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父に頼まれて契約結婚することになりましたが……どうやら退屈する暇もなさそうです!  作者: ゆずこしょう
波乱の幕開け?

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クリスティーナと……

クリスティーナから手紙をもらってから数日が過ぎた。

私の休みも刻々と終わりに近づいており、早く帰らなくてはならないと焦りが出てくる……なんてことはなく、いつも通り過ごしている。


デザイン画を見せるために何度か通ったが、なかなか二人で話す機会はなかった。というのも、いつも通りクリストフが近くにいるからだ。


「どうやったら二人になれるかしら……短い時間でもいいから話せる時間が欲しいわね」


ディーのところから帰ってきたあと、モニカたちにも手紙の内容を伝えた。スージーは少し話したときに渋った顔をしていたけど、モニカたちは静かに話を聞くだけだった。


「それでしたら……クリスティーナ様の採寸をすれば良いのではないでしょうか。さすがに採寸するときに近くにいるということはしないと思います……」


「確かに……モニカの言う通りね! 産前と産後では体型も少し変わってくるというし、ドレスを綺麗に着てもらうためにも採寸したいと言ってみるわ!」


それから私の行動は早かった。デザイン画を持って、もう一度確認に行く。そのときに合わせて採寸したいと伝えた。


初めはクリストフも離れるのが嫌なのか渋っていたが、クリスティーナが何とか言いくるめてくれて、十五分という短い時間だけど話す時間が取れた。


「手紙、読んだわ……まだすべてを許せるわけじゃないけど、許せるように努力はするわ! そのためにも教えてほしいの。あなたの子供はどこ?」


「マーガレットお義姉様……。私の子供は……クリストフがどこかに連れて行ってしまったの。本当は……私とジェラールの子なのよ。それをクリストフの子と言うように言われていたの。でも言いたくないから……」


なるほど……言いたくなかったから、ずっと父親の名前は言わずに口を閉ざしていたということね……。


それにしてもスージーといい、クリスティーナといい……私はあなたたちの姉じゃないのだけど、最近は年上の女性を姉と呼ぶのが流行りなのかしら。


「わかったわ。あまり時間がないから、その話はまた後で。アニエスはここに来た?」


「ええ。一瞬だけど……なんかすごい臭い匂いがしていたわ。甘ったるいのと、少しすえた臭いがしていた。その後すぐに屋敷から出て、どこかに行ってしまった。また帰りに寄るって言っていたから来ると思う」


毎日あの臭いを嗅いでいる中で生活していたら、身体に染みついていてもおかしくないだろう。


それにしても、どこに行ったんだろうか。

協力関係のある国や領地があるとか……? そうなってくると、かなり大きな問題になりそうだけど……。


「わかった。まだ子供は無事なのね? もう少し我慢できる?」


「無事だと思う。フェザリス家の血を継ぐ子供だから大切にしないとって言っていたもの。私はまだ大丈夫だから、無理だけはしないで」


フェザリス家の血を継ぐ子供か……この数年、あんな状態のジェラールとどうやったら子供ができたのだろうか。まさかの天からの授かりものとか……はないな。


「一瞬、ジェラールがいつものジェラールに戻ることがあったの。私の好きなね……そのときにできた子供よ。天使が運んできたわけじゃないわ……」


思っていたことが口に出ていたのか、クスクス笑っているクリスティーナ。


まだ笑う元気があるようでよかった。


「そう……いつものジェラールに戻ったという言葉が気になるわね」


「そのときにジェラールが言っていたわ。このままだとアニエスにすべてを取られるって。でもそのあとすぐに元に戻ってしまった」


やっぱりアニエスが元凶なのか。あとはクリストフね。

アニエスがフェザリス家のメイドになったあたりから、ずっと計画を練っていたのかもしれない。


もう少し話がしたかったけど、時間を過ぎたら面倒なことになりそうだったので、採寸を終えるとすぐ邸を出た。


***


「色々情報収集もできてきたけど、証拠が弱い感じがするわね……」


まずは子供だ。子供が本当にジェラールとクリスティーナの子なのか。本当だという確固たる証拠が必要だ。


そのためにもジェラールには正気に戻ってもらう必要がある。


「そのためにも、あのお香の謎の解明ね」


「あのお香についてはスージーにお任せください。お義姉様!」


一人で色々考えていると、スージーとナニカが部屋に入ってきた。


「何かいい案があるの?」


「はい! アニエスがいない今を狙って、お香をシャドウが取ってきました」


シャドウはスージーの代わりにフェザリス公爵邸に滞在してくれている、信用に値する人物だ。

アニエスがいなくなったことをいいことに、きちんと仕事をしてくれるなんて、さすがシャドウだ。


「さすがね! そのお香、マルグリット商会に持っていくように伝えてくれる?」


簡易ではあるものの、成分を調べることができるはずだ。


「わかりました! お義姉様のためにも動いていただきます!」


あとは……正気に戻ってもらう方法ね。成分さえ分かれば、薬も効いてくるだろう。


スージーに動いてもらっている間に、私は子供とアニエスの居場所を探し始めた。


しかし、一週間経ってもアニエスは戻ってこなかった。


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