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父に頼まれて契約結婚することになりましたが……どうやら退屈する暇もなさそうです!  作者: ゆずこしょう
結婚して半年……そろそろ進展が欲しいころですね。

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クリスティーナの行方。 ディグレッド視点

「ディグレッド王太子殿下。やっとクリスティーナ様を見つけたという情報が入りました!!」


「本当か!?」


そう言って駆け寄ってきたのは、俺の側近の一人でもあるクレソン・アルヴィエだ。


クリスティーナは結婚式の後から姿をくらましていて、なかなか見つけることができないでいた。


結婚式のときに来ていた貴族たちにも話を伺ったが、誰一人としてクリスティーナがどこに行ったか知っている者はいなかった。父上たちも、もしかしたらこの国を出て他の国にでも行ってしまったのではないかと半分諦めていた矢先に、やっと掴めた情報だった。


正直、自分に味方をつけて、全てマーガレットが悪いと押し付けた時点で、このままいなくなるとは思ってもいなかったが……。


「はい、それが……なんでもフェザリス公爵領にいるようなんです」


「な、な、なにぃぃいいい!?」


まさか元婚約者の領地にいるなんて、誰も思わないだろう。確かこの半年、ジェラールは一度もフェザリス公爵領へ行く素振りはなかった。


領地に興味がないだけとも思っていたが、おそらくクリスティーナがいたから行かなかったのだろう。


「声が大きいです。もう少しボリュームを落としてください。一応、似た人を見たというだけで確証は得られていないのですが……。見た目は瓜二つだと……。クリスティーナ様に双子の姉か妹なんて……」


「いるわけがないだろう!!」


クレソンは乾いた笑い声で「ですよねぇ~」と返してくる。


今まで何度も王宮に来て、クリスティーナとも会っているというのに、そういう思考になるんだ……。


「それで……クリスティーナの子供は……」


あれから半年……そろそろ生まれていてもおかしくはないはずだが……。


「そこまでの情報は来ておりません。ですが、相手の男の名前はわかりました。クリストフ・バンギー二。バンギー二商会のボンクラ息子と有名な男です」


バンギー二商会……確かこの国で一、二を争う商会だったはずだ。裏でヤバい連中と繋がりがあるとも聞いたことがある。


それに……最近、マーガレットの作ったマリガリーテ商会が勢いに乗っていて、売り上げが落ちていたはずだ。


「あの男か……確かにあまりいい話は聞かないな……。クレソン、すまないがもう一つ頼まれてくれ。バンギー二商会とアニエスという女の繋がりについても調べてほしい。おそらく何かしら繋がりがあるはずだ」


「構わないですが、殿下はどちらに行かれるのですか!?」


「父上に話をしてから、ファレノプシス伯爵邸に行ってくる」


クレソンもその言葉を聞いて何か理解したのか、「お気をつけて~!」と言って、そのまま自席に座った。


***


「父上。今よろしいでしょうか? クリスティーナの居場所がわかりました」


クレソンと別れた後、俺は父上の元に来ていた。


「なんだと!?」


急に立ち上がったのか、ガタガタと何かを落とす音が聞こえる。寝ていたんだろうか。


扉を開けると、椅子から転げ落ちたような格好をしている。


「大丈夫ですか……父上。さては……居眠りしてましたね?」


「だ、大丈夫だ。それに寝てはいない」


クリスティーナのこともあって、相当疲れているんだろうな。寝ていなかったと言っているが、顔に線が入っている。しかも少しよだれの跡も……だ。


俺は笑いを堪えながら……。


「そ、そうですか。ならいいのですが。クリスティーナですが……どうやらフェザリス領にいるようです。ですので、俺は近々フェザリス領に行ってこようかと思うのですが、よろしいでしょうか?」


「フェザリス領だと!? 確かもうすぐマーガレットが……しまっ……いや、なんでもない……」


父上……隠しきれていませんが……。マーガレットも行くということだろうか? 俺がマーガレットの名前を出すと、追いかけていくとでも思っているんだろう。


「で、父上……隠しきれていませんが……もしかして、マーガレットもフェザリス領に行かれるのですか?」


半年もマーガレットに会えていないのだ。そろそろ禁断症状が出てきてもおかしくない。


マーガレットに一目でもいいから会いたいと思うのは、いけないことだろうか。


「あ、あぁ……サフィールからそのように聞いている。確か、一週間後だったか……。なんでも公爵家全体のお金の流れがおかしいから調べに行くんだそうだ。もし、お前も行くというなら、変装してマーガレットの従者としてついて行くといい……」


確かに王太子殿下として領地に行くと目立ってしまって、クリスティーナが逃げてしまう可能性もある。だったら従者として行くのも一つだろう。それにマーガレットの近くにいられるしな……。


「わかりました。それと、アニエスという女性。父上は知っていますか?」


「知っている。アニエスはこの辺りを昔牛耳っていた盗賊団の元締めだ。同名ということでなければだがな……。この話は長くなるから、また今度しよう。こちらでもまだ調査が終わっていないんだ。わかったら教えるから、それまで待っていてくれ。マーガレットのことは頼んだよ」


アニエスが盗賊団の元締め!? しかも父上が昔と言うってことは、かなりの年齢なんじゃないだろうか。


この話は父上に任せて、フェザリス領へ向かうことにした。


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