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「最近何してたん?」
「別に…、仕事してただけ。」
あたしは自分の仕事を隠すつもりはなかった。
別に誰に知られたって損はなかったから。
「仕事してるんや!」
「うん、風俗。」
あたしはゆう君の顔を見ないで冷たく放った。
風俗って言えばきっと離れていくって思ってたから…。
なんで君はそんなに悲しそうな顔をしてるの?
なんであたしの手を握るの?
なんでそんなに力いっぱい握るの?
どうしてあたしは泣きそうになってるの?
「仕事の事聞いてごめんな?」
「なんで?」
「言いたくなかったやろ?
仕事辛くない?」
「別に…。」
初めての反応に少し戸惑いながらあたしは車の外を眺めた。
隣を走る車をなんとなく目で追いかけた。
出来るだけ話を聞き流したくて、気をそらしたくて。
その後はしばらく沈黙が続いた。
普段のあたしなら辛いはずの沈黙。
でもそれが今は気にならない。
知られたくなかった、強がってるあたしを。
だから出来るだけこの人とは話したくないって思ってた。
気が付いたらもうゆう君の家の前。
あたしたちは無言のまま車からおり家に入っていった。




