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ずっとあなたを想ってます〜両親を亡くした公爵令嬢は幼馴染の第二王子に溺愛されます〜  作者: りさ
3章 知らないままではいられない

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EP.022

あれからしばらくして、私はマリアンヌと二人でお茶会を開いていた。


「…え?フラテリーニ侯爵家のことを知りたい?」


マリアンヌが驚いたように目を瞬きする…


「そうなの。…あの、でもね、知りたいと言っても、事業とか、マリアンヌが知ってることを教えてほしいの」

「ロゼリア…なんか変なことに首突っ込んでないよね?」


できるだけ自然に伝えたつもりだが、流石の洞察力である。

無言で首を振り否定する私を、マリアンヌは怪しげに見つめてくるも、それ以上は踏み込まず、知っている情報を教えてくれた。


「確か、事業はロゼリアのお家と同じで仲介業?が中心って聞いたかな…。でも、ほとんど国内取引が主って話」

「…あ、あと、五年くらい前?に、養子を取ってたわね」

「え、養子?」


その話は初耳だった。

どうやら、ちょうど私があの家に閉じ込められた後くらいらしい。


「噂では、レオナルド殿下の婚約者に添えようとしてるって…ってごめん、こんな話…」

「私が聞いてるから大丈夫」


心配をかけないように即座に返事をする。


「…それに──レオン様とは、別に、今も昔も婚約者ではないから」


気にしていないといえば嘘になるが、この言葉が全てだった。

私とレオン様の間には、明確な名前がついているわけではない。ただの、友人と変わらない立場なのだ。


しかし、マリアンヌは優しいからなんとなく察してくれたのだろう。違和感のない程度に、手短にその話を切り上げてくれた。


「…そう?まぁ、あくまでフラテリーニ侯爵が張り切ってるって話だけどね。まぁ…その義理の娘のサラ様も、結構殿下にお熱とは聞いたけど」

「あぁ…」


レオン様は、普段はあんな感じだが、れっきとした王位継承権も持つような第二王子である。


(その辺り、本人はあまり興味がないみたいだけどね…)


そのため、どれだけ裏──親しい人間の前でぶっきらぼうな口調や言い回しをしていても、表に立つと、誰もが見惚れるような王子の顔をするのだ。


爽やかに微笑み、柔らかく言葉をつなぎ人々を惹きつけるその姿に、数多くの令嬢が胸を焦がし泣いているとの噂である。


「ただ…いや、う〜ん…なんていうんだろ…」

「何かあるの?」

「う〜ん…別に、変な意味はないのよ?私から見たら、他のご令嬢と接している時と大きく変わらないと思うんだけどね。…噂では、結構──レオナルド殿下とサラ様、いい感じって話らしいのよね…」


驚きはしたが、顔には出なかったと思う。

うまく隠せたと思う。


私が聞いた手前、ショックを受けたりするのは違うから。


「…そうなの。でも、まぁ、レオン様も王族だものね。早く結婚しないといけない年齢ではあるし、いいことじゃない」


自分でもおもろくほど冷静な声だったと思う。


本当は、この事件のために近づいているのではないか?

そうであってほしいと、心のどこかで思っている自分がいた。

けれど、真相を確かめる術は私にはなかった。


「まぁ、あくまで噂だからね!気にしなくていいと思うわ」


マリアンヌはそう言うと、小さく手を叩きぱっと表情を変えた。


「あ!そういえばね!そのフラテリーニ侯爵家が出資している商会が王都にあるらしいの」

「商会?」

「うん。うちの国の特産品とか、その土地に特化した雑貨とか色々扱っているらしいの。お買い物がてら、気になるんだったそこに行ってみたらどう?」


マリアンヌが提案してくれたこの情報も、私にとっては初めて聞いた話だった。

流石に私一人で出かける許可は降りないだろう。


(アンに相談してみようかな…)


少し買い物に行き、ちょっとお店を見る。

まさか、その程度の気持ちで決めたお出かけが、後にあんな事態に繋がるとは、この時の私は知る由もなかったのである。

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