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ゆう君の家は前来た時のまま、何も変わっていない。
唯一変わった所といえば、女物の小物が増えたくらい。
「彼女出来たん?」
「うん。
かなちゃんと付き合う事にしてん。」
耳を疑った。
ついこの前、かながこうすけ君と付き合ったって報告を聞いたばっかりだったから…。
「かなって、こうへい君と付き合ってたん違ったっけ?」
「俺の方が好きやったらしくて、別れたから俺と付き合いたいって言ってきてん。
今日は遊びに行ってはるから。」
あー…、こういう人なんだって思った。
かなもゆう君も。
少しゆう君に期待してただけあってなんだか寂しくなった気がした…。
この人は少しはましな人かなって。
「そう。」
あたしの冷たく言い放った一言が沈黙を誘った。
「今日は誰かと一緒に寝たかっただけやから。
仕事終わりで疲れてるねん。
寝ていい?」
「うん。いいよ。」
ゆう君は前と同じ優しい顔で答えた。
その優しい顔が苦手なあたしはすぐに目をそらした。
なんでそんなに優しい顔が出来るの?
あたしはベッドを借りすぐに寝たふりをした。
そんなにすぐに寝れないけど、起きていてゆう君と話すのがなんとなく嫌だったから…。
「あ、かな?
今久々にりんちゃんと会ってるし帰っておいで。
色々話そう?」
ゆう君がかなに電話している声が聞こえてきた。
なんだ、かなに帰ってきてほしかっただけか…。
あたしは利用されたんだ。
少し期待したあたしってバカみたい。
「そっか。
わかったよ。」
電話が終わったみたい。
きっとかなは帰らないって言ったんだろう。
ゆう君は少し寂しそうに携帯を閉じた。




