朝日は紅茶をいれる
更新遅くなってすいません!
「はあ〜〜、やっと授業終わりましたね」
無元は机に突っ伏しながら隣に居る朝日に話しかける。
「ああ、本当にな。勉強とか嫌になる」
朝日は無元にそう返しながら部室に行く準備をする。
「そうですね。特に能力基礎学とか面倒くさいですよね」
「あれは訳わからないよな。どの辺が基礎学なのか教えて欲しい」
2人はそんな愚痴を言いながら部室に向かおうとすると
「あっ、朝日くん! ちょっと待って下さい!」
寧々先生に呼び止められた。
「なんですか? 俺らこれから部室に行くんですが?」
朝日はダルそうにしながら要件を聞く。
「いや、実はですね。また、ミス研に依頼が入ってまして」
「勘弁して下さいよ。前回の依頼酷かったんですよ! よく分からない怪物と追いかけっこするは、水に濡れて風邪をひくは、挙げ句の果てには本物の幽霊に出会うは、いいこと無しです!」
「ま、まあ、そう言わず受けて下さいよ。とりあえずあとで部室に依頼者を連れて行くので待ってて下さいね」
寧々先生はそう言うと教室から出て行ってしまった。
「また、変な依頼ですかね?」
無元は首を傾げながら朝日を見る。
「知るかよ。まあ、とりあえず部室に行こう」
「そうですね」
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2人が部室に着くと鍵が開いていた。
「あれ? 朝日さん、鍵が開いてますよ?」
「立花でも先に来てたんじゃないか?」
朝日が無造作にドアを開けると
「あら、朝日くんこんにちは」
生徒会長が我が物顔で部室のソファーに座っていた。
「......生徒会長。そういえば、生徒会長は全教室の鍵を使える権限があるんでしたっけ?」
朝日はソファーに座る生徒会長をジト目で見ながらいつもの席に荷物を置く。
「全教室ではないですよ。でも、ほとんど扱えますね」
生徒会長はクスクスと笑いながら朝日たちを見る。
「そうなんですか。まあ、別にいいですけどあんまり散らかさないで下さいよ」
「私がものを散らかすような女に見えますか?」
「見えませんよ。はあ〜〜〜〜......、何にか飲みますか?」
「紅茶が飲みたいですね」
「はいはい、かしこまりました」
朝日は食器棚からティーカップを3つ取り出すと台所の方へ入って行った。
「あ、朝日さん! 僕は紅茶じゃなくてコーヒーがいいです!」
「じゃあ、そっからマグカップ取ってくれ」
朝日は食器棚を指差しながら無元に言う。
「は〜〜い、......これでいいですか?」
無元は食器棚から青色のマグカップを取り出し朝日に見せる。
「それでいいよ」
朝日は無元からマグカップを受け取るとカチャカチャと作業をし始めた。
「それで生徒会長? 今日は何か用でもあったんですか?」
無元は生徒会長とは向かいのソファーに座るり質問する。
「いいえ、用事という用事があったわけではありませんよ。少し、様子を見に来ただけです」
「様子ですか? でも生徒会長の仕事はいいんですか? 放課後は忙しいはずですよね?」
「ええ、もちろん。でも、私だって休憩がいります。なのでここに様子見がてらに休憩しに来んですよ」
「なるほど、朝日さんにとっては最悪の迷惑ですね」
「そうですか? こんな美人がいるんだから逆に喜んで欲しいんですが」
「こう行ってますけどどうなんですか?朝日さん?」
「今すぐ帰れ」
朝日は躊躇なく答えた。
「あら、ひどいことを言うのね。私これでもメンタル弱いのよ」
「どの口が言うんだよ!」
朝日は生徒会長にツッコミを入れながら紅茶を渡す。
「ありがとう」
生徒会長はそう言うと紅茶を一口飲む。
「......たまにはこう言う安物の紅茶もいいわね」
紅茶を飲んだ生徒会長はなんとも言えない顔をしながらそう言った。
「生徒会長がうちの部費をもっと上げてくれたらいい紅茶が買えるよ」
朝日は皮肉そうに言いながら無元にもコーヒーを渡し、自分もソファーに座ると紅茶を飲み始める。
「それは無理ですね」
生徒会長はきっぱりとそう言った。
「そうですか。なら、文句言わずに飲め!」
「何を言っているんですか? 私は文句なんて一言も言っていませんよ。たまにはいいな〜〜と言っただけで」
「それが文句に聞こえるんだよ。出してもらってるんだから有り難く飲め!」
「私、出して欲しいなんて言ってませんけど?」
「 ああ、もう! 人の揚げ足を取りやがって!
