表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
24/99

お仕立て セレモニードレス その7

 ガタガタガタガタ

 暗い中を馬車が進む。辺りは真っ暗で、夜空に星が瞬いているのだけがくっきりわかる。

 今日はまだ、月が出てないらしくて辺りは暗いままだ。

「いやー、帰りは快適ねえ」

 伸びながらサラが言う。サラのスカートの上、ひざもとにはさっき私が縫ったバスタオルがある。

「さ、寒くない?結構夜冷えてるよ?」

 私はガタガタしながら手足を縮ませる。

 お医者様のマリウスさんと別れたあと、私はサラに馬車に押し込まれ村に帰るところだ。

「そんなに冷えてませんよ?風邪でもひきましたかい?」

 馬車を運転するお兄さんまで首を捻って私を見る。

 えー、寒いの私だけ?

 早く帰ってリトにお願いしていたカボチャ食べたい!リトの事だから、きっとスープでも作ってくれてる!

 あ、でもグラタンでもいいかも…

 思わず頭の中にカボチャで作られたスープから、グラタン、ニョッキまでイメージしてしまいよだれが出そうになる。


「お、おおーい!まだ馬だめか?」

 ゆっくり馬車が止まり、私の頭の中から食べ物が霧散して消えた。辺りを見渡すと、暗いけど人がいる。

 さっき赤ちゃんのお母さんとあったところだと思い出した。

 ひょいっとサラが馬車から降りる。

「サラ?」

「お嬢さん?」

 なにやらしばらく話していると、サラはしゃがみこみ、馬にバスタオルを掛けてあげてから戻ってきた。

 サラは馬車に乗り込む。

「さてと、先いこう。村に帰ったら、また町にとんぼ返りしないといけないからさ。

さっきの赤ちゃんの様子も気になるし。お父さんの方にも話しとかないとね」

 あ、そうか。…赤ちゃんが元気になるのかはまだわからないのだ。

 点滴された赤ちゃんの様子を思い出すだけでも痛々しい。

 視線を感じ、顔をあげるとサラが私の顔を見てる。と思ったら、いきなりほっぺたをむにゅーっ!と引っ張る。

「ひ、ひひゃい!」

「なにしんみりしてんのよ。私の考えが当たったら、赤ちゃんは元気になるし、あんたはめちゃくちゃ忙しくなるわよ」


 月が姿を表し明るくなった頃。

 ガタガタしながら馬車は村に入った。

 サラはまた、馬車に突っ伏している。…さっきまでピンピンしていたのに変なの。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