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朝日さんの面倒ごと  作者: 日の太郎
第4章
34/42

朝日さんは肝試す

更新が大変遅れてしまいすいません!


「で、朝日さん。ちゃんと荷物は持って来ましたか?」


無元はキッチンでお湯を沸かしながら朝日に言う。


「ああ、いろいろ持って来たよ。暇つぶし用にゲームとかな」


朝日はゲーム機見せながら、カップ麺を二つバックから取り出す。


「あ、いいですね。後でやりましょう」


無元はお湯を沸かしたやかんをカップ麺を置いた机まで運ぶとお湯を入れて蓋をする。


「それにしても、嫌になるぜ。本当」


朝日はバックから取り出した割り箸を無元に渡しながら悪態を吐く。


「確かに驚きましたよ。まさか、生徒会長の依頼が即日だったとは僕も思いませんでした」


無元は朝日から割り箸を受け取るとカップ麺の上に乗せた。

そう、なぜ朝日達がこんなことになっているのかと言うと全て生徒会長のせいである。

朝日達は来週あたりにやればいいと思っていたのだが生徒会長いわく、『今日は幽霊が来る日なので調査は今日でお願いしますね』と言われたのだ。

おかけで、朝日達は部活を終えた後直ぐに3号館近くの4号館宿直室に行き幽霊が現れると言われる夜中の12時まで待機する羽目になったのである。

ちなみに、ゲーム機とかカップ麺があるのはミス研の部室から持って来たものだ。

ミス研の部室には案外いろいろな物が置いてあるのである。


「本当、あの生徒会長はなにを考えてるんだよ。その日にやってくれって馬鹿か! もっと前の日から依頼しに来いよ!」

「そうですね。でも、受けちゃった物はしょうがないのでこのまま12時まで気長に待ちましょう」

「気長にね〜〜。12時まで、あと4時間くらいあるぞ」

「だから、気長に待ちましょうって言ってるんですよ。ゲームやってれば4時間なんて直ぐですよ、直ぐ」

「まあ、それもそうか」


朝日はカップ麺を手に取ると蓋を取り麺を食べ始める。


「それにしても幽霊ですか...。本当にいるんですかね?」


無元もカップ麺を手に取ると蓋を開けて食べ始める。


「いるわけないだろ。どうせ、どっかの能力者の悪戯だよ」

「朝日さんは夢がないことを言いますね」

「夢って、お前は会って見たいのかよ」

「そりゃ、漫画やアニメ好きな僕としては琴線に触れるものがありますよ。幽霊は」


無元はそう言いながらズズッと麺をすする。


「確かにお前はそう言うの好きだったな」

「朝日さんは会いたく無いんですか?」

「会うも会わないも居ないもんは会いようが無いだろ。俺は全面的にその辺のオカルトは信じない主義なんだ」

「へーー。意外ですね、朝日さんも漫画とかで幽霊や妖怪ネタは好きだと思って居ましたけど」

「いや、漫画は好きだぜ。ただ、現実と空想の区別をしてるだけだよ」


そうなこんなでカップ麺を食べ終えた二人は持って来たゲームで暇を潰すことにしたのである。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

