朝日さんは気まずい...
更新が追う幅に遅れてしまいすいませんでした。
最終下校時間のチャイムが鳴り、部活を終えた生徒達が一斉に帰り出す中、朝日は正門前で無元と春川を待っていた。
なぜ春川も待っているのかと言うと今回の依頼内容が『しばらくの間、春川と一緒に下校し家まで送り届ける』と言うものだからだ、と言うのも最近、春川は誰かに付けられている節があるらしい。
一様、警察に行くように促してみたのだが、まだハッキリしていないから大ごとにはしたくないそうだ。
だからと言って、1人で帰るのは不安があるのでしばらくの間、一緒に帰って欲しいそうだ。
期間は主にアビリティーアーツ部の女学院との交流練習が終わるまで、それが終われば今、忙しくしている機龍も機龍の露払いに勤しむ立花も空くからである。
ちなみに無元が忙しくしていないのはただサボっているだけだ。
幸いなのは、春川の家が朝日や無元と同じ方面にあると言う事だ。
おかげで、少し遠回りにはなるが春川を送り届けてからそのまま家に帰れる。
そう思うと今回は楽な仕事なのかもしれない。
まあ、何も起きなければの話なのだが...。
「朝日さん、すいません!」
そんなことを考えながら、最近はやりのアプリゲームをしていると息切れした様子で無元と春川が立っていた。
「お前らな〜〜、すぐ来るって言いながら、20分は待ったぞ」
「すいません。飲み物買ってたら、極堂先生に捕まっちゃって、なんとか話をはぐらかして逃げて来ました!」
無元はグッと親指を立てながら満面の笑みで言う。
極堂先生とどんな話をしたかはだいたい予想がつく、部活に顔を出せくらいは言われただろう。
「む、無元くん、早いよ....、私、追いつくのが...やっとだったよ」
春川が息も絶え絶えに言う。
その様子を見る限り、かなりのスピードで逃げて来たらしい。
見るからに体育会系ではない春川からしたらとんだ災難である。
「無元、少しは春川の事も考えてあげろよ」
「いや〜〜、逃げるのに夢中で、迷惑かけたね春川さん」
頭をぽりぽりと掻きながら無元は春川に謝る。
「だ、大丈夫ですよ!」
ひたいに汗を浮かべながら、慌てた様子でそう告げる。
見た限り、本心は余り大丈夫では無いらしい。
「だいたい、お前が飲み物を買いたいなんていわなければこんなことにはならなかっだ」
「しょうがないじゃ無いですか! 口が渇いてたんですから、それにあんな所で極堂先生に会うなんて予想つきませんよ!」
心外だと言わんばかりの反論をする無元に呆れながら手元の時計を見る。
「はあ〜〜、まあ、いいよ。もう、時間も18時間回りそうだし行こう」
「あっ、ちょっと待って下さい。走って来たせいでさらに口が渇いてしまって。買ってきたやつの飲むんで少し待って下さい」
無元は手に持っていた缶コーラを朝日に見せると口を開けようとする。
若干の胸騒ぎを感じた朝日は無元の傍に居た春川をちょいちょいと手招きして呼び寄せる。
「え? はい、何ですか?」
困惑した様子で来る春川に
「ちょっとここら辺で無元を見ててみ」
と伝え、朝日は自分の隣に立たせる。
「あの、朝日さん? 何でそんな離れたところにいるんですか?」
首をかしげた様子で缶コーラを開ける。
その瞬間、凄まじい音を立ててコーラが吹き出し、無元を襲った。
朝日の予想は見事に的中したようだ。
「......朝日さん。分かってたなら教えて下さいよ...」
コーラまみれになった無元は元気なさげにそう言った。
「甘んじて受けとけよ。罰だと思ってさ」
笑いをこらえながら朝日はそう言う。
隣の春川も口元に手を当てて終始、笑いをこらえているようだった。
「それじゃあ、行くか!」
一名、元気のない奴がいるが、それはさておき三人はやっと出発し始めたのである。
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学園近くの公園。
もう夕方と言うのもあり人の姿は余り見られないが、周りは木々や遊具は夕方の景色となり赤々としている。
その様子は普段気にもとめない分、綺麗に見えた。
と、なんでこんな感傷に浸っているかと言うと隣にいるお方が全く喋らないからである。
隣にいるお方はもちろん春川の事で、さっきベンチに座ったきり終始無言で気まずい空気が流れている。
なんで、こんなことになっているのかと言うと、さっきコーラの猛攻を受けた無元が顔とかを洗いたいと言い出したので近くの公園に寄り、それを2人で待っていると言う状況なのである。
「...........」
「...........」
それにしても気まずい。
特に共通の話題とかないし、そもそもほぼ今日初めて会った人と2人きりで話すと言うのはなかなか難易度が高い。
