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第18話 エリシャ、北王国の終わり、そしてヨブ

エリヤの後継者エリシャの時代を経て、北イスラエル王国は終わりを迎えます。

そして少し時代を離れ、ヨブ記へ入ります。

旧約聖書でも屈指の重い問いです。人類、たまには真面目に苦しみます。


第九章 ~ エリシャと、北王国の終わり ~


エリヤの後継者はエリシャだ。


エリヤが炎の戦車に乗って嵐の中を天に上げられた時(旧約聖書のキャラで死なずに天に去ったのはエリヤと、もう一人はノアより前の時代のエノクだけだ)、エリシャはその場にいた。


「エリヤよ、エリヤよ! イスラエルの戦車よ、その騎兵よ!」


空の彼方へ消えていく師匠を、エリシャは見送った。


マントが落ちてきた。


エリシャはそれを拾い、ヨルダン川を打った。


水が分かれた。


渡った。


エリシャは師匠の仕事を引き継いだ。


エリシャも多くの奇跡を行ったが、その中でも印象的な話がある。


アラムの将軍ナアマンは強い軍人だった。しかし皮膚病を患っていた。


部下の一人に、イスラエルから来たヘブライ人の少女がいた。召使いとして働いていた。


少女は言った。


「奥様、旦那様がサマリヤの預言者のところに行けば、きっと癒してもらえると思います」


ナアマンはその話を王に伝え、手紙を持って出発した。


エリシャのもとに着いた。


エリシャは出てきもしなかった。


使いを出して言づけた。


「ヨルダン川に行って七回身を浸しなさい。そうすれば癒される」


ナアマンは怒った。


「もっと丁寧に迎えに来て、神の名を呼んで傷の上に手をかざして治すものだと思った! うちの国の川の方がずっとよいのに、なぜイスラエルの川で洗わなければならないのか!」


怒り狂って帰ろうとした。


部下たちが言った。


「将軍、もし難しいことを言われたならやりましたよね? ただ『洗いなさい』と言われているのに、なぜやらないのですか」


ナアマンは黙った。


ヨルダン川に行って七回身を浸した。


皮膚が子供のようにきれいになった。


ナアマンはエリシャのもとに戻った。


「世界のどこにも、イスラエルの神のほかに神はいない。どうか贈り物を受け取ってください」


エリシャは断った。


「わたしが仕える神の命にかけて、何も受け取らない」


ナアマンは言った。「では土をラバ二頭分だけください。これからはイスラエルの神にだけ捧げ物をします。ただ一つだけ許してください。王が礼拝する時にわたしも一緒にひれ伏さなければなりません。それだけは許してください」


「平安に行きなさい」


これほど単純でいい話がある。外国の将軍が、異国の少女の言葉と、部下の常識的な一言と、川で七回洗うという単純な行動で、イスラエルの神を信じるようになった。


それから百年ほど後、北イスラエル王国は終わりを迎えた。


アッシリアという大国が侵攻し、北の十部族は連れ去られ、散り散りになった。


歴史の表舞台から消えた。


「消えた十部族」は今日でも謎のままだ。


どこへ行ったのか。世界のどこかにその子孫がいるのか。


旧約聖書はこの問いに答えない。ただこう記す。


「イスラエルは神を捨て、他の神々に従ったので、こうなった」と。


第十章 ~ ヨブ ~ 理不尽な苦しみと、答えのない問い ~


ここで少し時代を離れ、旧約聖書の中で最も深く、最も難しい本の話をしよう。


ヨブ記だ。


ヨブは完全で正しく、神を恐れて悪から離れる人物だった。豊かで、子供も多く、何一つ欠けていなかった。


ある日、天の御座のそばで、神と「サタン(試みる者)」の間で会話があった。


「お前はどこから来た」


「地を歩き回り、行き来してきた」


「わたしのしもべヨブを見たか。地上に彼ほどの者はいない」


サタンは言った。


「ヨブが神を恐れているのは、神が守っているからでしょう。豊かで何不自由ないからです。財産を取り上げれば必ず神を呪います」


神は言った。「やってみなさい。ただし、本人に手を下してはならない」


ある日ヨブのもとへ次々と知らせが来た。


家畜を奪われた。


別の家畜を奪われた。


すべての子供が死んだ。建物が崩れ落ちたのだ。


ヨブは服を裂いて頭を剃り、地にひれ伏して言った。


「わたしは裸で母の胎から出てきた。裸でそこに帰る。神が与え、神が取られた。神の名はほむべきかな」


罪を犯さなかった。神を責めなかった。


サタンはまた言った。


「本人の体を打てば必ず呪います」


神は言った。「本人の命だけは取るな」


ヨブは頭の天辺から足の裏まで、ひどい腫れ物に打たれた。


灰の中に座って素焼きのかけらで体をかきながら座っていた。


妻が言った。


「まだ誠実さを保つのですか。神を呪って死になさい」


ヨブは言った。


「あなたは愚かなことを言う。神から幸いを受けたのだから、苦しみも受けなければならないのではないか」


三人の友人が見舞いに来た。


あまりの苦しみを見て、七日七夜、何も言えなかった。


八日目からヨブは苦しみをぶちまけた。


「なぜ生まれたのか。なぜ苦しまなければならないのか」


友人たちは次々と言い始めた。


「お前が罪を犯したから苦しんでいるはずだ」


「どこかに悪いことがあるのだろう。認めてしまえ」


「もし神の前で潔白なら、神はきっと助けてくれる」


これはある意味で「普通の常識」だ。苦しんでいる人を見て「何か悪いことをしたんじゃないか」と思うのは、自然な反応だ。


しかしヨブは言い続けた。


「わたしは何も悪いことをしていない。それでもこうなった。なぜか説明してくれ」


友人たちは「お前の言い方が高慢だ」と責めた。


ヨブは「弁護者として神が現れてくれ」と叫んだ。


長い議論の末に、神が嵐の中から現れた。


だが神はヨブの問いに直接答えなかった。


「わたしが地の基を据えた時、どこにいたか。海の源をどこで見たか。光の住みかはどこか。暗闇のもとはどこか。お前にわかるか」


圧倒的な問いの連続だ。


ヨブは何も言えなかった。


「神よ、あなたのことを耳で聞いていましたが、今は自分の目でお会いしました」


そして神は、三人の友人に言った。


「お前たちはヨブについてわたしが語ったように正しく語らなかった。ヨブのところに行き、ヨブが祈ってくれるよう頼め」


これは驚くべき結末だ。


「苦しみは罪の結果だ」と言い続けた友人たちの方が、神の前では間違っていた。


「なぜ苦しむのか」と問い続けたヨブの方が、正しかった。


神は「苦しみの理由」を説明しなかった。


ただ「わたしはここにいる」と言った。


ヨブ記の答えは、問いに答えないことで出している。


「苦しみの理由はいつもわかるわけではない。それでも神はいる」


これが旧約聖書の中で最も深い書の、核心だ。


ヨブはその後、回復した。財産も増え、子供も生まれた。


「だったら最初の子供は?」という問いも残る。


旧約聖書は全部の問いに答えない。答えられない問いがあることを、正直に示している本だ。


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