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プレゼントの小さな馬


 エルハルトが城の前の広場で馬車の用意をしていると、そこへブリューハントが先導するブルグントの一団が通り掛かった。


「おはようございます。もう馬車の用意ですか?」


 エリーザベトがエルハルトにそう声を掛けた。


「おはようございます。馬の足も遅いので、早めに出ようと思います。多ければ乗る人数も六人になりそうですし」

「そんなに! 一頭立ての馬車では厳しいですわね」

「まあ、みんな軽いですから」

「山道もありますから、降りて押す場所も出て来る事でしょう」

「その件では、ピエールさんにひとつお話ししたい事が。ピエールさん」


 エルハルトがそう言うと、ピエールがやって来て言った。


「何なりと」

「そちらの馬車にはクヌフウタさん達二人は乗って行けますか?」

「こちらの馬車に? 乗れない事も無いんですが、王女を狭い思いをさせる訳にも行きません。王女は後部席でお一人になるので、隣に一人くらいなら乗れますが、大人二人だと厳しいですね。ここだけの話、少し匂いの事もあるそうですし……」

「やはりそうですか。では、こちらの馬車にクヌフウタさん達二人を乗せる方がいいですね。六人だと少し馬足は落ちるかもしれませんが、用心の為にはご一緒出来ると有難いのですが」


 オーギュストが呟くように言った。


「盗賊か……護衛して行こう」


 それを聞いていたエリーザベトが言った。


「そういうことでしたら、こちらで一つ馬車をお出ししましょうか?」


 エルハルトは目を丸くした。


「滅相も無い。そんな事をしたら戻るのが大変でしょう。こちらの馬車の方が乗り心地はいいと言って貰えましたし、少し遅くてもこれで行きたいと思います」

「そうですか……お力になれるといいのですが」


 そこへルーディックが言った。


「うちにある二頭立ての幌馬車を使って貰ったらどうかな?」

「そうですね。それはいいアイデアです」


 エリーザベトはルーディック流に賛意を示し、ブリューハントに幌馬車をと頼んだ。


「では、私達もそろそろ馬車をこちらへ持って来て準備をしましょう」


 そう言ってピエールとブルグントの一団は、馬車の準備へと向かった。

 しばらくするとブリューハントは衛兵を一人連れて、裏手の小屋から大きな幌馬車を出して来た。


「これです」

「これはいい馬車だ」


 その幌馬車はエルハルトの馬車より一回り、いや二回りも大きく、しっかりと四輪あって安定感もある。

 エリーザベトは言った。


「よろしければこちらを使って下さい。あまり使ってないので、そのまま返さないでいいですよ」

「しかし、ただというわけには……」

「今のこちらの馬車と交換で如何でしょう? 小さく畳めて省スペースですし、使うのは大量の買い物か、ルーディックが隠れて出かける時くらいですから」

「あれ? ばれてる? ほんの買い物だよ」


 ルーディックがブリューハントを見ると、家老は素早く目を反らした。


「おほん、もう一頭の馬もお付けせねばなりませんな。これはアルノルトへのお礼としては如何でしょう」


 エリーザベトは目を輝かせた。


「いいですね。こうして皆様にお知恵を戴きましたのもアルノルトさんのお陰ですし、まだしっかりとお礼を出来ていませんでした」

「ブリューハントさん。いいアイデアだ。けど……言ったね?」


 ルーディックの言葉に、ブリューハントは心苦しそうに「とても隠せません」と首を振った。

 エルハルトは二頭立ての馬車が素直に嬉しかった。そして跪いて言った。


「こんな立派な馬車にして戴きまして、それに馬の事までご配慮をありがとうございます。我が弟にも成り代わり、お礼申し上げます」


 エリーザベトは晴れやかに笑った。


「こちらこそ感謝しているのですよ。まだ足りないくらいです。エルハルトさんにも良い馬車を教えて戴きましたし、ご要望があれば何でも仰って下さいね」

「要望と言えるかはわかりませんが、もう一つだけ思う所があります」

「何でしょうか?」

「侵入者を捕まえた事について、アルノルトに感謝状を頂けましたらと。あんな怪我までして捕まえたのに、ブルグントのお客人への罪の免除と一緒に、弟の栄誉が消えてしまいそうですので」

