↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪役(の僕)なら法に触れない限り怠慢は働きません故(黒笑)  作者: 旧プランクトン改めベントス
パンケーキ~層を重ねる度に増える贖罪(食材)~
16/71

14 ロスの可能性

(前回のあらすじ)


追加されたあとがきにより、アルバンはそこまで美形ではない事が判明してしまった。

(別にアリーシアと結ばれる男じゃないんだし実質DQNに気を遣う必要は無いbyフォンテ推し)


ケルベロスの攻撃に耐えたのでアルバンの虐待ターンが開始しそう。

 「…ケイ、ルベ、行くんだぞ。」


 意外にも、1番早く腹を決めたのはロス君だった。アルバンに散々イジられて泣かされた彼が…。


 「え、でもフォンテ様は出なくても良いって」

 「盾にすらなんないかもしれないんだぞっ?」


 「確かに俺だって怖いんだぞっ!あいつは物壊すし、嘘つきだし、意地悪言うし、すっごく悪いやつなんだぞ。だから多分すっごく痛い事してくると思うんだぞ。」


 「ロス…」

 ロス君はフォンテさんをちらっと見てまたアルバンに向き直った。


 「だけど…あいつ程すっごく強いやつも多分いないんだぞ?フォンテ様や兄貴たちがそう言ってたのだ。」


 「分かってるって!強いからこそ、俺達が受ける必要はないんだぞっ!」

 「そういう話をしてるんだぞっ!」


 「なあロス、無理はしなくて良い。アルバンの事は俺が説得しておくから、な?」

 ケイ君とルベ君が言い返した所でフォンテ様が慌てて仲裁に入った。


 「じゃあ、ケイとルベはそこにいるのだ。フォンテ様、分解したいのだ。俺だけでも受けにいく。」

 「えっ?!」


 私達が驚くが、ロス君の顔は真剣だ。


 「ほう?」

 アルバンが悪役の笑顔を少し和らげて愉快そうに微笑む。掌から炎が消えた。


 「…俺達は今まで、先代様やフォンテ様そして兄貴たちみたいな強いやつを見て頑張ってきた。だから、アルバンが見せてくれる手本からもいっぱい学んで強いブレスを吐く中ボスに絶対なるのだ。ケイとルベが嫌だって言うなら、俺だけでも良いのだ。」