分かったよ! 俺が悪いんだろ! 安もんしかなくてすいませんでしたね!」
「ふふ、そうですね。 こんど、生徒会室に来たら高級紅茶をご馳走しますよ」
生徒会長はニコッと笑いながら安物の紅茶をクイッと飲んだ。
「嫌味にしか聞こえない」
朝日はため息をつきながら紅茶のお供のクッキーを一枚食べる。
「それで、今日は何しに来たんだよ? 早く要件を言ってくれない?」
朝日は少しだけ生徒会長を睨みながらダルそうにそい言う。
「さっきも言いましたが用事は本当にないんです。だだ、遊びに来ただけですよ」
「すごく迷惑なんだけど」
「だって、ここにいると何か面白いことが起きそうじゃないですか」
「生徒会長は面白いかもしれませんが俺はまったく面白くありません」
朝日がふて腐れたようにうなだれているとパタパタパタと廊下から誰かが歩いてくる音がした。
「ほら、私の言った通り何かありますよこれ♪」
生徒会長がウキウキ顔でドアを見つめているとドアを開けて寧々先生と春川木葉が入って来たのだった。
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「は、春川さん⁈」
無元は目をパチクリさせながら驚いていた。それもそのはずである。
通常こんな所に来るはずのない人がミス研の部室に来ているからだ。
「む、無元くん...。こんにちわ...」
春川は無元に気づくと小さくお辞儀する。
「驚いたよ。春川さんがここに来るなんて何か用事でもあるの?」
「じ、実は寧々先生から聞いてここはいろいろな相談に乗ってくれる所だって...、それにここは無元くんと立花さんがいるから...」
「なるほどね、相談しやすい人がいる所に相談しに来たわけか...」
春川はコクリと頷きながら無元を見る。
「で、寧々先生はその仲介役と言うわけですね」
「そう言うことよ。さっき言ったでしょ。『依頼人がいるから部室で待ってて』って」
寧々先生は春川に近くのソファーに座ることをすすめると自分も空いているソファーに座る。
「でもまさか、春川さんが依頼人だったとは予想外でしたよ」
「うん、私もここに来るのは意外だったよ。.......ねえ、無元くん」
「ん? どうしたの?」
「あ、あの。あそこの人の...」
春川が指をさした先には朝日が憂鬱そうな顔で春川を見ていた。
「ああ、大丈夫だよ。あの人ちょっと最近いろいろ面倒なことが重なって機嫌が悪いだけだから」
「えーと、あの人は?」
春川は不思議そうに首を傾げながら聞くと
「春川さん、ごめんね。説明を忘れていたわ。あの人がこの部の部長、大空朝日くんよ。上の名前は聞いた事あるでしょ?」
寧々先生が春川にそう説明する。
「大空って、鈴葉さんのお兄さん⁈」
「ええ、そうよ」
「じゃ、じゃあ...」
それを聞くなり春川はいきなり怪訝そうな顔になり
「あの、競技祭の時、来なかった人!」
そう言い捨てた。
「春川さん、確かにそうだけどあれには理由が...」
寧々先生は少しオロオロとしながら春川をなだめようとするが
「理由なんて関係ありませんよ。あれで鈴葉さんがどれだけ傷ついたか.....。まさか、この部活の部長だったとは。私、こんな人は信用できません。依頼は無元くんと立花さんだけにします!」
春川はじっと朝日を見ながらそう言い放つ。
朝日はそれを後ろめたそうな顔をしながらじっと聞いていた。
すると、
「じゃあ、この依頼は無しにしようか」
無元が意外な一言を放った。
「えっ?」
春川は困惑したように無元を見る。
「確かにね、朝日さんがあの時来なかったのはたとえ理由があったって悪い事だしそれが真実だよ。だけどね、今僕はこの部活の一員だ。だとしたら、部長の元にいる僕も信頼できないはずだよね。なのに、春川さんは僕と立花さんには依頼したいって言うんだね...。でも、それは少しおこがましいんじゃないかな。まあ、要するに春川さんと僕が友達だからって自分の友達をけなされて頼みを聞く奴はいないと言う事だよ」
無元は真顔のまま春川を見つめてそう言った。
「あ...、わ、私...」
春川は困った顔になりながら少しうつむく。
「多分それについては立花さんも一緒だと思うよ。あの人はその辺をしっかりわきまえている人だと思うからね」
無元は口元に少し笑みを浮かべながらそう言った。
無元のこの行動はまさに友達の鏡と言うべき事だが......