「流石はご家族です。それは仰る通りですね。後日になりますが、作成してお送りします」

「有難き幸せです」


 そこへアルノルトとイサベラ、そしてアフラとマリウスが荷物を持って城門から出て来て、小さく手を上げた。


「兄さん、荷物持って来た。この後クヌフウタさん達を呼んでくるよ」

「そうか。まだそこのベンチにでも置いておいてくれ。さっきピエールさん達と話して、もうすぐ一緒に出る事になった。そう伝えてくれ」


 ブリューハントはアルノルトの腕を捕まえて言った。


「良いところに来た、大恩人。馬を選んで貰おう」

「え? 僕は修道院へ……」

「お主の馬になるんだ。自分で選ぶ方が良かろう」

「僕の馬って?」


 ルーディックが近くへ来て言った。


「これまでのお礼として、アルノルトに馬を一頭プレゼントすることにした。好きな馬を選んで来るといいよ。クヌフウタさんは僕が呼んで来るよ。姫のエスコートと案内も兼ねてね」


 歩き出すルーディックにエリーザベトがすかさず「私も行きましょう」と言い、一緒に歩いて行った。


「馬なんて高価なもの、貰えないよ……」


 そう言うアルノルトに、エルハルトが幌馬車を指差して言った。


「馬車をこの二頭立ての馬車と交換したんだ。馬が二頭必要だから、貰っておけ。釣り合いのいいのをな」


 アフラはそれを見て言った。


「大きな馬車に変わってる!」

「大きい馬車!」とマリウスは馬車に乗り込んで、中から幌を開けて顔を出す。

 アルノルトも馬車を覗き込んだ。


「いいね。そう言う事か。わかったよ」

「では、行こうか。馬を見る目が判るというものだ」


 ブリューハントはアルノルトの腕を引き、広場の端にある馬小屋へと連れて行った。

 石造りの馬屋には、十頭ばかりの馬が並んでいる。


「わあ、馬がいっぱいいる」


 後ろからはアフラとマリウスも入って来て、歓声を上げている。

 アルノルトは壁から地面まで石で囲まれた殺風景な馬小屋を見て言った。


「ここは地面が固くてかわいそうだね」

「うん? ウーリに比べればそうだろうな。好きな馬を選ぶがいい」

「兄さんの馬はかなり走れるいい馬なんだ。それと釣り合う馬はいるかな?」

「それはお主が見極めて選ぶんだ」


 アルノルトは馬を一頭一頭撫でて行った。殆どは大きくて気が強そうな馬ばかりだ。


「この子かわいい」

「かわいいね」


 アフラとマリウスは一頭の小さな馬を見て駆け寄った。

 そこにはつぶらな瞳で見詰めている細い馬がいた。アルノルトが撫でるとしきりに鼻を寄せて来る。


「この子は少し小さいな」


 アルノルトが言うと、ブリューハントが言った。


「まだ若いんだ。それに少し成長が遅いようなんだ。もしかすると、小さいままかもしれない」

「兄さんの馬とは釣り合わないな。大きさなら、こっちの馬がちょうどいいかな」


 アルノルトがさらに隣の馬を撫でていると、アフラは不満顔で言った。


「この子の方が目がいいわ。目で走りたいって言ってるわ」

「走りたいのか?」


 アルノルトが戻って細い馬に聞くと、そうだと言うように足を掻いた。


「この子判ってるみたい」

「賢いね」


 アフラとマリウスは馬を撫でてやった。

 ブリューハントは嬉しそうに言った。


「十分馴らすには若い方がいいかも知れないな。馬とは気が合う事も大切なんだ」

「みんな気に入ったみたいだし、この馬にしようかな。乗りやすそうだし。兄さんに怒られるかもだけど」

「気が合ったようだし、いいんじゃないか? 馬も相方に合わせて走るだろうさ」


