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棒人間の冒険  作者: 五井緑 ナサ
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第4章 能力の使い方

同時刻 廃墟街

 軍基地から少し離れた所に整列している人影が見える。数はおよそ120人。やはりその人々は、あの不気味な仮面を被っている。Sからの刺客のようだ。

「あれは、きのこくんとは別の個体なんですか?」

 ルー、カイト、美咲は、倒壊したビルの上から、様子を見ている。

「そうだ。アイツは、きのこくんの戦闘特化型のようなもので能力も、ビームを手のひらから発射するものに変化している。また、防御性能も凄まじく、普通の重火器じゃ刃が立たない。しかし真力による攻撃はよく通る」

「なるほど…」

 ルーとカイトが話し合っている際、美咲は別のことを考えていた。

(ノリと勢いで戦闘参加するなんて言っちゃったけど……真力をどうやって使うのか知らないんだった………)

これはとても致命的な事だ。

 すると突如として白く輝いている部屋にワープしていた。前に見た景色だ。

「ここは……心情の箱みたいな名前の所だったっけ」

「そっ。よく覚えてたね〜」

 声の主はソードだ。

「そういえば能力の使い方について説明してなかったな〜って思って、ごめんね急に呼び込んで。タイミング悪かった?」

「全然完璧です。これから能力を使おうと思っていたんです」

「そっか。じゃあ良かった。じゃあ説明してくね」

(不思議な感じがする。ソードとはあまり喋ったことも無いのに懐かしい気持ちになって来る…)

 美咲は、少し気になることがあったがとにかくソードの説明を聞くことにした。

「真力っていうのは、想像力が大切なんだ」

「想像力?」

「うん。じゃあ〜美咲の好きな動物を頭のなかで思い浮かべてみて。それで、全身の力を抜いて真力の流れに身を任せる感じ」

「身を任せる……」

 美咲は、試しに猫を思い浮かべ、全身の力を抜く。すると、美咲の体の周りに赤い粒子のような物が現れる。その粒子は、美咲の真力が具現化している証拠だ。そして赤い粒子が、美咲の体にくっつき形を作っていく。まさに猫のような耳と、しっぽ、鋭い爪が現れた。それを見て美咲は、驚く。

「うわぁっ!凄っ、なにこれ!」

 美咲は自身についている爪やしっぽなどを触って不思議がっている。

「すごいね。一発で成功するとは……」

「あとは、他にコツとかあるの?」

「いや、無いね。もう戻っていいんじゃないかな。頑張ってね」

 美咲の辺りが白い光に包まれる。すると元の光景に戻っていた。

「美咲。大丈夫?」

 ルーが美咲の肩を軽く叩く。

「はい。大丈夫です!」

「あの大群が、このビルの横を通ったら攻撃を仕掛ける。まず私が閃光手榴弾を投げ、相手の視界を奪う。その間に、隣のビルにいる部隊の兵と協力して近接戦闘を行なってくれ」

「意思疎通は、どうやって取れば……」

「大丈夫だ。思考の読めるやつがいる。そいつが全員の位置を把握し、指示を出してくれる」

「分かりました」

「そろそろ来るぞ。準備してくれ」

 ビルの横を大群が通る。それと同時に作戦が決行された。ルーは大群に閃光手榴弾を投げ入れる。大群は、眩しい光に包まれ動きを止める。

「今だ!!」

 ルーの合図で攻撃が始まる。

「"変幻 猫"」

 美咲も能力を使う。短時間での能力習得に成功した。ビルから駆け降り地面に着地する。

(やっぱり…痛くない!生物の特性を反映させるってそういうことね)

 猫は他の動物よりも平衡感覚が優れているため高い所から落ちても平気な場合が多い。普通の猫の場合、高すぎる場所から落ちるとケガなどを負ってしまうが、美咲は真力で身体をガードできているので負荷が必然的に少なくなっていた。

「喰らえぇ!」

 美咲は爪を立て、心臓を狙い、素早く突く。すると爪は、相手の身体を簡単に貫き倒すことに成功した。

(私でも戦える…!)

 続けて、1体、2体と動きが止まっている敵を着実に仕留めていく。

 また、大群の少し後ろの方ではカイトが戦闘を繰り広げていた。

(後ろの方だから手榴弾の目眩ましがあまり効いてないっぽいな)

 カイトに向けて複数の方向からビーム発射される。

「無駄だよ。君たちみたいな量産された真力なんて、僕より強いわけないじゃん」

 カイトが手を広げるとそのビームは、方向を変え敵の多いところに飛んでゆく。

「我々も遅れを取っているぞ」

 部隊の兵も、激しい戦闘を繰り広げている。

兵一人一人の凄まじい連携によって相手を翻弄している。その中でも素早い動きをしている者がいた。

 アナベル・G・ホワイト、ハイペリオン第3戦闘部隊の副隊長だ。彼の能力は、"精神感応と光速"。相手の思考を読み取ることと光の速さで動く事を可能とする。常人には彼の動きを追うことができない。

(あの子供達、何故あそこまで強力な真力を持っていたのにも関わらず今まで発見されなかったのだ……?)

 疑問を抱きながらも敵をなぎ倒していく。部隊の兵達が持っている武器はルーが作り出した特殊な物で、岩盤をも砕くとされている。

「そろそろ目眩ましの効果も消えるだろう。私も活躍しなければな」

 ルーは、瞬時に敵の目の前に転移し、心臓を貫く。そしてまた別の敵の目の前に転移…それの繰り返しだ。とにかく仕留めるスピードが他の者より速い。

(何か…違和感があるな…なんだ?何か見落としたか?)

 ルーは何か不思議がっているがとにかく目の前の敵を倒すことに集中しているようだ。

「すご…あんなに沢山いたのにもう片付いちゃった……?」

 作戦決行から、約45秒。敵組織の大群は壊滅。作戦成功かに思えた。

 その時巨大な揺れが起こった。

「な、なんだ?!」

「うわっ!地震?!」

「……デカいな…」

 周りの建物が崩れていく。

「気をつけろ!瓦礫に埋もれるなよ!」

 するとルーが崩壊しているビルの中に不気味な物を目にする。

 細長い身体、不気味な仮面。資料と同じ形をした、Sの姿が突如として現れた。資料と違う事、それは禍々しいオーラ。写真には、写っていなかった黒い真力の粒子が大量に舞っている。

「全員集合だ!Sだ!」

 それを聞いた全員が息を飲む。

「あの写真…フェイクではなかったのか…?!」

 副隊長や隊員は、あまり信用していなかったらしい。

「S…私が元の世界に帰るためにも情報を集めて倒す!」

 素早く隊長の方へ向かう美咲。

「このタイミングで現れるとすると…僕達を危険視したのかな…?」

 カイトも、隊長の方へ向かう。

 不気味な笑みを浮かべた仮面。その仮面を付けた謎の人物"S"。その場にいた全員は、そのオーラに呆気を取られる。人間の生存本能が危険を示している。彼らはその恐怖に勝つことができるのか。

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