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親友、限界です。  作者: アル治


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第10話  修学旅行と京都の夜

いつも読んでいただきありがとうございます。

ついにこの日が来た。

待ちに待った――修学旅行。

1日目は移動と祇園散策。

2日目は自由行動。

3日目は宇治に立ち寄って帰路へ。

そして陽向と結菜の班は、

清水寺、嵐山、伏見稲荷を巡る予定だった。

修学旅行当日の朝。

駅の集合場所。

陽向は大きなあくびをしていた。

「ふぁぁ……」

そこへ結菜がやってくる。

「おはよう」

「お、おはよ」

結菜は陽向の顔を見て首をかしげた。

「ちゃんと寝てないの?」

陽向は少し照れながら笑う。

「楽しみで寝れなかった」

結菜は一瞬きょとんとして。

それからふっと笑った。

「……私も」

それだけで。

なんだか少し嬉しくなる。

新幹線。

班ごとに席に座る。

「お菓子回せー!」

「それ俺の!」

「まだ京都着いてないぞ!」

車内はすでにお祭り騒ぎだった。

ポテチ。

チョコ。

グミ。

次々と回ってくる。

「はい、陽向」

結菜が差し出したのは抹茶味のチョコ。

「京都だから?」

「まだ京都じゃないけどね」

2人で笑う。

窓の外を眺めたり、

みんなでトランプをしたり、

たわいない話をしたり。

楽しすぎて。

あっという間に京都へ着いた。

そこからバスで祇園へ。

石畳の道。

格子戸の町家。

どこか時間がゆっくり流れているようだった。

「すげぇ……」

陽向が辺りを見回す。

「なんかテレビで見るやつだ」

「ほんとだね」

結菜も目を輝かせている。

花見小路。

八坂神社。

円山公園。

祇園白川。

「見て、あの川きれい」

「写真撮る?」

「撮ろ!」

結菜が並ぶ。

自然と肩が近づく。

カシャ。

撮れた写真には。

少し照れた2人が映っていた。

そして夕方。

ホテル到着。

部屋割り表を見たクラスメイトが騒ぐ。

「おい陽向!」

「結菜!」

「お前ら同じ部屋じゃないのかよ!」

「は!?」

「な、なに言ってるの!?」

いつもなら即座に否定する2人。

だが。

今日は少しだけ反応が遅れた。

顔が赤い。

その様子に、クラスメイト達がざわつく。

先生が呆れたように言った。

「その冗談はほどほどにしろ」

「はーい」

夕食。

お風呂。

そして自由時間。

陽向も結菜もジャージ姿。

風呂上がりで少し頬が赤い。

偶然廊下で会った。

「あ」

「あっ」

少しだけ気まずい。

でも。

自然と並んで歩き出していた。

「修学旅行、楽しいね」

陽向が言う。

結菜が頷く。

「うん」

「なんかさ」

「いつもと違う感じする」

「……うん」

その時。

ふと陽向が結菜を見る。

お風呂上がりで少し濡れた髪。

柔らかそうな表情。

いつもより少し大人っぽく見えた。

「……」

「どうしたの?」

陽向は慌てて視線を逸らす。

「い、いや!なんでもない!」

顔が赤い。

結菜もつられて赤くなる。

「そ、そっか」

少しの沈黙。

その時。

陽向が言った。

「このホテル、バルコニーあるらしいよ」

「ほんと?」

「見に行く?」

結菜は嬉しそうに頷く。

「うん」

二人はバルコニーへ出た。

京都の夜景が広がっていた。

遠くの灯り。

静かな街。

澄んだ夜空。

「綺麗だね」

陽向が呟く。

結菜も見上げる。

「うん……すごい」

その時。

空を見上げた陽向が言った。

「月も出てる」

そして。

何気なく続けた。

「月が綺麗だな」

結菜は空を見上げて笑った。

「うん!すごく綺麗!」

その時。

夜風が吹く。

「っ……」

結菜が小さく震えた。

陽向はすぐに気づく。

「中入ろう」

「え?」

「せっかくの修学旅行で風邪引いたらやばいし」

結菜は少し嬉しそうに笑った。

「うん」

部屋へ戻る前。

「また明日」

陽向が言う。

結菜は頷く。

「うん」

「明日は自由行動だから、いっぱい楽しもうね」

「おう」

京都の夜は、まだ始まったばかり。

そして。

2人の修学旅行もまた、

ここから少しずつ動き始めようとしていた。

これからもよろしくお願い致します。

ラストイベントに入りました。

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