 ブリューハントは馬を柵から出して手綱をアルノルトに手渡し、言った。


「たった今からお前の馬だ」


 アフラとマリウスは「やったあ」と大はしゃぎした。


「ありがとう。名前は何て言うの?」

「グラウエスだ。たてがみが白いだろう?」


 そのたてがみと鼻筋の真ん中が白く、全体の体毛は葦毛だ。


「グラウエス。一緒に来るかい?」


 グラウエスは返事をするように小さく嘶いた。

 アルノルトは手綱を引き、馬をエルハルトの所へ連れて行った。

 エルハルトは二頭立ての馬車に一頭の馬を繋いだ所だった。


「何でまたそんな小さい馬を連れて来る。もっと大きい馬を貰えばいいだろう」


 エルハルトはヤレヤレと首を振り、アルノルトも首を振った。


「みんなこの馬が気に入ってしまったんだ」

「しょうがないな。馬車に繋いでみるか」


 馬を繋いでみると、梶棒が背の高い方の馬だけにぶら下がる形になった。


「背丈が合わないね。ちょっと可哀想……」

「だから釣り合うのをって言ったんだろ。まあもう少し紐を調整すれば、速く走らせない限りは問題ないか」


 そうして兄弟達は布団を積み直してベンチを作り、持って来た荷物も載せ、馬車の準備を整えた。

 その間にブルグントの一団の黒い馬車も到着し、黒い大きな馬が広場に轡を並べた。ブリューハントが飼葉桶を持って来て、それぞれの馬に飼葉をくれた。

 その後、クヌフウタ達を連れに行った一行が戻って来た。 

 ルーディックは遠くから手を振った。


「アルノルト、準備が進んだようだね」

「ああ、準備はもう万端だよ」


 アルノルトは二頭の馬に飼葉を食べさせながら、グラウエスを撫でていた。

 アフラとマリウスも手に手に飼葉を持って食べさせている。

 イサベラがそこにやってきた。


「かわいい馬ね」

「かわいいでしょう。どうぞ」とアフラが飼葉をイサベラに渡し、イサベラはそれをグラウエスに食べさせた。

 ルーディックがそれを見て言った。


「小さいのを選んだね。この馬は少し成長が良く無いそうだけど、いいの?」

「皆に人気でね。それに僕にはちょうど乗りやすそうだ」

「ならいいんだ。侵入者の発見と仲裁のお礼だから、遠慮無く受け取って」

「ありがとう。何よりのプレゼントだよ。うちの牧場で大事に育てるよ。エリーゼ様もありがとうございます」


 騎士風に礼を取るアルノルトに、エリーザベトは暖かな笑顔で頷いた。


「アルノルトさんの所に行く方が、馬には幸せかもしれませんね」


 隣にいたクヌフウタは、何故か今日は固い表情をしていた。

 エルハルトは少し聞いてみた。


「どうでした? 修道院は?」


 クヌフウタは悔しそうな表情で言った。


「………風邪の人に乾燥させたカレンデュラを渡しただけで、止められてしまいました。ハーブなんて魔女の使うものだとか言って……悔しいことです」

「それは災難でしたね……」

「伝統医療の殆どは経験の蓄積で効くことが証明されて来たものです。効いたという声が積み重ねられる事のみで、薬として認知されるのです。どうしてそれが判らないんでしょう。本質を見ず、魔女の方法だと勝手に決めて、そう幾つもない効くとわかっている薬を使わせないなんて、一種の迷妄なる迷信です」


 憤って言うクヌフウタを宥めるように、エリーザベトが言った。


「騎士団や、ローマでもそう言う風潮がありますしね。人によっては効き目が少なかったり、時々過敏反応や毒性による事故がありますから、そういう時に槍玉に上げられるんでしょう」