それから、3時間ほどの時間がたった。

最初の頃はゲームをして時間をつぶしていたのだが、2時間くらい経つとそれも飽きて来て今は宿直室の畳の上でゴロゴロしているしまつである。


「朝日さん、もうそろそろ時間じゃないですか」


無元が畳に寝っ転がりながら時計を指差す。


「そういや、もうそんな時間だな」


朝日が時計を見ると時刻はすでに午後11時半を指していた。


「そんじゃ、ぼちぼち準備するかーー」


朝日は立ち上がるとバックに手を突っ込んで懐中電灯を2本出し、1本を無元に渡す。


「さすが! 準備いいですね」


無元は懐中電灯のスイッチをカチカチと押しながら明日に言う。


「そりゃ、あれだけ暗い中を歩くのは懐中電灯無しじゃ難しいよ」


朝日はしっかりと明かりがつくことを確認すると今度はバックからカメラを取り出す。


「ん? そのカメラどうしたんですか?」


無元が不思議そうに聞く。


「ああ、これか? 生徒会の備品だとよ。証拠はこれで修めろってことだろ」


朝日はカメラを無元に見せる。

確かにカメラには『生徒会 第2カメラ』と言うシールが貼ってあった。


「へーー、いい写真が撮れるといいですね」

「今回のいい写真の基準が分からないよ」


朝日がそんな悪態をつきながらカメラのバッテリーを確認していると「プルルルル、プルルルル」とデバイスが鳴る音がした。


「朝日さん、デバイスが鳴ってませんか?」

「ん? こんな夜中に誰だよ?」


朝日はゴソゴソとポケットを探りながらデバイスを取り出す。


「あ、鈴葉か。無元、悪いけどちょっと先に準備しててくれ」


朝日はそう言うとデバイスを持って台所の方へ歩いて行った。


「行っちゃいました......。あれは長くなりそうですね」


無元はそうな事を一人つぶやきながら黙々と準備を進めた。

あらかたの準備をし終わった無元は、ふと宿直室の窓から3号館を見た。

すると、3号館の二階の窓に黒い人影のようなものが見えた。

そう、長く真っ黒な髪の毛を生やした女の人を......。


「うわわわ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!」


無元はあまりの出来事に叫び声をあげながら尻餅をついた。


「おい、無元! うるさいぞ! こっちは電話してるんだからもっと静かにしろよ!」


朝日は耳にデバイスを当てたまま無元に言う。


「あ、朝日さん。い、今。ま、ま、窓!」

「どうしたんだよ? そんな血相変えて。窓がどうかしたのか?」

「ま、窓の外、さ、3号館の二階の窓に女の人が!」

「あ? 3号館の窓?」


朝日は宿直室の窓を開けて身を乗り出すと懐中電灯を取り出して向かい側にある3号館二階の窓を照らす。


「何もいないけど」


朝日は呆れたように無元に言う。


「ほ、本当にいたんですよ。髪が長い女の人で真っ黒な服を着ていたんです!」

「見間違いじゃ無いのか?」

「見間違いじゃありません!完璧に見ました!あれは幽霊です!完全に幽霊ですよ!」


無元は興奮気味に窓を指差す。


「わかった、わかったから、落ち着け。それも、これも全部3号館に行けばわかるんだから。て事で鈴葉、俺もう行かなきゃだからじゃあね〜〜〜」


朝日はデバイスに向かってそう言うと『あっ、ちょっと!』と言うデバイスからの鈴葉の制止を聞かずにブチッと電話を切った。


「......電話、切ってよかったんですか?」

「問題ないよ。大した事じゃないから」


朝日はデバイスをポケットにしまうと


「それじゃ、行くか!」


朝日と無元は4号館の宿直室を出て3号館の理科実験室に向かうのであった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

