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男の家は結構オシャレなマンション。
家の玄関まで入ってすぐ分かった、彼女がいる。
せめてハイヒール隠せよ…。
「こうすけ君って独り暮らし?
結構可愛いセンスしてるねんな。」
あたしのS心に火が付いた。
「え?ああ。
キャラクターもん結構好きやねん。」
「そうなん?
ハイヒールも趣味?」
あたしは吹き出しそうになるのを堪えながら聞いた。
「あ、これは姉貴のやで。」
「こうすけ君ってお姉さんいるんやねー。」
かなが割って入ってきた。
聞きたくないから話を変えたのがあたしにはよく分かってた。
かなはそういう奴だって分かってた。
きっと男からしたら(ラッキー!)って思ってただろうね。
男は昨日たまたま借りてたらしいDVDを出してきた。
こういう時の定番、ホラー映画。
本当に定番尽くめの男。
一緒にいて飽きてくる。
まあ、どうせ会うのは一回きりだから気にしないけどね…。
ビールに焼酎、酎ハイ。
まるで昨日から予定していたみたいにお酒がなんでも揃ってる。
…考え過ぎか。
きっとお酒好きなんだろう。
「りん?」
かながぼーっとしているあたしを不思議そうに見ている。
「…ん?」
「ぼーっとしてたから、どうしたんかなって思って。
何でもないならいいや。」
本当、ここまで彼女の形跡を隠さず女遊びする阿呆を見たのは久々。




