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搾取
母親は、「もう、いや!やめて!」とそのまま、保健室を出て行った。保健室の先生も何も言わなかった。恵里菜は、ボタンを自分で閉め、母親の去った方へ、ふらふらしながら歩いて行った。
安紀は、前、会った時には、あんなには溢れなかったのに、と濡れた手を眺めて、今度は、もっと見させてもらおう、共有させてもらおうと本気で思って、手を洗っている。
恵里菜は、それから3日続けて学校を休んだ。母親は、恵里菜を家に閉じ込めた。康人からも遠ざけて、泣く恵里菜に、「えりちゃん、あなた、疲れすぎてる。休んで。えりちゃん…。」と、閉ざしたドアの外から言う。
そんな時にも、やっぱり安紀は平気な顔でやってくる。母親が、「恵里菜は、体調が悪いから帰って!」と言っても、「僕は恵里菜さんから直接そう聞くまで、帰るつもりはありません。」と、強引に入ってくる。
外から部屋の鍵を開けると、不思議と顔色が回復している恵里菜がいて、「安紀!」と嬉しそうに言う。安紀は、「今日は順番を逆にして、康人より先に、石川さんにするけどいい?」と言って、着いて早々、恵里菜の胸元に顔を寄せる。「甘いね。」と安紀は、言った。




