第2章 破壊の遺産
2236年 ??? 4月13日
破壊された町を歩いていて気付いた事があった。この町は、誰かによって破壊されたことと、血痕などが無いこと。確かに町は破壊されたが、虐殺は、行われていないようだ。どういうことだろうか。これを行った犯人の心情が理解できない。
「"S"って人を倒せと言われても、情報が何もないんだよなぁ。誰か人がいるわけでもないし」
独り言をブツブツ言いながら歩いていた。
すると目の前に人影が見えた。
(あれっ…?誰か人がいる?あの人に何が起こったか聞いてみよ)
「すみませーーん!!」
大声を出す。
するとその人影が近づいてくる。
それと同時によく見えなかった姿が現れる。
黒いマントを羽織って、ニコちゃんマークのような気味の悪い仮面を被っている怪しい人だった。
(うわぁぁ、声かける人ミスったぁ…)
心の中でそう思ったその時…
ドォォン!!
後ろから銃声が聞こえたかと思えば目の前の彼が倒れている。
「……え?」
美咲は、突然の事に固まってしまった。
美咲が瞬きをした一瞬で、目の前に軍事服のような物を着ている人が現れた。
そして、美咲の肩を掴む。
するといつの間にか山頂に瞬間移動した。
美咲の周りにはさっきの人と同じ軍事服を着て、銃を装備している人が何人かいる。
「What's your name?」
(えっ……?日本人じゃない?)
質問されるが、美咲はまったくもって英語が得意じゃない。
彼らは少しざわついている。
すると一人がポケットから小さな端末を取り出し美咲に差し出す。
「Put it on your ears」
と言い耳を指差す。
「耳に付けろってこと…?」
美咲は、端末を耳に付けた。
「おーい聞こえる?」
「え、あっ聞こえます。」
さっきまで英語を喋っていた彼らが突然流暢な日本語を喋りだした。
「その端末は、翻訳機だ。怪しいものではない」
この世界の技術は、ここまで進化したのか、そう美咲は思った。
「あのあなた達は、誰なんですか。それと、さっきの仮面の人は…」
「すまない。紹介が遅れたな。我々はアメリカから送り込まれた対テロ制圧処理組織通称"ハイペリオン"の第3戦闘部隊だ。私の名前は、ルー・F・トンプソンだ。この部隊の隊長をしている。君は何処の人だ?」
「私は、日本の学生です。夢追美咲です」
すると彼らは驚いたようにざわつき始めた。
「今日は不思議な事が多いな……」
「上にどう説明する?」
「あの…そんなに不思議な事なんですか?」
そう質問するとルーが答える。
「あぁ…日本は、確かに存在した国なんだが…」
「日本に何かあったんですか?」
「日本は200年ほど前に崩壊して消滅しているんだ」
「え…日本が…消滅??どういうことですか?詳しく教えてください。」
美咲は、困惑しきっていた。自分の国が無いと言われて動揺するのも無理はない。
「ひとまずここを離れよう。ここは危険……」
ルーが言い終わる前に遠くで爆音が響いた。
「くっ……遅かったか。衝撃に備えろ!」
天を衝くようなキノコ雲が立ち昇る。まさに世界の終わりのような光景だ。
「なになに??!!何が起きているの?!」
「さっき君の近くにいたあいつが原因だ。とにかくここから離れる。転移するぞ」
ルーが触れると軍事基地のような場所に転移した。さっきの仮面の人物は何者なのか、なぜ日本が崩壊したのか、まだ彼女が知らなければいけないことがあまりにも多すぎた。




