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エーテルギフト~異能のデメリットに振り回されるオレ達~  作者: 甘井雨玉
1章

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第28話 同好会


 ナズナの意見を聞き、翌日の放課後から早速どんな部活があるかを見て回ったのだが、あまりにも数が多い上に変なのが多かった。


「野球部とかサッカー部とか鉄板なのは当然あったが、そういうの以外で変な部活多すぎないか?」

「部活というか同好会でしたね。正座同好会って誤字じゃなかったのには驚きました」

「星座同好会なら天文部があるだろうと思ったら、まさか茣蓙(ござ)の上で正座して各々好きな事をする活動とは思わなかったわ」


 なんでわざわざ茣蓙(ござ)を使っているのかはよく分からなかったし、もう同好会でする意味も分からん活動だった。


 無言交流同好会、ゆっくり動作同好会、すだれ鑑賞同好会、気配観察同好会、石ころ同好会などなど。

 1人だけで活動している同好会も多くあり、「これ、学園でやる意味ある?」と思うようなものが多かった。


「たとえ1人でも申請さえすれば同好会として認められるとか、この学園頭おかしくないか?」

「デメリットが関係……あるんでしょうか?」


 大半はないんじゃないか?


 この学園は無駄に広く、部活専用の棟があり部屋はある程度空いているとはいえ、さすがにどんな活動にも部屋があてがわれるわけではなかった。

 いくつかの活動は1つの部屋を共有で使っていたりもしたのだ。


 ただ、ギター同好会、ベース同好会、ドラム同好会、キーボード同好会は1つにまとまっとけ。

 なんで1つの部屋なのに分かれてんだよ!?

 もうセッションして軽音部でいいだろうが!?


「本当に変な活動が多いな」

「しかし肝心の隠れ蓑になりそうなものは見つかりませんね」


 数が多すぎて見つからない、というのはある。

 ただし見つかったとしても問題もあるんだが。


「こんなにも何やってるんだと思うような活動が沢山あって、こんだけ探しても見つかっていないことを考えると、仮にあったとしてもその同好会の知名度が無くて目的が達成できないんじゃないか?」


 仮にお悩み相談同好会みたいなのがあったとしても、今のところそんな活動の存在を知らない以上知名度は無いに等しいだろう。

 そんな所に入ったところで、悩みを相談する人間がそこに来ないのであれば入る意味はない。


「これは困りましたね」

「こういう時、じゃあオレ達で同好会を作ろうみたいな事になるんだろうが、変な同好会が多すぎて埋もれて終わるだけだろうな」


 お悩み相談同好会的なのを作って必死に宣伝したとして、ろくに話した事もない同じ学園に通っているだけの人間に相談しに来る人は、そう多くはないだろう。

 もし相談するにしても家族や友人、先生とかの方に行くだろうしな。


「では一人一人に何か悩みは無いか聞いて回ったりしますか?」

「もうそれしかないか?」


 悪目立ちしそうだが、「お、俺の右腕の封印が……!」とか言ってる、デメリットが明らかに【中二病になる】というのがそれなりにいるので、多少変な奴だなと思われる程度だろう。

 ちなみに【中二病になる】というデメリット持ちの中にはガチの中二病もいそうだが、何人かは間違いなくデメリットだ。涙目になってたし。


 中二病はともかくとして、問題は願いを聞いて回る際の隠れ蓑にするためのものがなく、勘のいい奴ならオレの能力やデメリットがバレる危険があることだ。

 もしかしたら〝他人の制約1〟の【他人に[願望成就]のデメリットを伝えられなくなる】のせいで、何故かある事を口にしようとすると話せない! となる奴が出て、感づかれる危険があるのだ。これでは何の意味もない。


「都市伝説とかになるの覚悟で、夜にでも正体を隠しながら願いを聞いて回るしかないか」

「そう聞くと、もはや何らかの妖怪みたいですね」


 夜な夜な願いを聞いて回る妖怪ってどんなだ。


「妖怪呼ばわりは微妙だが、仮にそう噂をされても、幸いここの街には都市伝説がいくつもあるから、そこまで話題には上がらないだろう」

「眉唾物の都市伝説がいくつもありますからね」


 とあるビルの屋上に行くと能力を別の誰かの能力と交換できるという噂。

 街に時々落ちている〝未来のメモ〟は、未来視能力者が書いたものだという噂。

 人の中に〝ワービースト〟が紛れ込んでるという噂。

 深夜の路地裏には声をかけてはいけない女性がおり、うっかり声をかけるといつの間にか朝になってるという噂。

 などなど。


 いや、最後のは何だ? それ都市伝説なのか?

 ただの酔っぱらいが看板か何かを女と見間違えて声をかけた挙句、そのまま泥酔したのを大袈裟にしただけじゃないのか?


 まあとにかく、そんな都市伝説がアホみたいにあるのだ。

 そこに願いを聞いて回る都市伝説が混ざったくらいでは、さほど目立たないはず。


「都市伝説の1つになるのはいいとして、あまり噂になるようだったらこの手も無しだな」

「そうですね。情報収集だけは怠らないようにします。

 それで、いつから決行しますか?」

「今日からだ。昨日ナズナの願いを叶えたとはいえ、正直願いを叶えたい衝動は感じるからな」


 いくらオレが願いを叶えたくなくても、この衝動が大きくなり過ぎたらさすがに耐えきれないからな。

 くそっ。研究所にいた時の方が衝動を抑えられたとか、やってられねえよ。



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