「それは確かにそうなんですが……ちゃんとそれぞれのハーブの特性や分量を知って、その用法を守った上で使えば、殆どは効いているんです」


 エルハルトは言った。


「もっとハーブが広く知られるといいんですが……。多分そうそうはクヌフウタさんくらいにハーブを使いこなす人がいないんですよ」

「まあ。それは褒め言葉?」


 クヌフウタはようやく少し笑顔になった。


「少なくともオレ達はクヌフウタさんを認めていますよ?」

「それはうれしい言葉です」

「帰りも僕らの馬車へどうぞ。交換して新しく大きくなったんです。もうすぐ出発しますから、準備が出来次第乗って下さい」


 エルハルトがそう言うと、クヌフウタは頷いて、ペルシタの持つ黒鞄を指差した。


「私達の荷物はこの診療鞄とこの腰布の薬草だけです。もう準備は整っていますよ。本来なら『旅のために財布も袋もパンもお金も杖も持ってはならない』と、禁じられているのですけど、医療品は別扱いです」

「そうでしたか……。そんなに厳しいんですか……」


 診察鞄はしっかりした造りの大きな革の鞄で、それ以外は袋も禁止と言う事は、お金はもちろん、着替えも食料も日用品も無いという事だ。フランチェスコ派の修道士達は、何も持たずに旅をする事で神のご加護を証明する。シスター二人でそれを守ろうとすれば、アルプスを越えてローマへ行く旅は相当過酷なものになるだろうと、改めてそう感じざるを得なかった。

