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朝日さんの面倒ごと  作者: 日の太郎
第4.5章
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朝日さんは連れていかれる

最終下校の時間となり朝日達も帰り支度をして正門の方へ向かいはじめる。


「はあ〜〜」


朝日は歩きながらため息をつく。

ほんのついさっきまでは夏休みのニート生活に想いを馳せていたのにいきなりそれが潰されたのだ。

ため息も吐きたくなるものである。


「いつまでため息をついてるんですか。ため息はつくたびに幸せが逃げるそうですよ」


無元は少し意地悪そうな顔をしながら朝日に言う。


「もう減らすほどの幸せなんて持ってないよ」


朝日はブスッとした顔でそう愚痴った。


「災難だったとは思うわよ。だけど、ぐちぐち言ってるのは情けないよ」


生徒会長は笑みを浮かべながら朝日の隣を歩く。

あの極堂先生が去った後も生徒会長は部室に残り今の今まで話しをしていたのだ。

そんなこんなで一緒に帰っていると次第である。


「分かってるよ。もう、こうなったら嫌でも楽しんでやる」

「いいじゃない、その意気よ」


生徒会長は澄ました顔でそう言う。

そんな会話をしながら歩いていると


「あれ? 生徒会長?」


そんな聞き覚えのある声が聞こえた。

朝日はちらっと前を見るとそこには機龍が立っていた。

いや、機龍だけじゃない、立花や春川、笹野に機龍妹、自分の妹である鈴葉まで居る。

どうやら、正門の前で何か話していたらしい。


「あら? 機龍さん、こんにちは。皆さんも元気そうで」


生徒会長は綺麗に一礼する。


「いや、すいませんいきなり呼んじゃって、生徒会長らしき人が見えたので」


機龍はかしこまった様子でそう言った。

無元から聞いた話では何週間か前に機龍と生徒会長は何かあったらしいのだが詳しいことまでは話してくれなかった。

無元曰く、それはもういろいろあったそうだ。

しかし、恐らくそれは朝日が知る必要のない事だろう。


「いえ、良いのですよ。それより、機龍さん。私のことは名前で呼んでくださいと前に言ったと思うのですが、、、、」


生徒会長は機龍に近づくと胸元のネクタイを優しく掴み機龍の顔を引き寄せる。


「か、会長⁈」


生徒会長と機龍の顔はもう唇がくっつきそうな位置まで近づいていたのだから、機龍が慌てるのも当たり前だ。

いや、いきなりこんなことされたら顔が近かろうが遠かろうが関係ないだろう。

誰だって驚く。


「何ですか? 機龍さん、ただのスキンシップですよ?」


そのまま生徒会長はじっと機龍の目を見つめる。

しかし、


「会長! 何やってるんですか!」


機龍と生徒会長の間に近くにいた立花が割って入った。


「あらあら、すいません。ただの挨拶のつもりだったのですが、、、、」

「あれのどこが挨拶ですか! キスする勢いでしたよ!」


立花は生徒会長を睨みつけながら機龍を生徒会長から引き離す。

よく見ると周りにいる他の女子もあまり良い顔はしていなかった。

特に機龍妹に関しては本当に女の子ですか?と言うような顔をしていた。


「すいません、機龍さんに会って、ついテンションが上がってしまって。それで、皆さん何の話をしてたんです?」


生徒会長は恨めしそうな顔をする女子達をよそ目に何食わぬ顔で聞く。


「実は今度、アビリティアーツ部の合宿があるんですがいろいろと準備もあると思うのでみんなで買い物に行こうと話していたんです」


機龍は生徒会長に丁寧に説明していく。


「あら、そうなんですか? 実は私もアビリティアーツ部の合宿に行くことになりまして」

「そ、そうなんですか!」


機龍は驚いたように言った。

それもそうだろう生徒会長が合宿に行くなんて最近決まったことを他の人が知るはずがないのだ。


「会長も来るんですか?」


立花も不思議そうに聞いた。


「ええ、まあ、私の場合は皆さんの家事をする感じですけどね」


とそんな感じで生徒会長と機龍、その他はいろいろと話し始める。

それを側から見ていた朝日は


「なあ、無元」

「なんですか?」

「春川とか鈴葉も合宿行くのか?」

「ええ、それは前から聞いてましたよ」

「笹野は知らないけど春川ってアビリティアーツ部じゃないよな。てか、鈴葉に関しては学年が違うっていうか、中学生なんだけど合宿に行けるのか?」

「まあ、アビリティアーツ部の合宿は能力の強化や身体面の強化が目的ですから他の人でもお金さえ払えば誰でも参加できるようにしているんですよ。今回は少ないみたいですけど」

「知らなかった。外部からも合宿に参加する人を集めてたのか。なあ、無元。今たまたま思ったんだけど、向こうに行って俺も練習参加とか無いよな」

「、、、、大丈夫ですよ」

「おい待て、なんだその間は!」


朝日は無元の肩を掴んでグラグラと揺らす。

そんな事をしていると


「分かりました。それではそのようにいたします」


生徒会長は機龍達との話が終わったのか、また綺麗に一礼するとくるりと朝日達の方を向いて


「と言う訳で朝日くん。今週の日曜は東星学院前駅の近くにあるショッピングモールに集合ですので遅れないようにお願いしますね」


唐突にそんな事を話し出す。

当然、朝日がなんの話か分かるはずもなく


「はい?」


無元の肩を掴んだまま、そんな間抜けな声を出す。


「何呆けてるんですか? あなたも合宿に行くんだから来るのは当たり前でしょ?」

「いや、なんの話?」

「ふふ、難しい話ではありませんよ。ただ、みんなで買い物に行こうというだけです。もうすでに機龍さん達にも許可はとっていますので心配無いですよ」


生徒会長はそう言うとまた、くるりと回って機龍達の方に向き


「それでは私はこれで失礼しますね。少々、寄りたい場所もありますので」


それだけ言うと生徒会長は朝日と無元の背中を押して急かすように歩かせる。


「さあ、朝日くんに無元さん。早く行きますよ。私は少し寄りたいところがあるので付き合ってください」

「いや、まだ話の半分も理解してないんだけど」


朝日は困惑しながら後ろで背中を押す生徒会長に言う。


「これから、じっくり話してあげますよ」


生徒会長はにこりと笑いながらそう言った。

朝日にはその笑顔が悪魔の微笑みにしか見えなかったのだが断ることもできず。

そのまま学院を後にした3人は生徒会長御用達の喫茶店で説明を受けるのであった。

その後、家に帰った朝日は妹の鈴葉に「合宿来るの⁈」とすごく驚かれたらしい。


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