通った。恵里菜は、安紀が誰か他の女子と浮気するのでは?と思うと、早く籍を入れたいと焦っていた。
恵里菜が「今日はそのまましようよ。」と言うと、安紀は、「どうして?」と言う。安紀の身長は、この数ヶ月で5センチ伸びて、声も少し低くなった。恵里菜が「赤ちゃんほしいの。」と言うと、「籍を入れたいからでしょ?」と、やはり変わらず言う。安紀は、恵里菜を触って、「ほら、ここまだ固い。康人を産んだ時に傷ついたんでしょ。」と言う。恵里菜は、「もう治ったって。」と言うが、「内臓の傷はそんなに簡単に回復するのかな。」と安紀は、恵里菜の下腹部を無遠慮に見ながら言う。恵里菜は、「いいから。」と安紀に馬乗りになる。安紀は、「だめだよ。」と言う。「どうして?」と聞くと、「石川さんが、お腹の子と死んだら、僕は、どう見届ければいいの?」と、困惑した顔で言う。恵里菜は、少し自分の特別さを確認した思いで気が緩み、「そうやって、いつまでも籍を入れないつもりでしょ。いいよね、安紀くんは。お嫁さん候補が、学校にはいっぱいいるでしょ。」と言う。安紀は、「僕は、結婚はしないし、これ以上、約束は増やさない。」と言って、馬乗りの恵里菜をはじき飛ばして、今度は自分が馬乗りになる。
安紀は、なかなかどかない。胸も触らない。恵里菜が、「どうしたの?」と言うと、安紀は、「僕の生活を勝手に妄想して、変なことを言うのはやめてよ…。不愉快だ。」という。恵里菜が「ごめん。」と言うと、「僕が他の女子と約束することはないよ。分かるでしょ?2回目に意味はないから。」と言って、恵里菜を抱く。「重い。」と恵里菜は思う。




