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親友、限界です。  作者: アル治


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第6話  体育祭と借りもの競争

いつも読んでいただきありがとうございます。

新学期。

教室は朝から騒がしかった。

理由はもちろん、体育祭。

「今年のリレー誰出るー!?」

「応援団どうする!?」

「絶対優勝しようぜ!」

クラスはすっかりお祭り空気だった。

そんな中。

陽向と結菜は、いつものように並んで話している。

「体育祭頑張ろうね!」

結菜が笑う。

「おう!」

陽向も笑い返した。

自然だった。

自然すぎた。

周りのクラスメイト達は、もはや何も言わない。

言う段階を過ぎていた。

ただ1人。

廊下でその様子を見ていた黒瀬だけは違った。

「……付き合ってないんだよな、あれ」

同時刻。

別クラス。

白石も窓から結菜達を見ていた。

「あれで付き合ってないの意味分からないのよ」

体育祭までの練習期間。

クラス委員が声を上げた。

「二人三脚のペア決めるぞー!」

すると。

クラスの男子が即答した。

「陽向と結菜でいいじゃん!」

女子達も頷く。

「息ぴったりだし!」

「絶対速いって!」

陽向&結菜。

「えぇ!?」

こうして。

半ば強制的にペアが決定した。

放課後。

校庭。

二人三脚の練習。

「いち、に!いち、に!」

最初はズレる。

でも。

数分後には、自然に息が合っていた。

「うわ、速っ!」

「めちゃくちゃ合ってる!」

クラスがざわつく。

陽向が笑う。

「結菜、上手いな」

結菜も笑った。

「陽向が合わせてくれてるからだよ」

その空気が自然すぎて。

クラスメイト達は遠い目になっていた。

体育祭当日。

快晴。

歓声と音楽がグラウンドに響いていた。

最初の競技。

二人三脚。

「陽向ー!!」

「結菜頑張れー!!」

声援が飛ぶ。

スタート。

「いち、に!」

「いち、に!」

2人の息は完璧だった。

「速っ!?」

「付き合ってるだろあれ!」

観客席がざわつく。

そのまま。

2人は1位でゴールした。

「やったな!」

「うん!」

ハイタッチ。

笑顔。

完全に青春だった。

昼休み。

結菜は陽向にタオルを渡していた。

「はい、水!」

「おー、ありがと」

自然。

夫婦みたいだった。

近くの男子が呟く。

「もう結婚してるレベルだろ」

女子も頷く。

「見てるだけで幸せ」

本人達だけ気づいていない。

午後。

借りもの競争。

陽向がスタートラインに立つ。

パンッ!!

スタート。

陽向は全力で走る。

途中。

紙を掴む。

開く。

そこに書かれていたのは。

『好きな人』

陽向、停止。

観客席。

ざわつく。

「おおおおお!!」

「来た!!」

「青春!!」

遠く。

黒瀬が立ち上がる。

「行けぇぇぇ!!」

陽向は少し悩み。

そして。

真っ直ぐ結菜の方へ走った。

「えっ!?」

結菜が目を丸くする。

陽向は手を掴んだ。

「来て!」

観客席、大爆発。

「うわああああ!!」

「告白じゃん!!」

「ついに!!」

結菜は真っ赤だった。

でも。

ちゃんと陽向と一緒に走る。

そしてゴール。

先生がニヤニヤしていた。

「どういう“好き”ですかー?」

観客席。

静まり返る。

全員が答えを待っていた。

陽向は笑って答える。

「親友として!」

静寂。

結菜も笑顔で頷いた。

「大好きな友達です!」

さらに静寂。

遠く。

黒瀬、崩れ落ちる。

同時刻。

白石も頭を抱えていた。

そして。

2人のツッコミだけが、綺麗に重なった。

「「違うだろ!!!!」」

体育祭終了後。

帰り道。

夕焼けの中。

陽向と結菜は並んで歩いていた。

「楽しかったね!」

結菜が笑う。

「おう!」

陽向も笑う。

少し沈黙。

そして。

結菜が嬉しそうに言った。

「来年もみんなで優勝しようね!」

陽向は笑って頷く。

「だな!」

遠く。

黒瀬と白石は、それぞれ空を見上げていた。

「なんで“みんな”になるんだよ……」

今後もよろしくお願い致します。

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