お仕立て セレモニードレス その8
サブタイトル修正しました。
「ただいま~、遅くなったよ」
サラの馬車から食べ物を運び、家の扉を開けるとふわりとカボチャの香りがした。
「リゼ姉、おかえり。スープできてるよ。時間あったから裏ごししといた」
裏ごししてくれたってことは、滑らかなポタージュスープ!
思わず黄色くて甘いなかに塩気のある味を思い出してしまいぐうっ、と、お腹がなった。
ポタージュスープは、裏ごしが面倒なんだよね。毎回ぽくぽく少し身が残っちゃうけど、皮を外してフォークで潰すだけのお手軽にしちゃうのは私です。
それをわざわざ裏ごししてくれるなんて、嬉しいなあ。
匂いに釣られるように台所に向かう。
胸に抱えるように持って帰ってきた食材も重いし、台所の台に下ろした。
「町まで行って貰って助かったよ。スープとパンだけじゃさもしい気分がしてくるしさ」
「さも…?」
私なんかよりずっとお勉強のできるリトはたまに難しい言葉を使う。さもなんちゃらってなんだ。
普段使う言葉か?
考えを巡らす私を横に、がさがさリトは袋から食材を取り出す。
まずは保存が効きやすい玉ねぎ、イモ類。
つぎは保存は効かないけど干しちゃおうと買ってきたトマトとキノコ。
缶詰入りの肉や魚、それと以外に保存が効く卵。
リトから野菜が枯れたと聞いていたけど、そのあとサラから卵も取れなくなってると聞いたので、少し保存が効くものを多めにした。
それにまだ生ハムあるしね。お姉ちゃんもカイさんもいないし、消費スピード落ちちゃうから悪くしないようになにか手を考えねば…
「リゼ姉、疲れてると思うから休んでてよ。あと一品作って食事にするからさ」
ボーッとしてしまった私をみて、リトが心配そうに覗き込む。
「あ、大丈夫…だけど、料理はお任せしちゃおうかな。私代わりにカトラリーとか用意するね」
「生ハムじゃなくなるけど、あれ、厚めに切って串焼きにするよ。準備したら座って待ってて」
そういうと、リトは調理を始めた。私はカトラリーを用意して台所を後にした。