 「フォンテ、ロスだけが強くなって使いどころに困ったらお嬢様のペットとして飼って差し上げるので、良いじゃあないですか。」

 「…誘拐も拉致も譲渡も売却も考えてないからな。」


 良い所で茶々を入れないの。


 「アルバンはさておき…ロス、本当に良いのか?俺は、ここでアルバンの攻撃を受けなくても中ボスのポストをすぐ替えるような事はしないから気にするな。」


 「そういう事じゃないのだ。俺は少しでもあいつぐらい強くなってフォンテ様と兄貴たちと一緒にここを守りたいのだ。」


 「攻撃が当たる前に体が吹き飛ぶかもしれんぞ。それでも良いんだな?」

 フォンテさんが優しく聞く。


 「怖くないのかっ?」

 「怖いと言えば嘘になるんだぞ…でもっ、怖いからって強さを諦める事は出来ないんだぞ。」

 ロス君…。


 「そうか…そこまで言うなら俺はロスを信じる。やられて来い。」


 フォンテさんが言うと、ケルベロスは解体して3匹の子犬になった。

 1匹がアルバンの前に飛び出した。すると、あと2匹も追いかけて来た。


 「来たのか?」


 「俺達も強くなるのだっ!」

 「お手本、見るのだっ!」

 強いな…つい数分前までアルバン(の煽り)に泣かされていた子達だとは思えない。


 「アルバン、頼んだ。」

 フォンテさんがアルバンに頭を下げると、後ろの人狼の人達も同じように頭を下げた。

 何か感動してきた。


 「そこまで頼まれちゃあ断りませんよ、こっちだって鬼ではないものでね。」

 「アルバン…」


 私が見上げると、彼は微笑んだ。


 「お嬢様、しばしお待ちください。彼らを指導いたします。」

 「ふふ、良いですよ。」


 そういう事なら。


 「…よし、3人ここに並んでください。」

 「こうか?」


 揃ってアルバンを見上げる子犬たち。可愛い…。


 「ブレスを吐く時は、放ちたい方向に対して顔はこう向くんです。」

 アルバンが頭の向きを調整する。


 「先代様は違う向きで吐いてたぞ?」

 「真似する限りは先代を超えられませんよ。」

 「分かったんだぞ。」


 「次に、ブレスの強さ調節をするんです。どこで弱く、どこで強くなるかをイメージして出します。魔力量は限られていますので、相手に届くまでは弱くなるようにして当たる直前に強くしたら同じ魔力量で大きなダメージを与えられます。自分に角が向いた三角形のイメージです。」


 アルバンが私に向かって赤紫色の炎を放った。

 バリアしてるからってねぇ…もう。


 「はい、3匹ともお嬢様に向かってどうぞ。」

 「い、いくのだっ!」


 3匹の妖犬が私に向かってブレスを吐く。少し青みが増している気がする。


 「火力…上がりました?」

 「上がったのだ!」


 「おお~っ!」

 人狼の人達から歓声が上がる。


 だが、アルバンは舌打ちした。


 「…下手クソすぎませんか。」

 え?


 「火力というのは温度だけじゃないんです、分かります?」

 「えっ、まだ何かあるのか?」


 「温度だけで殺せる程の雑魚なんてここには来ないでしょう?」


 確かにB級ダンジョンに来るとなれば、アルバンみたいにあり得ないぐらい堅いとか、私みたいにバリアを張れるとか、フォンテさんみたいに体力が高い冒険者ばかりだよね。

 そしたら温度を上げた炎で焼き切る事はちょっと効率が悪いかも。


 「じゃあ、どうすれば良いのだ?」


 「先ほどの3匹からは本気でお嬢様を殺る気概を感じられませんでした。ロス、先ほどの言葉は嘘ですか?あなたの方が嘘つきではありませんか。」


 私を本気で殺るって…従者の言葉じゃないな。


 「真面目に言われた通りやったんだぞっ!」

 「じゃあ何なんですか、あの情けない攻撃は!私の手本をよく見てください。子供でも分かるぐらい極端にやって差し上げますよ。」


 アルバンがフォンテさん達の方を見た。


 「ん、お前達、下がっていろ。」

 「はっ、はいっ!」


 「俺が『良い』と言うまで、絶対にアルバンと目合わせるんじゃないぞ。」

 フォンテさんが前に進み出た。


 「まず、私が極端な手本を見せます。半分ほど真似できたら良しとしましょう。」

 アルバンがフォンテさんに向かって目をかっと見開いた。


 「最初は威嚇から入ります。今からお前を殺すぞ、という意思表示です。相手の目を見据えて、魔力または気を生み出す場所…3匹は魔生物だから魔力器官ですね、そこにぐっと力を入れて何かしら言葉を言います。言霊ってやつですね。」


 「例えば何を言えば良いのだ?」

 「そうですね、仮にロスがフォンテに練習として威嚇したとしましょう。」


 アルバンがすうっと息を吸った。あ、何か嫌な予感…。


 「『フォンテ!お前をぼっこぼこにしてやるのりゃっ!』」

 「ここでふざけないでほしいの」  「りゃww」


 やめてあげて。


 「…ごめんなさい、本当に。」

 私が謝るとフォンテさんは「いや、良いぞ」とかフォローしてくれると思ったんだけど…。


 「頭、頭っ?」  「大丈夫っスか?」

 「…かなりクるな。加減はしてくれたんだろうが、ヤバイな。」


 フォンテさんはそれどころじゃなかったようだ。構えていたから大丈夫かなと思ったんだけど。


 「ん~、やりすぎましたかね。」

 「…大丈夫だ。」


 「とにかく、威嚇の効果は分かったでしょう?ああいう風に相手をぐっと押さえつける事が出来るんです。その隙をついて攻撃するも良し、何かしら策を講じるも良し、合体するも良し、とにかく戦闘を有利に進められます。演出としても最高ですね。」


