第4話 夏休みの距離
いつも読んでいただきありがとうございます。
終業式。
廊下で陽向がはしゃぐ。
「よっしゃー!」
「明日から夏休み!遊びまくるぞ!」
黒瀬は呆れた顔だった。
「その前に早く付き合えよ」
「誰と?」
「結菜」
即答だった。
陽向は真顔になる。
「なんでだよ」
「なんでじゃねぇよ」
黒瀬は頭を抱えた。
一方その頃。
「夏休みいっぱい遊ぼうね!」
結菜が笑う。
白石はため息をついた。
「その前に告白してこいよ」
「誰に!?」
「陽向」
結菜、停止。
「な、なんでそうなるの!?」
「いや逆になんでならないのよ」
白石は遠い目をした。
そして。
夏休み開始。
3日後。
陽向はベッドの上でスマホを見ていた。
通知なし。
沈黙。
「黒瀬……」
「なんだよ」
「結菜から連絡来ない」
黒瀬、停止。
「……お前からは?」
「送ってない」
「は?」
陽向は真剣だった。
「だって迷惑じゃん」
黒瀬は数秒固まる。
「は?」
「夏休みだし」
「家族の時間とかあるだろ」
「遊ぶ予定とかあるかもしれないし」
「邪魔したら悪いじゃん」
黒瀬の魂が抜ける。
同時刻。
結菜もスマホを見ていた。
通知なし。
「白石ぃ……」
「何」
「陽向から連絡来ないの」
白石、停止。
「……結菜からは?」
「送ってない」
「自分から連絡しろよ」
真顔だった。
結菜は慌てる。
「だ、だって迷惑じゃん!」
「夏休みだし!」
「陽向にも予定あるかもしれないし!」
「邪魔したくないし!」
白石、頭を抱える。
別の場所。
でも。
2人のツッコミだけは綺麗に重なった。
「「じゃ学校のあれ何なんだよ!!!!」」
翌日。
黒瀬は陽向を睨んでいた。
「夏祭り誘えよ」
「夏祭り?」
「花火あるだろ」
「屋台あるだろ」
「浴衣とか絶対可愛いぞ」
陽向、少し想像する。
赤くなる。
「……確かに」
「だろ?」
黒瀬は確信する。
(行ける)
同時刻。
白石も結菜を見ていた。
「夏祭り、誘いなよ」
「えぇ……」
「浴衣着て」
「花火見て」
「青春じゃない」
結菜、想像する。
顔が赤い。
「うぅ……」
「誘いなさい」
白石も確信していた。
(これは決まる)
その夜。
陽向はスマホを握る。
何度も文章を打って。
消して。
また打つ。
結菜も同じだった。
そして。
ほぼ同時に、メッセージが送られる。
『夏祭り、一緒に行かない?』
数秒後。
2人とも、勢いよく起き上がった。
『行く!』
陽向、真っ赤。
結菜も真っ赤。
でも。
2人が次に送った言葉は、ほぼ同じだった。
『みんなも誘うね』
別の場所。
黒瀬&白石。
「「嫌な予感しかしない……」」
今後もよろしくお願い致します。




