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人生五度目。浅井茶々は遂に開き直った〜今度こそ、生き残らせてもらいます!〜  作者: 奈羅
第一章 タイムリープ五周目、開き直って何が悪い!
7/21

そういえば、ここ戦国時代だわ

大坂に秋の風が本格的に吹き始めた頃。


茶々は草子から顔を上げる。


「……お菓子、作りたい。」


「はい?」


於孝は花瓶に花を生けていた手を止める。


「寧々様に行って、台所使わせてもらおう。」


思い立ったら即行動。


茶々は立ち上がって、寧々の部屋へと向かった。


「姫様ぁぁ!?」


前世ではヲタ活の他に、お菓子作りも趣味だった。

ストレスが溜まると、シフォンケーキやらクッキーなどを大量に作り、同僚たちに配っていた。

また、同僚が材料を買い込んで自宅に押し掛けて来て、一緒に作ったりしていた。


(今まではそれどころじゃなかったからな……。でも、今どうしても作りたい!今!)


それから、茶々は寧々に頼み込んで台所に行き、カステラを焼き始めた。


(オーブンないけど、どうにかなるもんやな。)


城の侍女たちは興味津々で見守っている。

焼き上がったカステラを釜から取り出すと、侍女たちが歓声を上げる。


「半刻(約一時間)はこのまま置いてて。」


「はい。」


「さてと……。ババ様、呼びに行こう。」


「ではその間にお茶の支度を……。」


「うん、お願い。」


茶々は台所から出て、仲の畑へと向かう。


本日も仲は一人で畑の世話をしていた。


「ババ様。」


「あら、お茶々。どないしたん?」


「カステラを作ったんです。ご一緒にお茶は如何かと思いまして。」


仲は目を見開く。


「お茶々が作ったんか?」


「はい。急に作りたくなって〜!」


仲は今だに信じられない、という顔をしている。


(そりゃ、大名家の姫が台所に立つなんて、普通じゃないもんな〜……。)


茶々は苦笑いしつつ、仲の手を取る。


「ババ様、行きましょう。」


「……そうやねぇ、楽しみだわぁ。」


そして、いつもの笑みを向ける。


二人で奥御殿へ向かって歩いていると、大柄な男の背中が見えた。


「あら?」


「まぁ〜、市松じゃにゃーかぁ。」


呼ばれた男が振り返った。


「ババ様……。一の姫様も。」


福島正則。


秀吉の子飼い衆の一人で、『賤ヶ岳七本槍』と呼び声高い、戦国時代を代表する武将だ。


(相変わらず、デカいな……。つか、若っ!

……いや、待て。そりゃそうだ。確か、()()()()二十代前半だもんね。)


嬉しそうに話す仲と適度に相槌を打つ正則を見ながら思う。


思い出すのは、四度目の人生。


内部分裂を回避させる為、話し合いをさせたあの時。


(この人、石田三成と昭和のヤンキーとヤクザが素足で逃げ出しそうな、バチバチな言い争いしてたよなぁ〜。)


しかし、そのお陰で、内部分裂を回避したのは茶々だけが知る。


そんな事をぼんやりと思っていると、仲が正則にお茶の誘いをしていた。


「そうしたいのは山々なんやけどな〜、まだ御用が残っとるんだわ。」


「ちょっとぐらいええやないのぉ。」


正則は困った顔をして笑っている。


そして………


茶々をチラリと見た。


(……ああ、()()は……。)


茶々は仲の肩にそっと手を置く。


「ババ様、福島様はお忙しいのですよ。

またいずれ……。」


「……う〜ん。久々におみゃあと話が出来ると思うたんやが……。仕方がにゃーで……。

市松、佐吉みたいに無茶せんでよぉ。」


「ははは!あたりみゃーだわ!」


そう言って、茶々は仲を連れて行った。


(忘れてたわけじゃないけど……。今、戦国時代真っ只中なんだよな。)


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