 エリーザベトがそんなクヌフウタに言った。


「ウーリの南のゲシェネンには私共の修道院があるんです。峠の手前ですから、山を越える際は是非そこにご逗留下さい。手紙で伝えておきますので」

「心遣いを感謝致します。是非立ち寄らせて戴きたいと思います。ここまでの道中も大変にお世話になり、感謝の言葉も無い程です。神の祝福を」


 クヌフウタとペルシタは一礼をして、幌馬車へ乗り込んだ。

 リーゼロッテが城からエーバーハルトとハルトマン、そしてユッテを連れて来た。

 イサベラとユッテは別れを惜しみ合った。


「しばらく会えなくなるけど、元気でねユッテ」

「どんな事になっても、私達友達よね」

「ええ。どんな事になろうとも、友達でいましょう」


 二人はそう固く手を握り合った。

 アフラもユッテと握手を交わした。

 ハルトマンとマリウスも手を握り合っていた。


「僕らももう友達だよね」と言い出したのはハルトマンだ。


「そうだね。お互いいい奴だってわかったね」

「うん。僕もわかった。また遊ぼうね」

「うん」


 そう言って二人は握手をして別れを惜しんだのだった。


「では、出発しますよ」


 エルハルトが御者台に乗り、皆に声を掛けた。

 アルノルトは既にその隣に座っていて手を振っている。

 アフラとマリウスは幌馬車に乗り込み、イサベラもブルグントの一団の馬車に乗り込んだ。

 ピエールが言った。


「こちらが先に先導します」


 そうしてブルグントの馬車は先に走り出した。

 城にいる人達は手を振ってそれを見送った。

 続いてエルハルトが「ハ!」と声を掛け、幌馬車も進み出す。が、グラウエスはやはり反応が悪く、馬車は次第に曲がり出し、壁にぶつかりそうになって止まった。


「ああー」と響めきが沸いた。


「行くよ!」


 アルノルトが御者台からそのお尻を叩くと、グラウエスは懸命に走り出し、再び馬車は進んだ。

 見送りの人々も、気を取り直して再び手を振った。

 アフラとマリウスは、幌馬車の後ろの幌を開け、後ろから手を振った。

 ユッテが歩み出て手を振り返し、ハルトマンは駆け出してしばらく馬車を追い、手を振った。

 マリウスも大きく手を振り、互いに見えなくなるまで手を振り続けた。

 城門を出て、修道院を過ぎ、馬車が町中の石畳の下り道に入ると、アフラが言った。


「いつの間にそんなに仲良くなったの?」

「色々あってね」

「いい旅になったわね」

「うん。無理して乗って来て良かった。帰って自慢出来るよ」

「帰ったらお父さんにそう言ってよね。怒られるの私なんだから」

「うん。旅っていいね」

「そうね」


 そこへ衝撃と共にドスンと馬車が何かに当たった音がした。

 大きなカーブに差し掛かり、曲がるときに、家の出窓に当たったようだ。

 御者台では何か騒いでいる。


「うわっ! 方向が思うように変わらない」

「兄さん、ちょっと手綱を貸して。グラウエスに伝わってないみたいだ」


 アルノルトが手綱を取って、グラウエスを中心に馬を御すると、ようやく方向が定まるようになった。遥か後方からは家の人が出て来て、怒っている声が聞こえた。


「ごめんなさーい」とアフラが後ろから叫んだ。

 先行するブルグントの馬車は、もうかなり先へ行ってしまっていたが、桟橋を渡る辺りで待っていて、輪転棒を回して浮き橋が掛かると一緒に向こう岸へと渡った。


「すごい橋ですね」と、クヌフウタも感心して、後席へ見に来た。


「この風景も綺麗です」とアフラは笑い返して言った。

 エルハルトが前を指差して言った。


「対岸のすぐそこにも大きな修道院があるんですよ。寄りますか?」

「結構ですわ。ブルグントの人達に置いて行かれるといけませんし。ウーリからは乗せて頂かなければなりませんし」

「この子らを降ろしてから、この馬車でエンゲルベルクまで行きますよ。向こうには布団があれば泊まれるそうですし」

「それは、大変では御座いません?」

「いいんですよ。オレはしばらく追放の身でしたし、向こうの馬車ももうあまり乗れないそうですから」


 アフラがエルハルトの所へやって来て、手を合わせて言った。


「兄さん! お願い! 私もエンゲルベルクへ連れて行って!」

「何を言うんだ。お前はまだ父さんに怒られたいのか」

「クヌフウタさんと薬草園を見せて貰う約束をしたでしょう? イサベラさんももうブルグントへ帰ってしまうから、帰ってたらもう時間が無いの」

「しかしな、連れて行くオレが怒られるよ」

「お願い!」

「父さんの許しを得てから行けばいい」


 アフラは泣きべそをかくように言った。


「そんなぁ。帰ったらきっと、しばらく外に出してくれないわーっ」


 手綱を取りながら、アルノルトが言った。


「僕がこのまま連れて行こうか。それならいいよね」

「兄さん!」


 アフラは目に星の輝きが灯るようだった。

 エルハルトはしかし、難色を示した。


「お前が帰るのを心配して待ってるんだ。早く帰る方がいい」

「今や僕もイサベラお嬢さんの友人さ。すぐ抜糸しにまたエンゲルベルクに行かなきゃいけないし、場所を覚えるのにもいい」


 マリウスも急に言った。


「僕も行きたい!」

「皆んなか!」

「みんなで行きましょう。旅は道連れよ」

「みちづれみちづれ!」

「待てよ。全員行くならまあ、ブルンネンからの平底船で対岸へ出て、かなり早く行けるな……」


 エルハルトがそう考えていると、アルノルトが言った。


「馬も疲れてくるし、乗るお金はあるし、そうしよう。前の馬車もそのルートだろう」

「エンゲルベルクを経由して峠を越えるなら、安全を見て一日泊まるのもありだ。そのルートを取るならまあ、父さんにも説明が立つかな?」

「やったーっ!」


 アフラは飛び跳ねて馬車が揺れ、馬が驚いた。

 アフラの旅はまだ続くようだ。



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