3号館の一階、薄暗い廊下を朝日と無元は歩いていた。


「さすがに、雰囲気がありますね......」


無元は懐中電灯で足元を照らしながら朝日に言う。


「確かにな。ホラー映画の中にいる気分だ」


朝日も足元を照らしながらどんどん進む。


「で、無元」

「はい? 何ですか?」

「いや、さっきお前が見たって言うやつ。マジで見間違いじゃないのか?」

「まだ、信じてなかったんですか!本当に見たんですよ!」

「ふーん......。からかってるんだとしたら、1ヶ月間、部活出禁にするからな。そして、極堂先生にお前を売り渡す」

「からかってませんよ!て言うか辞めて下さい!極堂先生は!僕死んじゃいます!」


無元は必死な様子で朝日に訴える。


「分かったよ。それで、その幽霊とやらはどんな奴だった?」

「え? 幽霊のですか? えーと、真っ黒で髪の毛の長い女の人でした」

「それは、絶対か?」

「絶対とは言えませんけど少なくとも僕にはそう見えたんですよ」

「なるほどな。分かったよ」


それを聞いて朝日は少しだけ考え込むように俯いているといきなりドテッと盛大に転んだ。


「イタ!」


転んだ衝撃で朝日の首に掛けていたカメラが盛大に吹き飛ぶ。


「ちょっと朝日さん。何やってるんですか!」


無元は朝日を助け起こしながらカメラを拾う。


「もう、気おつけて下さいよ。このカメラ生徒会の備品なんですから。壊したら弁償なんですよ」

「イテテ、分かってるよ。クソッ、なんで何もないところで転ぶんだよ」

「本当にしっかりして下さいよ」


そんなこんなで二人で喋りながら歩いて行くうちに科学実験室のある3階についた。


「ここが、3階ですか。雰囲気的には1階とあまり変わらないような感じがしますけどね」

「だな、時間も12時ジャストだし、さっさと科学実験室の様子見て帰ろうぜ」


そんな話をしながら最初の角を曲がると二人は足を止めた。


「あの、朝日さん」

「ん? どうした無元」

「見間違いだと思うんですけど......」

「ああ」

「廊下の突き当たり......人がいません?」

「......お前も見えてるってことは見間違いじゃないんだな...」


そう、二人が曲がった廊下の突き当たり。

科学実験室のドアの前に人がいる。

はっきりと見えた。


「き、きっと警備員さんだよ。ほら、時間も時間だし」

「いや、朝日さん。全身真っ白な服着た。警備員さんなんていませんよ!全国探してもそんな警備員さんは居ません!」


二人の顔からサーーっと血の気が引いて行く。


「ねえ、朝日さん」

「なんだ」

「見間違いだと思うんですけど」

「ああ」

「あの幽霊、だんだんこっちに来てません?」

「やっぱり、お前にもそう見えるんだな」

「それに、だんだんスピードも上がって来ている気が...」

「無元」

「なんですか」


二人はだんだんとスピードを上げながらこちらに近づいてくる幽霊を見て...


