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エーテルギフト~異能のデメリットに振り回されるオレ達~  作者: 甘井雨玉
1章

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第41話 強面アニキ


「電話で話を聞けばいいんですか?」

「いや、今から呼び出すわ」


 そんな急に呼び出して来れるのか?


 そう思いつつ男の様子を見守るとLINEで連絡したのか、特にどこかに電話することなくスマホを見ていた。


「15分以内にこっちに来るそうだ」

「分かりました」


 急に呼び出されたわりにはすぐ来れるんだな。


 男はその後、こちらをチラチラと見るだけで特に話しかけてきたりはしなかった。


 ただ落ち着きがないのかソワソワしていたが。

 まあ、オレらみたいな不審者が近くにいる状態で人を待つともなれば、その反応も分からなくはない。


 別に仲良くなりたいわけでもないので、こちらからも特に話しかけることなく待っていること15分弱。

 何故か4人の男が公園の入り口からこちらに近づいてきた。


 先ほどから男の様子が怪しかったのに、この状況で何も疑わずにのほほんとしてるわけがない。

 黒瀬学園長から警告もあったし、襲われる危険はもちろん考慮している。


 ちらりとナズナと柚乃を見るとこくりと頷いてくれたので、2人も怪しいと感じてくれているようだ。


「ああ、来たみたいだ」

「他にも人がいるみたいですが?」

「どうもダチは他のやつらと一緒に飲んでたみたいなんだが、他の連中もそのまま一緒に付いてきたんだと思うぞ?」


 疑問で返されたらこれ以上は聞けないな。

 分からないことを聞いても答えられないと言われるだけだし。


「おう、待たせたな。そいつらが例の奴らか?」

「ああそうだ」


 男がリーダーっぽい感じのいかつい男の問いかけに肯定して、リーダーとオレから少し離れた場所に移動した。

 ……戦闘になった時、巻き込まれないように安全な場所に動いたのか?


「おい、一応聞くが、お前らが頼みごとを聞いてくれるって噂の奴らでいいよな?」

「噂はともかく、頼み事は内容次第ですよ。なんでもやるわけではありません」

「分かった分かった。じゃあ付いて来い」

「どこに?」

「どこでもいいだろうが。こんなところで立ち話もなんだろ?」

「あいにくと、知らない人に付いていく気はありませんよ」

「はあ? 見ず知らずの人間の頼み事を聞いて回る不審者みたいな奴らがそれを言うのかよ」


 それを言われると返答に困るな。

 とはいえ、ほいほい付いて行って逃げられない場所に連れ込まれるわけにはいかないしな。


「ここなら人気もありませんし、頼み事の内容くらいはここで話してもいいんじゃないですか?」

「ちっ、仕方ねえな……」


 リーダーの男が渋々といった様子でポケットからスマホとなにかの道具を取り出してきた。


 やはり仕掛けてくるのか?


「おう、お前ら見てるか! 〝ドンキーズ〟だぜ!

 巷で噂の頼み事を聞く集団に遭遇したから、今から話を聞くことにしたぜ!」


 ………………なにしてんだ?


 スマホと一緒に取り出した道具は、手ブレをしないための装置(名前なんて言うんだあれ?)で、スマホにくっつけたと思ったら、なんかスマホに向かって何かわけのわからん事をしだしたぞ。


「あんたらは〝ドンキーズ〟を知ってるか?」

「いえ、さっぱり」


 オレは2人に視線を向けると、2人とも首を横に振っていた。


「うっ……一応フォロワー4万人のユーチューバーなんだが、本当に知らない?」

「「「はい」」」

「ちくしょう……」

「「「ア、アニキーーーー!!」」」


 リーダーの男が膝をついて嘆き始めたが、本当になんなんだこいつら。


「あーすまん。こいつらは俺の友人なんだが配信者をやっていてな。

 最近伸び悩んでるみたいだったから、あんたらが配信に協力してくれれば少しは伸びるんじゃないかと思って呼んだんだ」

「………………じゃああなたがさっきからソワソワしていたのは?」

「いや、フード被ってる集団に囲まれたら誰だって落ち着かないと思うが……」


 それはそう。


「ちなみにさっきあの人が私達と話そうとした時にあなたが距離をとったのは?」

「動画を撮る可能性があったから、部外者の俺が映らないようにするためだな」


 黒瀬学園長から警告があったから、オレを捕まえに来た人間かと思って身構えちまったじゃねえか。


「僕(・)らの知名度が低いのはこの際いいとして、インタビューしたいんですが受けてくれません――じゃねえ。くれねえか?」


 膝から崩れ落ちていたリーダーが復活して、オレに取材交渉をしてきたが、今喋り方がおかしくなかったか?


「アニキ、いきなりボロ出さないでくださいよ」

「強面アニキキャラでいこうって決めたのアニキじゃないですか」

「普段からキャラ作ってキャラぶれしないようにしてるのに、いきなりそんな見せ場作らなくていいですから」

「お、お前ら適当なこと言ってんじゃねえ! 俺は強面アニキキャラじゃなくて強面アニキなんだよ!」


 いかつい風貌に似合わず、一人称が『僕』で丁寧な口調で話そうとしてしまったところを見るに、素は物腰が低い人なのかねえ?


 それはともかくインタビューだったな。


「申し訳ないがインタビューは断らせてもらいたい」

「どうしてもか?」

「あまり人に知られたくはないので」

「今動画用に撮ってるところなんだが、声は加工するし姿も足元だけならどうだ?」

「配信、つまりリアルタイムでなく、こちらの素性も分からないようにするということですか」

「ああ。その辺は配慮するんだが、どうしてもダメか?」


 まあこっちの素性が分からなくなる分には問題ない、か?

 ただそれだと別の問題が発生するだろ。


「でもそれだと、私達が噂の人物か分からなくないですか?」

「うっ、そうだよな……」


 足元しか映さず、声も加工するならやらせを疑われるだけだろう。

 だから諦めて――




 ――ブオンッブオンッ!


 なんだ?




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