表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
月色の砂漠  作者: チク


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

27/30

月色の髪


 リゾは力を使い果たしたようだった。さすがに三日雨を降らせるのは無理がある。

 泉の前で倒れているリゾは生きているのか、クスナには確認できなかった。

 クスナも動けなかった。

 それにこの感じ、泉の底にある水(魔)脈の影響だろう、頭が割れるように痛かった。


 夜になっていた。

 クスナはぼんやりと月を見た。

 きれいな満月だった。


 視界の端に何か光るものが見えた。何かが近づいてくる。


 そちらに顔を向けると、キョウだった。

 灰色のはずの髪が、月明かりの下、また金色に輝いている。


 キョウは神々しい光のようなものに包まれていた。

――本当にキョウか?



 キョウは倒れているリゾの傍にしゃがみ、回復魔法を唱えた。

 倒れていたリゾは上半身を起こした。

 リゾが相当驚いてるように見えるのは、キョウの髪の色のせいだろうか?


「……リゾ」

 キョウはたどたどしい口調で、リゾの名前を呼んだ。

「……?」

「リゾ」

 と語ってるいるのは、キョウだがその口調は少女のようだった。


「ありがとう。あなたは生きて……」

「……レン?…様?」

「大好き。幸せになってね」

「………」

 リゾはキョウの手を握り下を向いた。

 その体が震えていた。泣いているようだ。

 キョウは、小さい子をあやすように、リゾの頭をなでていた。




     * * *


「まったく、無茶するね」

 キョウは、クスナを背負い夜の砂漠を歩いていた。

 その先導するのは環境維持ロボだ。黒い水晶のロボだった。

「病み上がりのあなたに言われたくないです」


「もう、私は魔法が使えないから、回復させて上げられないよ」

 そういうキョウの髪は灰色だった。

 じゃあ、さっきリゾを回復したのは……?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