「逃げるぞーーー!」

「はいーーーーー!」


二人は踵を返して一目散に逃げた。

振り向くとさっきとは比べ物にならない速さで幽霊が追いかけて来ている。


「あ、朝日さん! 追いかけて来てますよ!」

「振り向くな! とにかく逃げろ!」


二人はかつてないほどの速さで廊下を駆け抜ける。


「朝日さんの糸でなんとかして下さいよ!」

「バカ言ってんじゃねーー! 幽霊相手に糸の能力なんて何にも役立たないだろ!」


二人は二階へ続く階段まで走り階段を降りようとする。

しかし、


「うわっ!」


幽霊は凄まじい速さで階段の前に立ちふさがるとその大きさを2倍程に膨れあがらせた。


「朝日さん、やばくないですか...」

「ヤバイな! クソッ!」


朝日は瞬時にバックステップで幽霊から距離を置くと糸を出して幽霊の心臓目掛けて撃ち放つ。

しかし、その糸はパシャッと言う水が弾ける音と共に後ろの壁に突き刺さっただけであった。


「ん? パシャッ?」


朝日はその音に妙な違和感を感じ、もう一度、今度は違う場所を狙って糸を放つ。

すると、やはりパシャッと言う音と共に後ろの壁に突き刺さった。


「...なるほどね」


朝日はそんなことをつぶやきながらその幽霊に向かって糸を放つ。


「朝日さん、何かわかったんですか!」

「ああ、分かったよ。少なくとも彼奴は幽霊なんかじゃない。水の塊が女の人の形を取ってるだけだ」

「水の塊?」

「ああ、多分どこぞの能力者が操ってるんだよ」


朝日と無元はその幽霊もどきが繰り出す攻撃をギリギリで避けながら喋る。


「て言うことは幽霊騒ぎじゃなくて、やっぱり能力者のイタズラですか?」

「さーな」

「で、でも、僕の見た幽霊はどうなるんですか? 確かにな目の前の幽霊もどきは髪が長くて女の人っぽい容姿をしてますけど。黒くないですよ!」

「ああ、そのことだけど。そのお前が見たって言う幽霊。来てた服、着物っぽくなかったか?」

「え⁈ そ、そういえば。着物だったような」

「やっぱりな。そんじゃ、無元。時間を稼ぐぞ」

「時間を稼ぐ?」

「そうだよ、なるべく科学実験室から遠ざけるんだよ」

「そんなことして、何に?」

「いいから、いいから」


朝日はそう言うと幽霊もどきを糸で挑発しながら科学実験室とは逆の方へ逃げて行く。


「朝日さん、本当に意味あるんですか?」

「大丈夫だって」

「そんなこと言われても、このままじゃジリ貧ですよ。水が相手だったら、少なくともこんな狭い廊下じゃどうしようもありませんよ!」

「心配するなって、もう直ぐあの幽霊もどきは消えるからよ」

「消えるって、そんなこと!」


無元が朝日にそう言おうとすると目の前の幽霊もどきがバシャッと弾けるように元の水に戻ってしまった。


「へ?」


無元は弾けた水でびしょ濡れになりながら呆けたように幽霊もどきがいた場所を見る。


「やっと、消えたか」

「ど、どう言うことですか! 朝日さん!」


無元は食い入るように朝日に聞く。


「まあ、それは科学実験室に行ったらわかるよ」


朝日はそう言うとスタスタと歩き出す。


「あっ、ちょっと待って下さい!」


無元は慌てて起き上がると朝日について行く。

しばらくして、科学実験室に着くと朝日はガラガラと勢い良くドアを開けた。

すると、そこには月明かりに照らされて妖艶にたたずむ長い黒髪の真っ黒な着物を着た美少女。

生徒会長、本郷真由美が立っていた。


「せ、生徒会長!」


無元は目が飛び出さんばかりに生徒会長を見る。


「あら、朝日さんに無元くん。こんばんわ」


生徒会長はペコリと小さく会釈する。


「えっ! じゃあ、犯人は生徒会長⁈」

「ちげーよ。無元、生徒会長の足元よく見てみろ」


無元は言われたとうり生徒会長の足元を見ると女生徒が小さく震えながら縮こまっているのが見えた。


「え? どう言うことですか?」


無元は首を傾げながら朝日に聞く。


「犯人はあの女生徒。さっきの幽霊もどきは彼奴が操ってだんだよ。それで、俺たちがその幽霊もどきを相手してる間に生徒会長があの女生徒を取り押さえて能力を解除させたんだよ」

