初心者狩り
部屋を出ると俺の目には驚くべき光景が入ってくる。
ここからはかなり遠い所にあるが街といってもいいほど建物などが俺の目に入ってくる。
「おいおい! マジかよ...」
このフロアの広さはどのくらいか全く予想がつかない。
こんな規模の大きなゲームだとは思わなかった。
しかし、俺の中で一つ疑問が生まれまた。
こんな町などが並ぶ敷地などをどこから用意してきたのだろう? これを維持するための予算は? これはかなりこのゲームの準備には大きな企業などが裏で繋がっているのだろう。 じゃなきゃこの敷地のデカさなんかは絶対に無理だ。
そう考えると目の前に見える町に向かって歩き出す。
「もうゲームは始まってるんだよな」
とても不気味な感じだ。
人の気配などは全く感じない。 しかし歩いている道を見ると血の跡か? 赤色の液体がチラホラとコンクリートや、壁などに付着しているように感じた。
とても気味が悪い。
さっきから生暖かい風も吹いている。
「おいおい、マジかよ...」
歩いているうちにさっきまで小さく見えた建物がだんだんと大きく見えるようになってきた。 もうすぐ着きそうだ。
俺は建物に向かって再び歩き出す。
するとその時石の物陰から斧を持った若い男が俺に斧を振り回しながら襲ってきた。
「死ねや!!」
「は? 俺はすかさず頭を下げる」
俺の頭の上を斧がとても生々しい音を立てながら通り過ぎる。
俺は斧を持った男から距離をとる。
「おい! テメェー殺す気か?」
「は? そういうゲームだろうが!」
男は右手に斧を持ち、左手には少し大きな石を持っている。
「お前もしかしてここにきたぼかりか?」
男はニヤニヤして俺にそう問いかける。
「さぁーな」
「これはかなりついてる!!お前初心者だな!?」
「なぁ!?」
冷静を装っていた俺は痛いところを突かれてしまいかなり動揺してしまった。
「やっぱりそうか! この道はあの馬鹿でかい街に向かうために必ず初心者が通る道だ」
「お前あの町に行ったことあるのか?」
「あぁもちろんある。 あそこにはセーフティーゾーンもあるし俺は安全だろうと踏んでいたがあそこは地獄だ」
「セーフティーゾーンがあるなら安心だろう」
「あそこにいるエスパーの能力者はここよりも一つ上のフロアから来たらしい。 今ここのフロアを支配しているがかなりいかれた野郎だ。 ヤバすぎる」
男を見るとかなり震えている。
「しかしお前にはもうそんな話関係ない。ここで死ぬんだからな」
「お前今まで何人殺した?」
「は? そんな事覚えてねぇーよ」
男は俺の方にどんどん近づいてくる。
男の目を見るとかなり目が曇っている。
もうどうにでもなれと、かなり暴走している。
「やめろ! 来るな!」
俺は男に大声を出して威嚇するも男には何も響いてない。
かなりの覚悟を持っているようだ。
男は再び俺に斧を振り回す。
俺は男の攻撃をなんとか避けながらも距離をとる。
すると男は左手に持っていた石を俺めがけて勢いよく投げてくる。
俺はそれを避けると再び距離をとる。
するとある異変に気付く
後ろにもう逃げる場所がない。
壁に阻まれて逃げることができない状況になってしまった。
「ようやくここまで追い詰めたか! もう早く楽になりたいだろ? 大人しく死んでくれ」
「お前わざとここまで避けられる攻撃を繰り出して俺を誘い込んだのか?」
「あぁ! これは俺が必死で生きるために考えた戦略だ。 少し卑怯と思うかもしれんが俺は弱い。 ここで大人しく初心者を狩り尽くして上のフロアにいく!」
男は俺に斧を向ける。
「しねぇぇぇぇ!!!!!」
男は斧をブンブンと振り回しながら俺に向かって走ってくる。
「やめろ!!!」
俺は体から火を一気に放出する。
火は俺の体を完全に覆いつくして燃えている。
男は急いで止まり、後ろに倒れ尻もちをつく
「は? 聞いてねぇーよ! お前エスパーかよ」
「あぁ! 俺はエスパーだ! お前なんか殺そうと思えばすぐにでも殺せる」
殺すつもりなんかは全くないが俺は男に大声を出して威嚇する。
「ヒィィ 死にたくない。 死にたくない。」
男の目からは涙が出ていた。 こいつ漏らしたのか? ズボンが濡れている。
男は尻もちをついて俺から少しずつ距離をとるも腰が抜けて起き上がることができないのだろう。
「早く行け! 焼き殺されたくなければな!」
俺はそういうと、男の横めがけて火を一気に放出する。
「アッツ!」
「早く行け!」
男は斧を拾いながら街の方に走っていった。
フゥ〜 まさかこんなところで能力者であることに救われるとはやれやれ。
俺は街の方にまた足を運ぶ。