それに、さっきいろいろと言われたばかりだ。
そんなこんなで話しづらいのである。
「.........」
「.........」
あーー、これは無元が帰って来るのを待ったほうがいいだろう。
目の前の景色を見ながらそんな考えに行き着いた時だった。
「あ、あの...」
予想外にも春川の方から喋りかけてきたのだ。
「あ、あの...。さっきはすいませんでした。その.....、いろいろと...言ってしまって...」
春川は顔を少し赤らめながら、途切れ途切れに言う。
「私も、その、慌てていて.....。どうかしてました...」
「.....別にいいよ。あんたが言ったことは本当だしな」
「......」
「......」
またも、気まずい空気が流れ出す。
「あ〜〜、なんだ。別に嫌だったら言ってくれていいよ。俺といるのがキツイなら。無元が来たら、俺がどっか行けばいいだけだし」
朝日は頭を掻きながらそう言った。
別に依頼をサボりたいとかは考えていなかった。
だだ、春川がそう見えたからそう言って見たのである。
しかし、春川は小さく首を振る。
「いや、違うんです。そ、そう見えましたか?だとしたら、すいません...。私はもともと人と話すのが上手くないので...」
「部室にいた時は普通に話せてたきがするけど」
「そ、それは、無元くんも居たし、生徒会長は人当たりのいい人だったので」
「なるほど、要するに俺は人当たりが悪いと」
「え! い、いや、違いますよ!違います!」
春川は慌てたように腕を振って否定する。
「本当に違うんです! むしろ私の中では面白いと思っていると言うか、なんと言うか...」
「面白い?」
「悪い意味ではなくて、なんて言うか、その......、いいな〜〜と感じて...」
朝日はよく分からず首をかしげる。
「私、あんな無元くん見たの初めてで...。なんて言うか、私達の中では無元くんは謎めいていると言うか、クールと言うか、よく分からないところがあるんですよ。だけどあなたといる無元くんはなんだかとても楽しそうで素をだしていると言うか、私達が見たことのない無元くんだったので、あなたがそうさせているなのだとしたら凄いなって思いまして...」
「ふーん、......いや、待て。あいつが謎めいてクール? 天然で鈍臭いの間違いだろ」
確かに無元は頼りになる時は頼りになるがドリアンジュースの件といい、さっきのコーラの件といい、何方かと言えば鈍臭い分類に入るだろう。
「ふふ、そうやって言えるのが羨ましいんですよ」
春川は小さく笑いながらそう言う。
「羨ましいか.....。まあ、誰でも人との関わり方は使い分けるもんだろ。嫌いな人には素っ気なくして、気に入った人には親密に接する。当たり前だ」
「それじゃあ私達は気に入られてないのでしょうか?」
「そんなことないだろ。お前らといる無元も俺といる無元もどっちも同じだよ。こう言うのは深く考えたら負けだ。特に考えずにのらりくらりしてるのがいいんだよ」
「そう言う物でしょうか?」
「そう言う物だよ」
そうすると春川はまたクスクスと笑いだした。
「やっぱり朝日くんはいいです。今の話を聞いてもっと興味が湧きました」
「そうかい、なら嫌でも帰りが同じのこの期間に興味を満たせるといいな」
「どうでしょうね。きっと満たせませんよ」
春川がそう言うと2人はプッと吹き出して笑った。
そんな事をしていると
「すいませ〜〜ん。なんども待たせて、もう大丈夫なので行きましょう」
どうやら無元もコーラをおとしおわったようだ。
その代わりに服のいたるところが濡れているが.....。
「あれ? なんだか2人とも楽しそうですね。何話してたんです?」
無元は興味ありげに聞いてくる。
「いろいろだよ。例えば、お前のおっかなびっくりのおもしろ話とかな。なあ、春川」
「ええ、そうですね!」
「はい⁈ え、ちょっと! 変な話してませんよね⁈」
無元は慌てたように問いただす。
そんな無元を適当にあしらいながら三人は再び帰路に着いたのである。
その後の数日間、朝日達がしっかりと依頼をこなした事は言うまでもない。
.........だが、これはまだ始まりに過ぎない。これから春川に降りかかる災厄をまだ誰も知る由もないのだ。
しかし、その話はおそらく別の場所で語られるべき事なのだろう。
英雄伝の一つとして.......
読んでくださりありがとうございます。
今回、更新が大幅に遅れて本当にすいませんでした。
その間、いろいろありましたが何とかして更新して行きたいと考えています。
これからもかなり不定期になると思いますが、応援していただけると幸いです。




