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「りん?聞いてる?」
かなの声で現実に引き戻された感じ…。
「ごめん、音がうるさくて聞こえてなかった。」
「りんのあほ。
ちゃんと聞いとけや。」
「かなちゃんこわー!」
男が少し冗談交じりでそう言った。
「えー、かなめっちゃ優しいし!」
ふふっ。
あたしは、かながあたしを見る時の目と男を見る時の目が余りにも違いすぎる事がおかしくてつい小さく笑った。
あ、そういえば目だけじゃなくて声のトーンも違うか…。
「で、なに?」
かなと男の会話を止めてしまったあたしにかなは冷たい視線を送る。
そんなかなの視線なんて気にしないであたしはまた聞く。
「なんか呼んでたんやろ?あたしのこと。
なんやったん?って聞いてるねんけど。」
「…ああ、ゆう君が運転ずっとしてるから疲れてきたみたいで
みんなでこうすけ君の家でお酒飲みながらDVD観よって話。」
ゆう君?こうすけ君?
…ああ、なんかそんな名前だったっけ?
健全な男女がいたら、ただDVD観るだけで終わるわけがないって分かってんのかな?
あたしは、何だっていいけど。
「ええよ。」
男達は下心丸出しではしゃいでいる。
かなも気付いているのかいないのか、一緒になってさっきまでにも増してはしゃぎだした。
今日は、どっちなんだろう。
かなのお気に入りはどっちなんだろう。
あたしはどっちでもいい。
名前だって知らなくていい。
その時だけでも、あたしの存在を求めてくれるなら…




