第7章 傍若無人
4月14日 ヒロシマ
オキナワの基地を離れ、約20分ヒロシマにある避難所に輸送機は着陸した。避難所から少し遠くに今でも動いている工場のような建造物を目視できた。
「もしかしてあの工場が……?」
「ああ、Sの基地と思われる物だ」
「かなりデカいな」
「とは言ってもどうやって中に侵入するんですか?」
「これを使う」
ルーはバックから細長いものを取り出す。
「光化学迷彩か」
「光化学迷彩って、相手からだと透明に見えるやつですよね」
「そう、一人一人あるから無くさないようにな。右のボタンを押すと装置が発動し透明化する」
各自突入の準備などをしている。
「じゃあそろそろ向かうぞ」
そう言うとルーは皆を車に乗せ工場へ向かう。
「あそこの崩れているホームセンターあたりに車を停めて、そこから徒歩で向かうぞ」
車で作戦を話していたその時、突如空中から赤い光が見える。それはビームであり、彼女らが乗っている車に向かって発射される。
「うわぁ!もしかしてバレた?!」
「らしいな…」
彼女らを狙った物体は、人型をしているが下半身がスラスターと燃料タンクが付いており、生きているようには見えない。
「初めて見る個体だ。アナベル、相手をしてくれ!」
「了解っ」
アナベルは、車から飛び出し、空中の物体を次々と地面にはたき落とす。
「そろそろ着くぞ。装置の準備を!」
アナベルは、車に戻る。
車は、ホームセンターの中に入っていき、彼らは装置を起動し透明化する。
ホームセンターの中に先ほどの物体が複数入ってくる。彼女たちが乗っている車に向かって発射された。そのままホームセンターを去っていった。
「どうやらバレていないようだな」
「基地に入ろう」
ゆっくり基地に近づく4人。基地に着いた彼女らは通気孔を通って進んでいく。基地ではアナウンスが鳴っていた。
「敵部隊発見。敵部隊発見。戦闘員ハ、周囲ヲ警戒。周囲ヲ警戒。」
「ここには、Sいるかな……」
「いや、いないな」
「警備がこんなに甘いはず無いですもんね」
「外れたか…しかしここの基地は無力化しとくべきだな……ん…?」
ルーが何かに気づく。
「後ろに下がれ!」
すると赤いレーザーが通気孔を貫く。
そして通気孔は、崩れ地面に落下していく。
「チッ……バレたか」
目の前には、先ほど襲ってきた物とは違う歩兵のような物が複数いた。その一番先頭にひときわ目立つ存在がいる。
「君らが侵入者か。なんか思ったよりメンツが若いなぁ〜」
人間のようだが、体に機械仕掛けが内蔵されている。彼の背中には、羽のようなものがあり所々が紫色に光っている。
するとルーが問う。
「お前は何者だ…?」
「僕はぁネオ・ウプシロン。ボスの命令で邪魔者を始末するように言われてたんだけどぉ〜……」
美咲をじっと見つめる。
「ほんとに君なのかなぁ〜?強そうには見えないや」
美咲に指を指し、そう言う。
「まぁ〜命令だからやるしかないかぁ〜」
腕を頭の後ろに組みながらゆっくりと歩き近づいてくる。
「来るぞ……!」
4人は構える。
「そんなに早く死なないでね〜」
すると、目の前にいたはずの彼は、いつの間にか美咲の横に立っていて、脇腹当たりに思いっきり蹴りを入れる。
美咲は、壁に凄まじい勢いでぶつかり砂ぼこりが舞う。
「美咲…!!」
彼女の方を見てルーは叫ぶ。
「よそ見しないよ〜」
ルーに蹴りを入れようとするが間一髪の所でルーの姿が消える。
「うるさいっ!」
作り出したナイフで彼の体を切る。すると金属のような音がし、まったくもって切れていなかった。
「なっ……!」
「あ〜あ、残念〜」
彼がルーに殴りかかる。しかしまた当たらず姿を消す。
2人は激しく戦いを繰り広げていた。
「美咲の様子を見てこい。雑魚は片付ける」
アナベルが、周りの歩兵を素早く倒し続ける。
「美咲…大丈夫?!」
カイトは、飛ばされた美咲の方へ行き肩を叩いて話しかける。
「大丈夫……ギリギリセーフッ…」
蹴られた時咄嗟にガードしたのが間に合ったようだ。
「カイトは、アナベルさんと一緒に周りの敵を。私はルーさんを手伝いに行く」
「分かった。気をつけろよ…」
「うん。大丈夫」
カイトは周りの兵を倒しに美咲から離れる。
「"変幻 猫"」
赤い粒子が彼女を包む。
「行くよ…あの人を倒すんだ…!」
美咲は、彼の方へ走って向かっていく。初めての強敵美咲はどう立ち回るのか。




