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何十分経っただろう?
それともそんなに経っていないのだろうか。
携帯を握る右手が震えた。
「はい。」
『着いたし出てきてー。』
「わかった。」
さて、今日もまた知らない男にあたしの心の隙間を埋めてもらおう。
どうせ一時だとしてもあたしの心の休まる場所を提供してもらおう。
空しいだけと分かっていてもやめられない。
そこまであたしは強くない。
家の前に止めてあるハイエースに乗り込むと
見慣れたかなと見知らぬ男が二人。
…男前か?
かなの基準はあたしの基準とだいぶ違うみたい。
「こんばんは、初めまして。」
「…あ、初めまして。
りんです。よろしく。」
男達は、あたしを見る。
その目の奥には下心しか見えない。
車が少し走った頃、かなが音楽を流したいと言い出した。
「いいよ。」
男が流したそれはベースの音が響くとても激しい曲だった。
重い低音。
心臓らへんがズンズンなる。
もうそれしか聞こえない。
かなの声も男達の声も聞こえない。
なんだかとても気持ちがいい。