実は無元には裏の目的があった。
無元は心の中でほくそ笑みながら
(「させませんよ! 朝日さん! あのまま反省してる風に黙って依頼を回避しようなんてさせません!」)
そう、無元には朝日の魂胆がよく分かっていた。
基本的に朝日は依頼を受けたくないのだ。
だから、今回春川さんが朝日に恨みを抱いているのを利用して依頼を回避しようとしているのだ。
その証拠に朝日はさっきの話を聞いてから顔に滝のように冷や汗を浮かべている。
あのままいけば、春川さんはきっと朝日を嫌がり依頼をせずに無元と立花に依頼しることを分かっていたのだ。
しかし、それは無元にとって最悪の結果なのである。
もしも、この依頼を朝日抜きで受けてしまうと、立花はアビリティーアーツ部が忙しいため、実質無元1人で依頼を受けることになる。
正直なところ、人を助けるとかはどうでもよく朝日と依頼を捜査することに楽しさを覚えている無元には朝日がいないだけでも依頼に価値がないのにその上、1人での捜査なんて最悪だ。
だから、無元は朝日を依頼に巻き込むため春川の良心に語りかける事にしたのである。
あまり気が強くない春川のことだから自分が思いのほか悪いことを言ってしまったと思い直し、きっと朝日を認めるはずだと考えたのだ。
案の定、
「......確かに、おこがましかったですね。私が頼みに来ている方なのにあんな酷いことを言って......、すいませんでした」
春川は顔を赤らめながら朝日に謝る。
無元の予想どうりになった。
あとは、アフターファローをすればいいだけだ。
「でも、もういまさら許してくれませんよね。依頼は無しに......」
春川はうつむきながら依頼を断ろうとする。
そう、ここにファローを入れればいいのだが朝日もそれを見逃さない。
「そうだ!そんなに言われて許すわけn、もが⁉︎」
すぐに今まで閉じていた口を開いて無元がファローするのを阻止しようとするが向かいにいた生徒会長が突然朝日の口にクッキーを5、6枚無理やり押し込み口を封じる。
そしてすかさず、
「大丈夫よ。春川さんだっけ? ほら、朝日くんも『気にしてないから、依頼は断らなくていいよ』って言ってるから」
生徒会長はにこやかな顔をしながら朝日の口にクッキーを押し込み春川にそう言った。
「ほ、本当ですか!」
「ええ、この学院の生徒会長本郷真由美が保証するわ」
「良かった...」
春川は安堵の息を吐く。
そんなこんなで朝日が大量のクッキーを食べ終わる頃には依頼を受けるしかない雰囲気になり、朝日は溜息を吐きながら。
「お前らな〜〜、後で覚えとけよ! はあ〜、分かった。依頼は受けるよ.......」
憂鬱そうな顔をしながら、そう春川に言うのであった。
ここまで読んでいただきありがとうございます!
更新が遅くなってしまいすいません。
おそらく、これからも遅くなってしまうと思いますが更新は続けますので応援のほどよろしくお願いいたします。




