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人生五度目。浅井茶々は遂に開き直った〜今度こそ、生き残らせてもらいます!〜  作者: 奈羅
第六章 豊臣家の試練、家康は胃薬片手に政務をこなす
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江戸に帰る準備してたら、後継者が増えてる

怒涛の醍醐寺の花見から、一週間後。


旭、秀忠、賢子は予定通り江戸へ帰還することとなり、茶々たちもそれに付き従う形で関東へ戻ることになった。


荷造りを終え、茶々は旭と賢子と共に一息ついていた。


「江戸に着いたら、まずはお賢に城奥の案内せなあかんな。」


「はい。大坂城や聚楽第に劣らぬ城と聞いております。

とても楽しみです。」


賢子は若狭で生まれ、その後は畿内で育ってきたので、今まで畿内から出たことがない。

慣れ親しんだ故郷を離れる不安はあるが、新境地での生活を楽しみにしていた。



「私も帰るん、ほぼ一年ぶりやしなぁ。だいぶ変わっとるやろうな〜。」


ふと、旭が思い出したように言う。


「あ、そうや。お茶々。」


「殿は、もうしばらく上方に残るそうやで。」


「……そうなのですか?」


「うん。ほら、花見の時にあったやろ?」


「ああ……。」


茶々は苦笑する。


あのこの世の全てを凝縮したような地獄絵図、忘れようにも忘れられない。


「義父上様は、まだ残られるのですか?」


「うん。」


旭は肩をすくめた。


「治兵衛……ごほん。関白様が、兄様に家督の件を迫ったんよ。鶴松に譲れ、って。

あれなぁ……意外と賛成してる大名や公家衆が多いんやって。

殿も、その考えを支持する言うてたわ。」


(……調整役、か。)


茶々は静かに納得する。


「鶴松様は、まだ六つ。」


「元服もまだですのに……。」


「いくら周囲が支える言うても、早すぎるやろ。」


「……関白様は、秀保様の後見もされておりますよね。」


(過労で倒れたりしないかしら……。)


秀長の件が、頭をよぎる。どうにも、嫌な予感が消えない。


それから三日後、萩野が報告を持ってきた。


その顔は完全に固まっていた。


「……足利の旧幕臣らが動いております。」


「……は?」


「拾丸様を……豊臣家の後継に、と。」


「は??」


思わず素の声が出る。


「いや、でも……関白様は鶴松様をと……。いまその調整で皆、動いておる。」


「はい。」


萩乃は冷静に続ける。


「前田加賀様をはじめとする恩顧大名。

石田治部少輔様、加藤主計頭様、福島左衛門尉大夫様、大谷刑部様……。」


一拍置く。


「近衛様、九条様ら摂家も含め、主流は関白様支持にございます。ですが……。」


更に一拍。


「旧幕臣らの間では、三好と足利の血を引く拾丸様を推す声が、根強うございます。」


(……分裂してる。)


静かに、しかし確実に。


「……この件、大殿と御台様のお耳にも入れておいた方が良いわね。」


茶々は立ち上がる。


「誰ぞ!」


「はっ!」


控えの奥女中が駆け寄る。


「大殿と御台様へ、謁見を願い出て。急ぎ。」


「ははっ!」


「萩乃。大殿と御台様へのご報告を……。」


「かしこまりました。」


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