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転生先は灰かぶり  作者: 紗吽猫
イベント~夏休み・帰省~
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第十夜 ③ー5

「けどよ、そのおかげで英雄は味方になったと言ってもいい状態になったんだろう?それは功を奏したと言って良いんじゃないか?」


「そうだけど…。確かにね?あの堅物も一応は様子見で手を収めてくれたけど…。もう終わったと思ったわよ…。てゆーか、おかしくない?原作では彼が魔女を殺す事に躊躇いなんてなかったじゃない?でも実際の彼は…なんて言うか魔女について詳しくて無意味に処刑することは望んでないわ。これ、ちょっと温度差あり過ぎじゃない?」


「そうだな。ハンニバルは原作のイメージとそんなに変わんねーけど、英雄はだいぶイメージが違うんだよな。あいつ、嫉妬とか隠す気無いしな…」


アイザックはクイッと珈琲を飲む。


「それに…最初っからお前に執着し過ぎじゃねーか?主人公は聖女だろ?いくら最初のイベントをエラがやったとしても、聖女にほとんど取り付いてないのがおかしいんだよな」


「そうよね… 。彼、すっごいスキンシップして来るのよね…。お陰で…虐めっ子達に目をつけられるんだけどね…」


はぁ…と遠い目をしながら溜め息をついた。帰省イベントを終えた今の心境としてはイオニコフの好意は素直に嬉しいと思う。しかし、同時に虐めっ子達の行為がエスカレートする悪循環が生まれてしまっている。何とも言えない状態だ。


「まぁ、しかたねーだろ。いっそもういじめっ子どもからも守ってもらえよ」


「簡単に言ってくれるわね…」


「ま、諦めろん。どのみちあいつらの手を借りなくちゃ最終イベントを回避できないんだしな。ハンニバルが命狙ってこなくなっただけでも儲けもんだろ?」


「それはそうだけど…。でもなんか…こうも知らない展開が増えると不安になってくるというか…」


「まぁな。…んー、なぁ、お前ってさ、続編について聞いたことあるか?」


アイザックの言葉にエラは首を傾げた。


「続編?」


「やっぱ知らなかったか。まぁ開発発表があったって言うだけで正式なもんじゃなかったけどな、それに続編って言うよりファンディスクみたいなもんらしいが」


「ファンディスク?そんなの出る予定だったんだ」


「らしいぞ。もしかしたら英雄が魔女について詳しく知ってることも原作と違う態度を取ってくるのもその続編での設定とかが関係してるのかもな」


…なるほど…。続編かぁ。真・ENDは賛否両論で大炎上、だったわけだし名誉挽回しようとしたのかしら?


「ねぇアイザック。前に“灰かぶりのエラ”だなんて意味深だ、って言ってたじゃない?それって続編と関係ある?」


「んーさぁ、どうだかな。俺は…時ノクの企画段階のヒロインは灰かぶりのエラだったんじゃないかって思ってんだよな。魔女の設定にしたってその時の名残なんじゃないか?」


「名残…それを使うための続編?」


「かもな。まー今さら確認のしようもないけどなぁ。俺達二人ともこっちに来ちまったし。ただ、もし、続編の設定が絡んでるなら…」


アイザックはここで一旦区切って、一呼吸入れる。


「この先、俺達も知らない展開が起きる可能性があるってことだな」


その言葉に紗夜は途方に暮れそうな気持ちになった。


「嘘でしょ…?」


「こればっかりはしゃーねーよ。けどな、可能性は高いと思うぞ?現状、ただの虐められっ子な筈のお前が英雄の寵愛を受けてんだからな。元々が灰かぶりであるエラがヒロインだった設定をもし、続編に組み込んでそんなシナリオを作っていたとしたらどうだ?」


「エラが…ヒロインなシナリオってこと?」


「そーゆーことだ。もしそんなシナリオがあったとして、続編でのそれらの設定がこの世界にも組み込まれてるんだとしたら…」


…イオニコフがエラに好意的だったりするのも頷ける。元祖、主人公ヒロインのリチアがハーレム状態になる訳じゃないのも…続編の主人公ヒロインがエラだから?だとしたら、


「この世界には二人の主人公が存在してるってことになるのね?」


「だな」


暫く、二人の間には沈黙が降りる。紗夜エラは椅子に座ったまま足をぶらぶらさせた。

喫茶店に差し込む日差しはオレンジ色に染まっている。もう夕暮れ時だった。


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