「あっ、なるほど! だから、途中で幽霊もどきが消えたんですね! あれ? ちょっと待って下さい。それって...」

「やっと気づいたか。要するに俺たちは囮に使われたんだよ。最初っからあの生徒会長は幽霊の調査なんてどうでもよかったんだ。ただ、俺たちが囮になってくれさえすればな」


朝日は生徒会長を睨みながら言う。


「あら、いつから気づいていましたか?」


生徒会長はニコリと笑いながら朝日に尋ねる。


「無元が宿直室にいる時に黒髪の真っ黒な幽霊を見たって騒いでな、そん時からだよ。確信持ったのは幽霊が能力によるものだって分かった時だけど」

「あらあら、見られていたんですか。それはとんだ失態をしてしまいましたわ」


生徒会長はふふっと笑い声をもらしながら言う。


「てことは、あの幽霊は生徒会長だったんですか⁈」


無元は驚いたように生徒会長に聞く。


「ええ、見られるはずではなかったんですけどねーー。そこまでは私の能力でも見えませんでしたよ」


生徒会長はため息をつきながらそう言う。


「生徒会長の能力って......。ああ!」


無元は納得したようにポンと手を叩く。


「無元も思い出したか。生徒会長の能力は生徒の間で予知能力だって噂が流れてただろ。あれ、本当だったらしいな」

「ええ、私の能力は予知能力ですよ。詳しくわ説明しませんけどね」

「なるほどね。だから依頼の時、『今日は幽霊が来る日』って断言出来たわけか」

「そうです。私の能力で今日現れることは予測済みだったので、あとはいい囮がいれば良かったんです」

「よく分かったよ。おかげで、エライ目にあった」

「ふふっ、それについてはすいませんね」


生徒会長はやはりニコリと笑いながらそう言った。


「まあいいや、それで犯人の方は?」


朝日は生徒会長の足元で縮こまっている犯人を指差す。


「今、こうして取り押さえてますよ」


生徒会長の手にはよく見ると小さなナイフが握られていた。

朝日達は生徒会長の近くまで歩いて行くと縮こまっている犯人を見た。


「また、なんでこの人はこんなことを?」


朝日は生徒会長に呆れ気味に聞いた。


「ふふっ、朝日さん。この科学実験室にあるものをご存知ですか?」

「科学実験室にあるもの?」

「ええ、実は科学実験室には教師が研究用に使うデバイス収納型武器専用の設計機器があるんです」

「デバイス収納型武器って、俺らが使ってるあの?」

「はい、その武器を設計する機器が揃っているんですよ。彼女はそれを使いたかったんでしょうね...。そうよね」


生徒会長は足元の女生徒に向かって言う。

そう言われた女生徒はビクッと体を震わせながらゆっくりと口を開いた。


「は、はい。本当にすいません。夢だったんです。一から自分で武器を設計することが...」


女生徒は涙目になりながらそう答えた。


「わ、私は能力機械工学科の生徒なんです。そこなら、自分が思った物を作れるんじゃ無いかと思ったんです。でも、授業はいつも型にはまったものばかりで実習の時も決められたものしか作れない。全然満足できなくて...。そんな時に3号館の科学実験室に専門の設計用の機器があるって聞いてそれで...」

「侵入したんですね」

「は、はい」


女生徒は俯いて答えた。


「でも、どうやって侵入したんだ? そんな専門の機器が置いてある場所なんて絶対鍵がかかってるだろ?」


朝日は女生徒に聞く。


「......つい最近、テロ事件がありましたよね。その対応で鍵の保管庫の警備が薄くなってるところを...」

「盗んだわけか」


朝日は呆れた様子で言った。


「本当にすません! 最初はこんな大ごとにするつもりはなかったんです! でも、どこかで私が侵入してるのを見てた人がいたらしくてそれで幽霊が居るって騒ぎになっちゃって。本当にすません!」