 「なるほど!」

 3匹が目を輝かせる。


 「じゃあ、アルバンにも効くのかっ?!」

 「効きませんよ。これは実力が自分より上の相手には効かない事がほとんどです。だからあなた達がお嬢様に威嚇をした場合も効きやしません。でも、形だけでもやってほしいのです。」


 「お姉さんはそんなに強いのだ?」

 「私の本気の攻撃を受けて無傷でいるようなお方ですよ。今回は私の用事にお付き合いいただいているので私がほぼ立ち回っているだけです。」


 いやいや…あれは力の1割も出してないでしょ。


 「さあ、お嬢様に威嚇するのです。言霊の力を利用すると、威嚇が効きやすくなります。つまり、言葉を選べば格上の相手にもたま~に当たるんです。さあ1匹ずつ、私の言う通りに復唱してください。」


 アルバンが言うと、3匹ともふんすっと鼻を鳴らした。可愛い…。


 「ケイ!『世界一美人なお姉さん、ナデナデしてほしいのだっ!』」

 え?


 「何言わせてるんです」

 「世界一美人なお姉さん、ナデナデしてほしいのだっ!」


 あっ…可愛い。

 「き、効いてるのだ!」


 「連続威嚇で稼ぎましょう、ルベ!『ぎゅってされても、懐かないんだからなっ!』」

 「ぎゅってされても、懐かないんだからなっ!」


 ツンデレぇ…!

 「おっ、効くんだぞ!」


 「ロス、全てはお前にかかっています!」

 アルバンがロス君に何か耳打ちした。ロス君はうなずいて、私をじっと見上げた。


 「ありすっ!おっ、おねえたまって呼んで良い…?」


 あっ…これは…!


 「良いですっ、良いですよっ!」


 バリアを解いてロス君に向かう…けど、視界のほとんどを赤紫色の何かが覆った。慌ててバリアで防ぐ。


 「良いぞ、お前達!」

 フォンテさんの声で気付いた。3匹がバリアの開いた瞬間にさっきのブレスを吐いた事に。


 危なかった…。


 「え~このように、言霊を乗せる言葉によっては格上の相手にも威嚇が効きます。」

 「アルバン、汚いですよ!」


 「脳筋共の裸やショタのハニトラに引っかかった事へのお仕置きをするのも従者の務めです。」

 「誰が脳筋だ!」

 フォンテさん…それ自爆してるようなものですよ。


 「お嬢様、何ですかその目は。」

 「私、フォンテさん達の裸とかハニトラになんて引っかかっていません。」


 「あっ、じゃあズボンを初期位置に戻してもらいます?」

 「それはやめてください。」


 アルバンは大げさに両手を広げた。


 「あ~あ、脳筋であんなに興奮されるんだったら、私も次から上半身裸にネクタイを締めてジャケットを羽織っただけで出勤しましょうかね。」

 「それもやめてください。」


 阻止せねば。


 「アルバン、それはやめておけ。想像したがなかなかおぞましいぞ。」

 フォンテさん…想像しちゃったんですね。


 「今まさに自分たちがその格好である事についてはどのようなお気持ちでしょう?」


 「いや、お前はすぐ素肌を晒す事になるが、俺達は毛皮をはさんでいるだけセーフだろう?」

 「毛深い男はあまり女性に好かれませんよ。」


 お腹側はそうでもないよ?腹筋を始めとする筋肉がすごいだけなのかもしれないけど。


 「アルバンが俺達に対して何かしらマウントをとりたいのは分かった。」

 フォンテさんがそう言うと、アルバンは満足そうにうなずいた。


今回の某19歳は大人しく、お利口でした。

だから名前は出しません。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。