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父に頼まれて契約結婚することになりましたが……どうやら退屈する暇もなさそうです!  作者: ゆずこしょう
結婚ですか……?

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マーガレット。

トパーズ・ファレノプシス視点


「姉上は相当怒っていますよ。父上…」


マーガレットの後ろ姿を見ていると、サフィールが近くに寄ってくる。


昔からマーガレットは結婚に興味がなかった。

恐らく私が早くに離縁したのが原因だろう。未だに母に捨てられたと思っているのだ。


確かに置いていかれたのだから、そう感じてしまうのも仕方ないのだが、ちゃんと話し合いをした上での円満離縁である。


今回は契約結婚という形でも無理やり結婚させてしまったのだ。しかも全てマーガレットが悪いということになってしまった。誰だって怒るなという方が無理というものだ。


「サフィール…マーガレットが『カチンときました』と言った時は、相手が可哀想なくらいにやり返される時だったよな…」


「はい…そうですね。」


マーガレットは小さい頃から周りより頭がキレるだけでなく、かなりの負けず嫌いだ…そのせいか、喧嘩を売ってきた相手を徹底的に潰してしまうことが多い。


しかも相手を潰すための動きに余念がないのだ。


今まで潰されたのは子供ばかりではない。

貴族や商会に至るまで潰されてきている。まぁ、大抵はマーガレットの下に着くということで丸く収まるのだが…相手を味方につけるのも上手いのがマーガレットだ。


ただ今回はクリスティーナ様もフェザリス公爵もやり過ぎただろう。きっと情状酌量の余地はない。


「陛下。マーガレットを敵に回したのは誤算でしたね…クリスティーナもフェザリス公爵も…あいつの怖さを知らなさすぎる…」


そう…ここにいる王太子殿下も、マーガレットをバカにしてやり返された一人である。そのお陰で今は真っ当に生きているが…相当なワガママ王子だったのだ。


もしかしたらマーガレットは王太子と知らずにやり返していたかもしれないが…。


「まぁ、マーガレット嬢に全てを任せるわけにはいかないからな…お前も動いてやれ、ティグレッド」


「分かりました。サフィール。お前も手伝えよ。マーガレットを一人で相手にするのは俺には無理だ…。」


「はぁ…仕方ないですね。姉上のことですから…お任せください…」


マーガレットのことは二人に任せて、私は私で動けることから始めることにした。


これからさらに忙しくなると思うと憂鬱な気分だ…。


***


ティグレッド・オリヴィエ視点


マーガレットとサフィールとは、なんだかんだ小さい頃からの腐れ縁だ。


マーガレットの父であるトパーズが早くに離縁したことがきっかけだろう。


昔から領地の仕事に財務局の仕事もしているトパーズは多忙を極めていた。少しでも子供との時間を取りたいと考えたトパーズは、仕事を辞めるという決断をしたそうだ。


しかし、父上はそれを止めた。


財務局には以前から不正を働いている人が何人かいた。しかし財務局のメンバーは前国王の時から続けている人が多かったこともあり、なかなか強く言えなかったんだそうだ。


しかしトパーズが財務局に入ったことで、風向きが変わり始めた。


だからこそ辞めずに残ってほしかったそうだ。


そこで父上はトパーズに提案をした。


「二人を王宮に連れてきなさい」と…


初めのうちはサフィールがまだ小さかったため、マーガレットだけがトパーズと王宮に来ていた。


マーガレットと俺は、同じ歳ということもあり、一緒に行動することが多く、勉強やダンスの練習、剣術や馬術の稽古まで、教育という教育は全て一緒に行っていた。


喧嘩も何度したか分からない。一度も勝てたことはないが…。


それに、ずっと一緒にいたから、マーガレットの頭がいいのは誰よりも知っている。


「あいつがまさか結婚するとはな…」


「それは、俺も同じ気持ちです。ディグレッド殿下。あれだけ結婚したくないと言っていたのに…まさかこんなことになるとは思ってもいませんでした…」


両親が早くに離縁したことがトラウマなのか、ずっと結婚はしないと言っていたからな…。


「てっきり結婚する時はディグレッド殿下が兄上になってくれるものとばかり思っていたんですけどね。」


サフィールは笑いながら話すが、俺だってマーガレットと結婚できるのは俺くらいだろうと思うくらいには自惚れていた。


マーガレットに恋愛は無理でも、家族愛は俺が分けてあげられるのではないかと思ったんだ。もちろん恋愛ができたら一番いいんだが。


いつからだろうな…小さい頃から居すぎて忘れてしまったけど、オレンジの髪色も、海を切り取ったようなエメラルドグリーンの目も、太陽のように笑う笑顔も、芯がまっすぐしている所も、負けず嫌いなところも、全てが好きでたまらない。


不思議なことに、喧嘩をすればするほどあいつの色々な一面を知れて好きになっていく。


「俺もそのつもりだった。でもまだ諦めてないからな。三年だろ? その間にあいつを取り戻す。まぁ、マーガレットのことだから自分でなんとかしてしまいそうだけどな。」


サフィールはその言葉を聞いて一言。


「期待していますよ。ディグレッド兄上。」


と返してきた。


「その前にあいつから『カチンときました』という言葉が出たんだ。相手の心配もしてやらないとな…」


「フフ。そうですね。姉上は加減という言葉を知りませんので…」


二人でマーガレットのことを思い出してひとしきり笑ったあと、俺たちは帰路に着いた。


こんばんわ!

ゆずこしょうです。

明日からは8:20、12:20、20:20の三回更新予定です。

よろしくお願いいたします!

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