女生徒は涙目になりながら何度も謝る。

その様子を見た生徒会長はナイフをデバイスにしまうと


「はあ〜、分かりました。不純な目的ではなく単純に知的な好奇心から来たことのようなのですし、それに被害もほとんどありません。今回は特別に不問とします」


そう言った。


「ほ、本当ですか! あ、ありがとうございます!本当にすませんでした!」


女生徒は涙をぬぐいながら生徒会長にお礼を言う。


「ただし、金輪際、許可無くこの科学実験室に入ってはいけませんよ!」


生徒会長は女生徒に強くそう言った。


「はい、分かりました。......それじゃ、この設計データは消しますね...」


女生徒は悲しそうにデータの消去ボタンをおそうとするが


「待ちなさい」

「へ?」


生徒会長の意外な一言に女生徒は間抜けな声を出す。


「何もデータを消しなさいなんて言ってないわ。そこまで作ったのにもったいないじゃ無い。それに、科学実験室にも入るなとは言ってないわ」

「で、でも、さっき」

「これからは私の許可を取ってから使いなさい。夜じゃなくてね」


生徒会長は笑顔で女生徒に言った。

それを見た女生徒は


「うぅぅ、生徒会長、ごめんなさい〜〜!」


そう言いながら生徒会長に抱きついて泣き出してしまった。


「随分と優しい対応だな、生徒会長様」


朝日はその様子を見ながら生徒会長の横に並ぶ。


「勿論、罰を無しにすることはできません。不問するとは言っても盗みをしてますからね。反省文くらいは書いてもらいますよ」


生徒会長は女生徒の頭を撫でながら言った。


「はい、書きます〜〜〜〜。何百枚でも書いて出します〜〜〜〜!」


女生徒は泣きながらそう答えた。


「しばらく、泣き止みそうにはありませんね」


無元は苦笑いしながら女生徒を見守る。


「そうだな、でも、これで一件落着だろ」


朝日は大きなあくびをしながら無元に言う。


「そうですね」


そんなこんなで、幽霊騒動は幕を閉じたのであった。

後日、生徒会長には三百枚の反省文が送られて来たらしく、生徒会長がそれを一字一句読み逃すことなく読んだのは言うまでも無いことである。



〜おまけ〜 ※若干なホラーが入ります


幽霊騒動の後、女生徒と別れて朝日、無理、生徒会長で帰路についていた。


無元「それにしても本当に怖かったですよ」


朝日「そうだな、結構スリルあったな」


生徒会長「ふふっ、なかなか楽しそうな体験ができたみたいですね」


朝日「お前が言うなよ。8割生徒会長のせいだよ」


生徒会長「まあまあ、たまにはいいでしょ。こう言うのも」


無元「まあ、確かに結構楽しかった気はしますけどね」


朝日「無元、お前な〜〜」


生徒会長「ふふっ」


朝日「そういや、生徒会長。カメラ返すぜ」


生徒会長「あら、どうも。このカメラ使った?」


朝日「いや、使わなかったよ。てか、使う余裕なんてなかった」


無元「あの幽霊もどきすごく速かったですからね。逃げるのに必死でした」


朝日「だよな」


生徒会長「......あの」


朝日「ん? どうした?」


生徒会長「本当にカメラ...、使ってないんですか?」


朝日「ああ、一度も使ってないぜ」


生徒会長「...そうですか。それじゃあ、質問を変えますけど科学実験室に行く前に朝日さん転んでませんか?」


無元「ああ、そう言えば。朝日さん転んでましたね


朝日「ああ、そういや転んだな...。ん? なんで生徒会長知ってんの?」


生徒会長「これを見てください」


無元「ああ、カメラですか。あっ! 朝日さんが転んでる所が写ってるじゃないですか!きっと転んだ拍子にカメラを吹っ飛ばした時、たまたま取れたんですね」


朝日「バカかよ、それデジカメだぞ。電源も入れてないのに写真が撮れるかよ」


無元「でも、取れてますよ。ほら」


朝日「ほ、本当だ。まじかよ、変なこともあるんだな。で、生徒会長これがどうかしたのか?」


生徒会長「......その写真のあなたの足の部分......」


無元「え? 朝日さんの足....,」


朝日「おい、どうしたんだよ。二人とも黙って」


無元「あ、朝日さん! こ、これ!」


朝日「なんだよ。...................」


無元「朝日さん...」


生徒会長「朝日さん...」


朝日「サーーーーー(血の気が引く音)」


朝日があの時転ぶのも無理ない。

なぜなら......

またまた取れた写真には朝日の足に絡みつく女が写っていたのだから.......。

ここまで読んでいただきありがとうございます!

いやーー、ひと段落つきました!何かと散々な7月でしたがもう8月もう怖いものはありません!(多分)いろいろ、更新が遅れたりなど本当にすませんでした。

さて、今回の話は夏ということで少しだけホラーを取り入れて見ました。これで、涼しくなった人はあまりいないと思いますが楽しんでくれたら幸いです。

ちなみに作者はホラー苦手です。

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